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借主が死亡した際の使用貸借契約はどうなる?相続の可否と立ち退きトラブル対策

弁護士 中野和馬

この記事の執筆者 弁護士 中野和馬

東京弁護士会所属。東京都出身。 弁護士になる前、私は公務員として自治体業務に携わってきました。その経験から、法的な正しさだけでなく、社会的な公平性や、一人ひとりの生活に寄り添うことの重要性を深く理解しています。
立ち退き問題は、住まいや事業所といった生活の根幹に関わる問題であり、そこには多大な不安やストレスが伴います。私は「弁護士は敷居が高い」というイメージを払拭し、何でも気軽に話せる相談相手であることを常に心がけています。
複雑な法律用語を分かりやすく整理し、今後の見通しを丁寧にご説明した上で、依頼者様が「相談して良かった」と心から思える解決を目指します。公務員時代から大切にしている「誠実に向き合う」姿勢を貫き、皆様の正当な権利を守るために全力で取り組んでまいります。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/nakano/

この記事でわかること

  • 借主が死亡したときに使用貸借契約はどうなるのか
  • 借主死亡時の使用貸借契約の相続に関する判例
  • 借主死亡後の使用貸借契約でトラブルになりやすいケース

使用貸借とは、貸主が地代や使用料などの対価をもらわずに不動産や物品などを貸し、借主は使用目的の達成後に返還する契約です。
たとえば、子どもが親の土地を借りて自宅を建てるケースや、知人から自動車を一定期間借りるようなケースで利用されます。

使用貸借契約は無償を前提としていますが、借主が死亡したときは原則として相続人に地位は承継されません
一方で、特約や黙示の合意により相続人の居住が認められる場合など、例外にあたる判例も存在します。

借主の死亡後は、物件の使用貸借を巡って相続人と貸主がトラブルになる可能性もあるため、あらかじめ弁護士に相談しておくとよいでしょう。

ここでは、借主が死亡した場合の使用貸借契約について、トラブル事例や対応策などをご紹介します。

使用貸借は借主の死亡で終了する

使用貸借の終了事由は民法第597条に定められており、借主の死亡も終了事由の一つです。
原則として相続人に居住権はないため、居住し続けると不法占有に該当する可能性もあります。

「相手に譲歩したくない」「住居を失いたくない」といった感情論で占有を続けると、不法占有として賠償請求を受けたり、不動産侵奪罪に抵触するリスクもあるため注意しましょう。
まずは、使用貸借の終了事由や借主が死亡した場合の取り扱いなどを確認していきましょう。

使用貸借の終了事由

民法第597条では、以下の事由により使用貸借契約が終了すると定められています。

<使用貸借の終了事由(民法第597条)>

  1. 1.当事者が使用貸借の期間を定めたときは、使用貸借は、その期間が満了することによって終了する。
  2. 2.当事者が使用貸借の期間を定めなかった場合において、使用及び収益の目的を定めたときは、使用貸借は、借主がその目的に従い使用及び収益を終えることによって終了する。
  3. 3.使用貸借は、借主の死亡によって終了する。

引用:e-Gov法令検索「民法第597条」

有償の賃貸借契約では、借主が死亡すると使用権が相続人へ承継されます。
一方で、無償が前提の使用貸借契約は貸主と借主の個人的な信頼関係に基づくケースが多く、借主の死亡で権利関係は消滅し、相続人には承継されません。

例外として使用貸借が終了しない場合もある

例外として、以下のようなケースでは相続人が使用貸借する権利を行使できます。

  • 特約により借主が死亡しても使用貸借契約は終了しない旨が定められているとき
  • 相続人と貸主の間で新たに使用貸借の合意がされたとき
  • 借主と同居する相続人など、使用貸借の存続に関する黙示の合意があったとみなされたとき

このように、使用貸借の存続は個別のケースによって例外的に認められるケースもあることを理解しておきましょう。

借主死亡後の「明け渡し」と「残置物」の手続き

借主の死亡によって使用貸借契約が消滅した場合、相続人が次の義務を承継します。

  • 明け渡し義務
  • 残置物の撤去義務

それぞれの内容を確認していきましょう。

明け渡し義務

借主には、物件からの退去時に故意や過失による損傷を回復させる原状回復義務があります。
借主が入居中に亡くなった場合、物件を返還するときの原状回復義務は借主の相続人が負担します

借主が死亡したにも関わらず、相続人が物件へ勝手に居住し続けると不法占有とみなされる恐れがあるため、注意しましょう。

残置物の撤去義務

亡くなった借主が使用していた家財など、残置物の所有権は借主の相続人に帰属します
遺品に関する権利は相続人全員にあるため、貸主が勝手に処分をすると賠償責任を負う可能性があるでしょう。
一方で、残置物が残り続けると次の居住者が入居する妨げとなる可能性があるため、相続人は原則として残置物を撤去する義務があります。

借主死亡時の使用貸借の相続に関する判例

借主の死亡時、相続人は使用貸借を承継できないのが原則です。
一方で、家族の居住継続が黙示的に合意されていたなど、個別の事情によっては相続人の居住権を認める判例もあります
借主の死亡後に使用貸借が消滅した判例と、継続が認められた判例をそれぞれ紹介します。

使用貸借が消滅するとされた事例

原則通り、借主の死亡と使用目的の達成により使用貸借が終了した事例です。

事件番号:平20(ワ)33194

裁判所・部:最高裁判所第三小法廷
判決日:2011年3月31日東京地裁判決
要旨:借主である母の死亡により、同人の「庭の広い新しい家に住む」という目的が達成されたとして使用貸借契約の終了を認めた。

もともと母の「庭の広い新しい家に住みたい」との希望を受けて土地が使用貸借され、その上に建物が建築されました。
当該土地の使用貸借は、母の希望を叶えるために子どもが土地を無償で使用貸借したものです。
そのため、借主である母の死亡後はその目的が達成されたとみなされました。

使用貸借の継続が認められた事例

一方で、こちらの判例では例外的に相続人の使用貸借の継続が認められました。

事件番号:平成5(オ)1946

裁判所・部:最高裁判所第三小法廷
判決日:1996年12月17日判決
要旨:相続財産である建物の相続開始後の使用について、死亡した借主と相続人との間に使用貸借契約の成立が推認される。

共同相続人のうち1人が、相続開始前から借主である被相続人の許諾を得て同居していたケースです。
この場合、借主である被相続人と相続人の間には、相続開始時を始期、遺産分割時を終期とする使用貸借契約が成立していたものと推認されました。

借主死亡後の使用貸借契約でトラブルになりやすいケース

使用貸借契約で借主が死亡すると、たとえば以下のようなトラブルが発生する恐れがあります。

  • 遺産分割を巡るトラブル
  • 物件の返還を巡るトラブル
  • 口約束での契約成立から発展するトラブル
  • 人的な関係の悪化

それぞれについて解説します。

遺産分割を巡るトラブル

相続人が複数いると、遺産に含まれる使用貸借権の使用を巡ってトラブルになる可能性があります。
借主が死亡し、複数の相続人がいる場合、使用貸借などの権利も財産の一つとして遺産分割を行います。

このとき、相続人同士で仲が悪い場合や、居住する相続人と不動産を取得する相続人が別の者になった場合は、トラブルが起きやすくなります。
不動産の相続人は、不動産を使用貸借している者が別にいると、せっかく不動産を承継しても自由に使用できません

建物を解体する必要があるときは、費用負担を巡って相続人間で話し合う必要もあるでしょう。
トラブルを防ぐには、借主の相続が発生する前に相続人間や貸主を交えて承継の方法を話し合っておくのが望ましいです。

物件の返還を巡るトラブル

たとえば借主と同居していた相続人などは、借主の死亡後も同じ物件で居住し続けたい場合も多いでしょう。
特に長年生活していたケースでは、使用貸借の承継がない場合でも「住み続けたい」と主張するケースが珍しくありません。
貸主としては退去してもらいたいのに、同居していた相続人が物件に居座ると物件からの立ち退きを巡ってトラブルになる恐れがあります。

話し合いによる解決が難しくなった場合、物件の鍵を勝手に交換するなど強硬的な手段に出る貸主もいるかもしれません。
物理的な自力救済は違反行為にあたり、住居侵入などの争いに発展する可能性もあるため、注意しなければなりません。

口約束での契約成立から発展するトラブル

使用貸借は親子や親族間など、個人的な人間関係に基づくケースが多く、口約束のみで借りるケースも多いでしょう。
使用契約は諾成契約と言って、書面によらず口約束のみで成立しますが、確実に証拠を残すためには書面での記録が重要です。
口約束は立証が難しく、詳細な条件などについては当事者が内容を忘れてしまうケースもあるかもしれません。
どちらかが契約した内容を忘れてしまうと、「言った」「言わない」の争いなどに発展する恐れもあります。

人的な関係の悪化

たとえば以下の場合は、トラブルに発展する可能性があります。

  • 借主と貸主は人的な繋がりがあって使用貸借を契約していた
  • 相続人や同居人と、貸主の間はもともと関係が希薄だった

相続人や同居人と人的な繋がりがあまりなかった場合などは、貸主から退去や有償契約への切り替えを要求されるケースもあるでしょう。
貸主の事情によっては、借主の死亡をきっかけとして貸主やその相続人が使用するために返還を要求する場合もあるかもしれません。
相続人や同居人としては住む場所がなくなってしまうため、法的な紛争に発展してさらに関係が悪化する場合もあります。

借主死亡時の使用貸借にお困りのときは弁護士に相談

使用貸借を巡ってトラブルに発展したときは、当事者間の話し合いによる解決が難しいケースも多いですが、自力救済にあたる行為をするのは厳禁です。
問題を早期解決するためには、弁護士に相談して建物明け渡し請求を申し立てるなど、適法な手段で対処してください。

ここでは、弁護士に依頼したときのサポート内容とメリットを解説します。

弁護士のサポート内容

弁護士には、以下のようなサポートが依頼できます。

  • トラブル回避のための法的な助言をしてもらえる
  • 内容証明郵便の作成や送付を依頼できる
  • 相手方との交渉や訴訟手続きをするときに代理人として対応してもらえる

権利を侵害された場合でも、侵害された者が実力行使で自己の権利や財産を回復する行為は自力救済といい、原則として禁止されています。
逆に相手から損害賠償を請求される恐れもあるため、必ず弁護士を通じた適正な手段で対応しましょう。

弁護士に依頼するメリット

弁護士に依頼すると、以下のようなメリットがあります。

  • 法的な根拠に基づいて権利を主張できる
    弁護士は法令や過去の判例に基づいて適切な主張を行います。
    対応してもらえないときは訴訟を提起されるリスクもあるため、相手方に対応してもらえる可能性が高くなるでしょう。
  • 迅速かつ適法な手段で退去を促せる
    弁護士が介入すると、法的な紛争で不利になるような違法な行為に手を出してしまうような心配がありません。
    弁護士は紛争解決のプロであり、個人では対応が難しい和解交渉なども一任できます。
  • 労力や精神的負担を軽減できる
    相手方との交渉は解決までに時間がかかるケースもあり、労力や精神的な負担が重くかかるケースも珍しくありません。
    弁護士に依頼すると、交渉などで相手方へ対応してもらえるため負担を大幅に軽減できるでしょう。

まとめ

使用貸借は親族間での土地の貸し借りなど、人的な信頼関係に基づいて利用されるケースが多い契約です。
一方で、借主が死亡して相続が発生すると、相続人の居住権や立ち退きを巡ってトラブルになるケースが少なくありません。

法的な紛争になると信頼関係も失われてしまうケースが多いため、早めに弁護士に相談して再契約などの対策を立てておくとよいでしょう。
使用貸借で将来的なトラブル発生の不安がある方は、経験豊富な弁護士が多数在籍するVSG弁護士法人にご相談ください。

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