賃貸住宅での生活の中で、換気扇の汚れが気になって掃除をしようとしたものの、外し方や掃除方法が分からずに困ってしまったという経験がある人は多いのではないでしょうか。
そもそも、賃貸住宅は人から借りて住んでいるものであるので、換気扇掃除を自らの費用負担で行うべきなのかどうかという点についても、疑問を抱くケースはとても多くあります。
換気扇は、日頃は見えにくい部分に汚れが溜まりやすいので、掃除をせずに汚れた状態のまま放置してしまうのは危険です。
掃除せずに放置すると、故障の原因となることや、自分の身体に悪影響を及ぼすことにもなりかねません。
本記事では、賃貸住宅に住んでいる人やこれから住む予定の人に向けて、賃貸住宅での換気扇の外し方について、徹底解説していきます。
掃除の仕方や頻度、注意点についても丁寧に解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
一般的に、賃貸住宅の換気扇掃除は入居者負担で行います。
そのため、入居中の換気扇掃除を怠ってしまい、退去する際に酷く汚れている状態となっていた場合、換気扇のクリーニング費用や修理費用、交換費用などを請求されてしまう可能性が高いでしょう。
賃貸住宅に住んでいる人の中には、換気扇掃除は貸主である大家が負担するものだと勘違いし、退去する際にトラブルとなってしまうケースもあります。
トラブルを避けるためにも、賃貸の換気扇掃除は入居者負担であることを、正しく理解しておきましょう。
賃貸住宅の換気扇を自分で掃除しようと思っても、いざ作業に取り掛かろうとしたとき、換気扇をどのように外したらよいのかが分からずにつまずいてしまうケースも少なくありません。
換気扇の外し方が分からないからといって、結局掃除を後回しにしてしまうや、あるいは力任せに無理やり外そうとすると、後々修理費用などの負担が自分に返ってきてしまう恐れがあります。
ここでは、賃貸住宅の換気扇の外し方を種類別に解説していくので、自分の住んでいる賃貸住宅の換気扇タイプに合わせて、外し方を確認していきましょう。
換気扇のファン部分が丸い筒状になっていて、沢山の細いパーツが筒の形に沿って斜めに並んで取り付けられているタイプを、シロッコファンといいます。
シロッコファンの場合、まずはカバー部分を少し持ち上げてから、手前側に引いて外すことから始めましょう。
カバーの次は、フィルター部分の持ち手を掴み、少し上に持ち上げて取り外します。
フィルター部分は、付着している油汚れが多いと、固まってなかなか持ち上がらずに苦戦するケースもよくあるので注意が必要です。
フィルターを外すと奥にファン部分が出てくるので、中央の軸を掴み、ストッパーとなるボタンを押しながら手前に引き抜きましょう。
なお、各工程において、部位を固定するためのネジが付いている場合は、ネジを回して外す必要があるので、換気扇の構造をよく観察しておくことが大切です。
換気扇のファン部分が、花びらを重ね合わせたような形状になっていて、扇風機のように回転することで空気の流れをつくるタイプを、プロペラファンといいます。
プロペラファンの場合は、まずフィルター部分の一番下を掴んで少し持ち上げ、手前に引いて外しましょう。
フィルターを外してファン部分が出てきたら、ファンの花びらのような部分を優しく押さえながら、中央の軸を回して取り外します。
さらに、小さめのプロペラファンの場合は、ファンの周りを覆っているカバー部分まで取り外しが可能であるケースが多いので、カバー部分をそのまま手で掴んで優しく手前に引いてみましょう。
一般的には、上記の部分までが取り外し可能となっていることが多いので、これ以外の本体部分を無理やり外すのは避けたほうがよいでしょう。
換気扇の取り外しが終わったら、実際に掃除に取り掛かりましょう。
取り外した換気扇は、どの部位も特殊な形状をしているため、正しい掃除の仕方が分からずに戸惑ってしまう人も多いかもしれません。
ここでは、取り外した換気扇の部位ごとに、掃除の仕方を分かりやすく解説していきます。
一通りの掃除方法を理解した上で、実際の作業を開始していきましょう。
換気扇のカバー部分は、ホコリによる汚れが付着しやすいため、まずはホコリを丁寧に拭き取りましょう。
ホコリを取り除いたら、重曹を溶かしたぬるま湯にカバー部分をまるごと浸して20分程度放置すると、こびりついていた汚れが浮いてきます。
その後、スポンジを使って軽く擦って汚れを完全に落とし、最後に水ですすげば、カバー部分の掃除は完了です。
換気扇のフィルター部分は、細かい隙間が非常に多い構造となっています。
そのため隙間部分に入った汚れを落とすのに苦戦しやすい部位ともいえるでしょう。
フィルターに付着するのは、油などによる酸性の汚れであることが多いので、重曹またはアルカリ性の洗剤を使用するのがおすすめです。
ぬるま湯に重曹などを溶かしてフィルターを20分程度浸け置きし、浮いてきた汚れを擦り洗いしていきます。
フィルター部分は、通常のスポンジだけでは細かい隙間の汚れを落としにくいので、使用済み歯ブラシなどを活用して擦るとよいでしょう。
換気扇のファン部分も、基本的な掃除方法はフィルター部分と同じで、重曹などを入れたぬるま湯に浸け置きする方法がよいでしょう。
特に、シロッコファンの場合は、羽根となるパーツ1枚1枚の隙間が非常に狭く、擦り洗いには手間がかかりがちです。
フィルター部分のように使用済み歯ブラシを活用する他、割りばしにキッチンペーパーなどを巻き付けて汚れをかき出す方法もあるので、試してみるとよいかもしれません。
また、汚れを落として水で洗い流した後は、しっかりと水気を切って乾かしてから戻すようにしましょう。
濡れた状態のままで取り付けてしまうと、錆びる原因となってしまう恐れがあるため、注意が必要です。
賃貸住宅に住んでいる人にとって、換気扇を掃除する頻度はどのくらいが適切であるのかという点も、気になるポイントといえるでしょう。
賃貸住宅の換気扇を掃除する頻度は、3ヶ月に1回程度が理想的です。
3ヶ月に1回程度のペースで換気扇を掃除しておけば、汚れが固まってこびりついてしまう前に落とすことができるので、毎回の掃除にかかる労力は軽くなります。
しかし、忙しくてなかなか3ヶ月に1回のペースで掃除することが難しい人も多いかもしれません。
そのような場合は、最低でも1年に1回は必ず掃除することを決めて、実践するようにしましょう。
賃貸住宅の換気扇を掃除する際は、注意するべき点を事前にきちんと押さえておく必要があります。
注意点を知らずに換気扇を掃除しようとすると、思わぬ怪我へと繋がってしまう危険性や、換気扇を故障させてしまい、高額な修理費用を請求されるリスクも高まってしまうかもしれません。
ここでは、賃貸住宅の換気扇を掃除する際の3つの注意点について解説していくので、実際の作業に取り掛かる前にきちんと確認しておきましょう。
賃貸住宅の換気扇を掃除するときは、作業を開始する前にブレーカーもしくは主電源を落としておきましょう。
ブレーカーを落とさずに作業を開始してしまうと、掃除の最中に誤って換気扇を作動させてしまい、手や指などに怪我をしてしまう恐れがあります。
思わぬ怪我を招くことのないよう、換気扇の掃除を始める前には必ずブレーカーや主電源がオフになっていることを確認しましょう。
換気扇は、一般的に高い位置にあるため、取り外しや取り付けの際に台などにのぼって作業するケースが多いでしょう。
そのため、作業の際は足場をしっかりと安定させることがとても重要です。
安定しにくい椅子などの上に立って作業しようとすると、ぐらついて転倒してしまう危険性があります。
換気扇の取り外しや取り付けでは、慣れない体勢での作業となることが多いので、しっかりと安定して立つことのできる踏み台や脚立を利用するようにしましょう。
賃貸住宅の換気扇を掃除しようとしても、上手く部品を外すことができない、あるいは換気扇を外せたとしても汚れを上手く落とせなかった場合は、専門業者へ依頼したほうがよいでしょう。
換気扇の掃除が上手くできないときに無理やり自力で作業を進めようとすると、換気扇を破損させてしまう可能性もあります。
専門業者への依頼費用を節約しようとして無理に自分で掃除を進めても、結果的に換気扇を破損させてしまえばより高額な修理費用や交換費用がかかる可能性があります。
専門業者に依頼すれば、自分で換気扇を外して汚れを落としてまた元に戻すといった作業の手間を省くこともできるので、自分で掃除するのが難しいときは専門業者を頼ることも検討してみましょう。
賃貸住宅に住んでいる場合、換気扇の掃除を定期的に行うことは非常に大切です。
しかし、賃貸住宅は自分の所有物でないことから、換気扇の掃除を後回しにしてしまう人は多いかもしれません。
また、掃除をしようとしても、換気扇の外し方や、正しい掃除方法が分からなくて、掃除する気力が失せてしまうケースも多々あるでしょう。
賃貸住宅の換気扇の掃除は、正しいやり方を理解すれば決して難しいことではないはずです。
本記事で紹介した換気扇の外し方や掃除方法、適切な掃除の頻度などを参考にし、定期的に換気扇掃除を行うようにしていきましょう。