賃貸住宅に住んでいると、知らないうちにフローリングにカビが生えていることに気づいて、どうしたらよいか分からずに焦ってしまうというケースは少なくありません。
賃貸住宅では、いずれ退去し持ち主に部屋を明け渡すことになるため、フローリングにカビが生えたことにより発生する費用負担についても気になっている人は多いのではないでしょうか。
本記事では、賃貸住宅のフローリングにカビが生えてしまったときの対処法について、徹底解説していきます。
フローリングに生えたカビの掃除方法はもちろん、カビが生える原因や予防策、賃貸の退去費用への影響などについても詳しく解説していくので、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
そもそも、賃貸物件のフローリングに生えたカビの補修費用は、一般的に誰が負担するものなのでしょうか。
賃貸物件のフローリングにカビが生えたときの補修費用は、ほとんどの場合は入居者が負担することとなっています。
たとえば、フローリングにカビが生えて入居者負担となる場合には、以下のようなものが考えられます。
ただし、建物そのものが古くなっていて、物件自体の経年劣化によってカビが生えたと見られるケースにおいては、貸主である大家が補修費用を負担する場合もあります。
賃貸物件のフローリングに、気付かないうちにカビが生えていたというケースは少なくありませんが、実際にはどのようなことが原因となっているのでしょうか。
ここでは、フローリングにカビが生える原因を2つ挙げて解説していきます。
なぜフローリングにカビが生えてしまうのか、まずは原因を明らかにしていきましょう。
賃貸物件のフローリングにカビが生える原因の中でも特によくありがちなのが、布団やカーペットを敷きっぱなしにしているというケースです。
布団やカーペットは、目に見えない汗や細かいホコリなどが大量に付着しています。
そのため、一見乾いているように見えていても実際には湿気を多く含んだ状態である場合が多く、気づかないうちにカビがどんどん繁殖してしまうので、注意しなければなりません。
フローリング上に、観葉植物などの鉢植えや、熱帯魚などを育てる水槽を置いていることによって、カビを発生させてしまうケースも多くあります。
鉢植えや水槽は当然水分を多く含んでいるため、その周辺の湿度が高まりやすくなり、カビが生えやすい空間となってしまいます。
特に、置く場所を一箇所に決めてしまい、同じ場所に長期間置き続けてしまうと、さらにカビを発生させやすくしてしまうので注意しましょう。
賃貸物件のフローリングにカビが生えてしまったら、できるだけ早めに掃除することが非常に重要です。
しかし、どのような方法で掃除すればよいのか分からないという人も多いかもしれません。
正しい掃除方法が分からずに結局カビをそのままにする、または誤った方法で掃除してしまうと、フローリングの状態をさらに悪化させてしまうことになるでしょう。
ここでは、フローリングに生えたカビの掃除方法を、3つの手順に分けて説明していきます。
正しい掃除方法を理解した上で、実際の掃除へと取り掛かりましょう。
まずは、カビの生えたフローリング全体を水拭きしていきましょう。
水拭きすることで、フローリングの表面に付着している汚れを取ることができます。
この時点では、表面の汚れを落とすことが目的なので、まだカビ自体は完全に消えなくても大丈夫です。
全体の水拭きが済んだら、次にアルコールもしくはエタノール液などを吹きかけ、5分程度放置しましょう。
少し時間をおくことで、カビを浮き上がらせることができます。
カビが浮いてきたら、乾いた雑巾などを使って丁寧に乾拭きしていきましょう。
アルコールやエタノール液は、カビを浮かせて除去するだけでなく、今後の繁殖を予防する効果も期待できます。
フローリングの全体的な拭き掃除ができたら、最後に溝部分も掃除していきましょう。
フローリングは、板と板の間に細い溝があり、拭き掃除だけでは除去しきれないカビが残ってしまいます。
そのため、フローリングの溝部分の汚れは、細かい隙間に入り込める歯ブラシや爪楊枝などで擦って落としていきましょう。
面倒だからといって溝部分の掃除を怠ると、せっかく掃除をしてもまたすぐにカビが生えてしまうかもしれません。
最後までしっかりと手間をかけて掃除しておくことが大切です。
賃貸物件のフローリングに生えたカビを掃除した後は、繰り返しカビが生えるのを防止することもとても重要です。
また、これから賃貸物件に住もうとしている人も、フローリングのカビを防止する方法を事前に知っておいたほうがよいでしょう。
ここでは、賃貸物件のフローリングのカビを防止する方法を3つ紹介していくので、ぜひ今後の参考にしてみてください。
カビを防止するための最も基本的なポイントといえるのが、こまめな換気を徹底することです。
フローリングに生えるカビは、主に湿気が多い空間を好む性質があります。
そのため、こまめに部屋の窓を開けて換気することで湿気を外に逃がすようにすれば、フローリングにカビが生えるのを防止することができるでしょう。
先述したように、フローリングの上に布団やカーペットを敷きっぱなしにしていることがカビの原因となるケースは多くあります。
布団やカーペットを日常的に使用する場合は、きちんと定期的に干すようにしましょう。
布団で毎日寝ていると、想像を大幅に超えた量の汗を布団が吸収している可能性が高いので、可能であれば毎日でも外干しするのがおすすめです。
カーペットも、目には見えなくても足で踏む度に汗などを多く吸収しているため、定期的に干すことが大切です。
布団やカーペットを定期的に干すことで、フローリングのカビを防止できるだけでなく、すっきりとした清々しい気持ちになれるという効果も期待できるかもしれません。
日常的な床掃除をするとき、フローリングに置いてある鉢植えなどをきちんと移動させながら作業することで、カビの発生を防止することに繋がります。
鉢植えなどを置く位置が決まっていると、どうしても床掃除の際に移動させるのを面倒に感じてしまう人も多いかもしれません。
しかし、水分の多い鉢植えが置かれている部分は、放置しているとすぐにカビが生えてしまいます。
フローリングにカビが生えないようにするためには、日頃の床掃除の際に必ず鉢植えなどの位置をずらしながら作業することが非常に重要です。
賃貸物件のフローリングにカビが生えてしまい、そのまま退去することになった場合、退去費用への影響はどの程度あるのでしょうか。
先述した通り、賃貸物件のフローリングにカビが生えてしまったときの補修費用は、入居者が負担するのが一般的です。
そのため、退去時にフローリングにカビが生えていると、フローリングを張り替えるための費用を請求されることになるでしょう。
賃貸物件のフローリングの張り替えにかかる費用相場は、広さ6畳分で10~15万円程度が目安となります。
入居時に払っている敷金でまかなうことができなければ、退去時の敷金返却が受けられないどころか、さらに原状回復費用を支払わなければならなくなってしまうので、注意が必要です。
賃貸物件でフローリングのカビ取り作業をする際には、押さえておくべき注意点が2つあります。
注意点を押さえて正しい方法でカビ取り作業を行わなければ、かえってカビの発生を酷くしてしまう原因を作ってしまうことや、フローリング自体を傷めてしまう恐れがあるので注意が必要です。
これからカビ取りをしようとしている人は、実際の作業に取り掛かる前に下記の2つの注意点を必ず確認しておきましょう。
フローリングのカビ取り時には、掃除機の使用は避けるようにしましょう。
掃除機でカビを吸い込もうとすると、カビの細かい胞子が部屋中に飛び散ってしまうことがあります。
カビの成分が室内に舞ってしまうと、また新たなカビを発生させやすくしてしまい、カビ取りをしたつもりが結果的に逆効果となってしまうでしょう。
フローリングのカビ取りでは、重曹や塩素系漂白剤は使わないようにしましょう。
賃貸物件のフローリングは、一般的に木材からできていることが多く、重曹や塩素系漂白剤の使用には適していません。
そのため、カビ取り時に重曹や塩素系漂白剤を使ってしまうと、フローリングを傷つけることや、変色させてしまう可能性があります。
フローリングを傷めてしまうと、退去時における請求の対象となってしまうことも考えられるので、カビ取りの際はアルコールやエタノール液などを使って正しく掃除しましょう。
賃貸物件のフローリングにカビが生えてしまったら、正しい方法で掃除を行った上で、その後のカビの発生を防止することがとても大切です。
本記事では、フローリングのカビの掃除方法や防止するための対策、注意すべき点などについて詳しく解説してきました。
賃貸物件でフローリングに生えたカビを放置してしまうと、最終的には自分に補修費用の負担がかかってしまうことになりかねないので、カビを見つけたら早めに対処するように心がけましょう。