賃貸住宅に住んでいると、退去する際のクリーニング代を請求されるケースはよくあります。
しかし、賃貸のクリーニング代は一般的に貸主と借主のどちらが支払うべきものなのか、正しく把握していない人は多いのではないでしょうか。
また、クリーニング代がいくらぐらいかかるのかという費用相場や、費用の詳しい内訳、費用を安く抑えるための方法など、賃貸の入居者にとって知りたいポイントは沢山あるでしょう。
本記事では、賃貸のクリーニング代は誰が払うものであるのかという疑問に答え、費用相場や内訳、クリーニング代を安くするための方法などについても丁寧に解説していきます。
現在賃貸に住んでいる人や、これから賃貸を退去する予定のある人は、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
賃貸のクリーニング代を誰が払うかは、国土交通省で定められている原状回復ガイドラインの内容および賃貸借契約の内容によって決まります。
原状回復ガイドラインによれば、以下のように定められています。
ただし、原状回復ガイドラインと異なる内容を賃貸借契約で定めることも可能です。
その場合は、賃貸借契約の内容が優先されるので、退去時のクリーニング代を借主負担とする旨が契約書に記載されている場合は、汚れの程度に関わらず借主が負担することになります。
このようなケースはとても多いので、自分が締結している賃貸借契約の内容を、契約書を見直して確認しておくことが重要です。
借主がクリーニング代を負担する場合、入居時に敷金を支払っていればそこから差し引かれ、敷金のない契約であれば別途クリーニング代として請求されることになるでしょう。
賃貸のクリーニング代を負担するとなれば、大体の費用相場を知っておきたいと考える人は多いでしょう。
一般的に、賃貸のクリーニング代の費用相場は、物件の間取りによって異なります。
そのため、自分の住む物件の間取りを把握した上で、クリーニング代の費用相場を確認してみるとよいでしょう。
間取り別で見るクリーニング代の費用相場は、下記の表の通りです。
ワンルーム~1K | 3~4万円程度 |
1LDK~2LDK | 4~7万円程度 |
3LDK以上 | 7~10万円以上 |
なお、上記の費用相場あくまで目安であり、室内の構造や依頼するクリーニング業者などによって差が出ることがあるという点も、理解しておきましょう。
賃貸のクリーニング代を負担する人にとっては、費用の細かい内訳も気になるポイントといえるでしょう。
内訳を知らないままでは、負担するクリーニング代が具体的に何のために使われているのかというイメージが掴めず、すっきりしない気持ちになってしまうかもしれません。
ここでは、賃貸のクリーニング代の内訳を、大きく5つの項目に分けて解説していきます。
それぞれの内容を把握し、支払うクリーニング代が何に使われているのかを確認していきましょう。
賃貸のクリーニングでは、フローリングを清掃してからワックスがけをするのが通常とされています。
賃貸物件の室内を綺麗な空間にするために、フローリングは非常に重要な部分です。
そのため、賃貸物件をクリーニングする際には、フローリングの清掃に加えてワックスがけもセットで行われるケースが多いでしょう。
賃貸のクリーニング代の内訳の中でも特に重要な項目ともいえるのが、水回りのクリーニングです。
具体的には、浴室の水垢やカビを落とす作業や、トイレの洗浄作業、キッチンまわりの水垢や油汚れを落とす作業などがあります。
水回り設備は、入居者の使用状況によって汚れ具合が大きく変わってくる箇所でもあり、汚れが酷い場合はクリーニング代も高額になりがちです。
賃貸のクリーニング代は、窓やベランダのクリーニングにも使われます。
窓ガラスやベランダの床部分のような目に見えやすい部分の掃除だけでなく、目立たないところに汚れが溜まりやすいサッシの隙間やベランダの排水部分なども、丁寧に清掃していきます。
賃貸物件の壁紙に使用されているクロスの洗浄や張り替えも、クリーニング代に含まれます。
汚れの程度が軽い場合は、張り替えずに軽い洗浄作業のみで済むケースも多くありますが、室内での喫煙を繰り返していた影響でヤニ汚れが酷い場合は、張り替えが必要となるでしょう。
また、子供のらくがきなどにより、通常のクロス洗浄では落とせないほどの汚れが付いてしまった場合も、張り替えが必要となるので、覚えておきましょう。
賃貸物件の設備としてエアコンが付いている場合は、エアコンの内部洗浄もクリーニング代の内訳の1つとなります。
エアコンの内部洗浄は、入居者が自分で行うことは難しいため、退去後に専門のクリーニング業者によって行われるのが一般的です。
なお、設備ではなく入居者が自ら取り付けたエアコンや、前の入居者の残置物として設置されていたエアコンについては、クリーニング代の内訳には入らないので、契約内容を確認の上正しく認識しておきましょう。
賃貸のクリーニング代を払うなら、できるだけ安く抑えたいと考えるケースは少なくありません。
通常であれば、賃貸の退去時に必要とされる最低限のクリーニング代の金額は、予め契約で定められているケースが一般的です。
しかし、追加のクリーニング代を請求されるかどうかは退去時の室内状況によって決まるため、できるだけ安く抑える方法を知っておいたほうがよいでしょう。
ここでは、賃貸のクリーニング代を安く抑えるための方法を4つ挙げて解説していきます。
賃貸物件に住んでいる人であれば、すぐに退去する予定がない場合でも実践すべき方法ばかりなので、ぜひ参考にしてください。
賃貸のクリーニング費用が高額になってしまう原因としてよくあるパターンの1つが、室内での喫煙によるヤニ汚れです。
日常的に室内でタバコを吸っていると、クロスが全体的に茶色く汚れていき、ニオイも染みついてしまいます。
喫煙によるクロスのヤニ汚れは、基本的に入居者負担で張り替えを行うことになるため、部屋全体のクロスを張り替えるにはそれなりの金額が必要となるでしょう。
クリーニング代を安く抑えたいのであれば、できるだけ室内での喫煙は避け、ヤニ汚れを防ぐことをおすすめします。
賃貸のクリーニング代を安く抑えるためには、こまめな掃除を徹底して、カビを生やさないようにすることが非常に重要なポイントです。
特に、浴室やキッチンなどの水回り設備は、湿気が溜まりやすくカビも生えやすいため、こまめな掃除を習慣づけておくとよいでしょう。
また、カビを繁殖させないためには、こまめな掃除だけでなく、日頃から部屋を換気することも重要です。
天気のいい日は窓を開けて換気することで、カビの繁殖を防ぎましょう。
カビが生えた状態で放置し続けると、深い部分までカビの根が浸透してしまい、カビ取りにかかるクリーニング代が高くなってしまう恐れがあるので、注意が必要です。
キッチンまわりに付着しやすい油汚れは、時間が経ってこびりついてしまう前に除去しておくことで、クリーニング代を安くすることに繋がります。
そのため、キッチンまわりに油汚れがついているのに気づいたときは、早めに掃除することを心がけましょう。
油汚れは、時間が経てば経つほど固まっていき、完全にこびりついてしまうと簡単な掃除では落とせなくなってしまいます。
汚れを落とす作業が大変になるほどクリーニング代も高くなっていくことを理解し、キッチンまわりの油汚れはこびりつく前に除去することを忘れないようにしましょう。
設置されているエアコンが賃貸の設備とされている場合は、定期的にエアコンのフィルターを清掃することが重要となります。
エアコンが設備であれば、クリーニング代の対象となるため、自分でできる範囲のメンテナンスをきちんと行っておくことで費用を安く抑えることに繋がるでしょう。
特に、エアコンのフィルター部分は比較的簡単に清掃が可能となっているので、季節の変わり目などのタイミングで定期的に清掃することをおすすめします。
エアコンのフィルター清掃を長年怠ってしまうと、エアコンの内部に大量の汚れが溜まり、特別なクリーニング作業が必要となってしまうケースも少なくありません。
また、定期的なフィルター清掃を行わなければ、入居者の健康面にも悪い影響を与えるリスクが高まるということも、頭に入れておきましょう。
賃貸のクリーニング代を誰が支払うかは、それぞれの賃貸借契約の内容によって異なりますが、一般的には入居者が払う旨が契約で定められているケースが多くなっています。
そのため、賃貸に住んでいる人は、退去するときのクリーニング代の費用相場や内訳を理解し、できるだけ費用を安く抑える方法も把握しておくとよいでしょう。
本記事で紹介したクリーニング代を安くする方法は、誰でもすぐに始められる対策ばかりです。
できるだけ費用の負担を軽くしたいのであれば、ぜひ本記事で解説した内容を参考に、すぐにでも実践に移してみてくださいね。