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賃貸物件で立ち退きを要求されたらどうする?正当事由や立ち退き料の相場

この記事でわかること

  • 立ち退き料を受け取るために借主ができること
  • 立ち退き料の相場
  • 賃貸物件から立ち退きするまでの流れ
  • スムーズに行うための注意点

賃貸物件では、貸主都合や建物の老朽化によって立ち退きを要求されることがあります。
立ち退きは借主の負担も大きくなるため、すぐに退去を受け入れられないこともあるでしょう。

ただし、貸主都合の退去の場合、立ち退き料を受け取れる可能性があります。

今回は、賃貸物件の入居中に立ち退き要求されたらどうすればよいのか、立ち退き料が支払われるケースと支払われないケース、立ち退き料の相場などについて詳しく解説します。

賃貸物件で立ち退きを要求されたらどうする?

立ち退きは、人生の中でなかなか経験することではありません。

多くても人生のうち1、2回程度であるため、突然の立ち退き要求に困惑してしまう方も多いものです。

では、賃貸物件で立ち退き要求をされたらどうすればよいのでしょうか。

立ち退き拒否されたら、まずは落ち着いて以下の2点を確認しましょう。

  • 正当事由を確認する
  • 立ち退き料や補償の有無

順番に解説します。

正当事由を確認する

貸主が立ち退きを要求する際には、正当事由が必要です。

正当事由とは、「立ち退きが正当な理由であると認めるために必要な理由」のことです。
たとえば、以下の点が考慮されます。

  • 建物を必要とする事情
  • 従前の経過
  • 建物利用状況
  • 建物の現況
  • 立ち退き料など

なお、正当事由は貸主だけでなく借主の事情も考慮されるため、貸主が賃貸借契約を一方的に解約することはできません

したがって、立ち退き要求をされたら、まずは貸主側の正当事由を確認しましょう。
正当事由の内容によっては、立ち退きを拒否することや、交渉次第で立ち退き料を要求することができます。

立ち退き料や補償の有無

借地借家法第28条では、正当事由と立ち退き料の関係性を以下のように定めています。

引用:
(建物賃貸借契約の更新拒絶等の要件)
第28条
1.建物賃貸人による第26条第1項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転貸人を含む。以下この条において同じ。)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換に建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。

引用:「借地借家法(平成三年法律第九十号)」(e-Gov法令検索)

条文を見ると、「建物の明渡しと引換に建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出」と記載があります。

つまり、貸主は借主に対して立ち退き料を支払うことで、正当事由を補完できるということを意味しています。
ただし、多くの貸主は、相場よりも低い立ち退き料を掲示してくる傾向にあります。

そのため、立ち退き料を掲示されたら金額の妥当性を慎重に見極めることが重要です。

賃貸物件の立ち退き料が支払われるケース・支払われないケース

貸主が立ち退きを求める際は、正当事由がなければ基本的に立ち退きは認められません。
しかし、借主に過失があった場合、立ち退き料が受け取れない可能性があるため注意が必要です。

ここでは、実例をもとに立ち退き料が支払われるケースと支払われないケースについて見ていきましょう。

立ち退き料が支払われるケース

以下のケースでは、立ち退き料を受け取ることができます。

  • 貸主が自宅を建て替える
  • 貸主の親の介護等の理由による立ち退き要求
  • 再開発や道路拡張工事など公共事業による立ち退き
  • 建物の老朽化による修繕工事

立ち退き料が支払われるのは、主に貸主都合の場合です。
正当事由が弱いと立ち退きは認められないため、正当事由を補完する目的で慰謝料・迷惑料として立ち退き料を支払います。

また、再開発や道路拡張工事など公共事業による立ち退きの場合でも、立ち退き料は受け取ることができます
この場合、立ち退き料を支払うのは再開発事業者です。

相手が企業の場合、交渉が複雑化することもあるため、早めに弁護士に相談することをおすすめします。

立ち退き料が支払われないケース

借主側が以下に該当する場合、立ち退き料は支払われません。

  • 家賃を3カ月以上滞納している
  • 賃貸借契約違反をしている
  • 近隣住民に迷惑をかけている
  • ほとんど住んでいない

借主側に故意過失がある場合は、立ち退き料が支払われない可能性があります。

ただし、1度や2度の注意で退去させられることありません

再三の注意や督促にも応じない場合は、「改善の余地なし」と判断され、賃貸借契約違反で退去させられたり、立ち退き料が受け取れなくなるでしょう。

したがって、思い当たる節がある方は早急に改善することをおすすめします。

賃貸物件の立ち退き料の相場

立ち退き料は、法令で明確に定められているものではありません。

ここでは、居住用の賃貸物件と事業の賃貸物件にわけて、それぞれの立ち退き料の相場について解説します。

居住用の賃貸物件の立ち退き相場

居住用賃貸物件の立ち退き料には、以下の項目が含まれます。

  • 引っ越し費用
  • 家賃の差額
  • 新居契約に関わる費用(仲介手数料、敷金、礼金など)
  • 慰謝料
  • 借家権相当額

立ち退き料の相場は家賃の6カ月分~1年分といわれています。
たとえば、家賃が12万円だった場合は72万円~144万円が一つの目安となるでしょう。

借家権は建物を借りる権利のことを指し、立ち退き料の一部として考慮されることがあります。
ただし、必ずしも立ち退き料に含まれるとは限りません。

事業用の賃貸物件の立ち退き相場

事業用の賃貸物件の立ち退きは、移転に伴う損失が大きいため、居住用に比べて立ち退き料の相場は高くなる傾向があります。

一般的に、事業用物件の立ち退き料には以下の項目が含まれます。

  • 引っ越し費用
  • 家賃の差額
  • 新居契約に関わる費用(仲介手数料、敷金、礼金など)
  • 休業補償
  • 改装工事費用
  • 慰謝料

これらを踏まえると、事業用物件の立ち退き料は家賃の2年分~3年分が相場となります。
事業用物件は、これまでの場所から移転して事業を行うため、以下の要素を補填する意味合いが強くなります。

  • 顧客の損失
  • 休業中に発生する固定費
  • 従業員への休業補償
  • 移転先で営業再開するまでの収入源など

例として、家賃20万円の店舗の場合では、240万円~720万円が立ち退き料の相場となります。
しかし、店舗の規模や立地などによっては、数千万円~数億円の立ち退き料が支払われることも珍しくありません。

賃貸物件の立ち退きまでの流れ

「立ち退きを要求されたけれど、今後どうなるのだろう」
「何から対応すればいいの?」
このように、急な立ち退き要求に困惑している方もいるでしょう。

ここでは、立ち退きの流れについて確認していきます。

立ち退きまでの主な流れは、以下の通りです。

  1. 立ち退き通知を受け取る
  2. 弁護士に相談する
  3. 立ち退き料の交渉を行う
  4. 調停・裁判

順番に見ていきましょう。

立ち退き通知を受け取る

まずは、貸主から立ち退き通知を受け取ります。

立ち退き要求をする場合、契約満了の1年前から6カ月前までに通知しなければならないと借地借家法で定められています。

立ち退き通知が届いたら、まずは告知期間を確認しましょう。
万が一、6カ月未満の通知であったときは、立ち退きを拒否することができます。

弁護士に相談する

アパートの立ち退きでは、借主に不利益な条件で退去を迫ってくる貸主もいます。
また、相場より明らかに安い立ち退き料を掲示してくる可能性があるため、早めに弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士に相談することで、貸主の要求は正当であるか、立ち退き料の金額は適正かなど、専門的な知識と経験から判断してくれるでしょう。

ただし、弁護士といっても得意な分野が異なるため、不動産トラブルや立ち退きに詳しい弁護士に相談することが重要です。

立ち退き料の交渉を行う

立ち退き料に納得できない場合は、立ち退き料の増額交渉を検討しましょう。

立ち退き料は法律で明確な金額が定められているわけではありません。
立ち退きを要求された状況や正当事由の強弱、家賃、建物の状況などを考慮し、当事者間の交渉によって金額を決定します。

なお、実際の交渉は自分でもできますが、弁護士が行う方が安心だと言えます。
事前に弁護士としっかり話し合っておきましょう。

調停・裁判

交渉が成立しなければ、調停や裁判になります。

借主から裁判を起こすことは難しいため、貸主が裁判を起こすのを待ちましょう。

賃貸物件の立ち退きに関する注意点


立ち退きする際は、いくつかの注意点があります。

あらかじめ注意点を理解しておくことで、様々なリスクを低減することができるでしょう。
ここでは、賃貸物件の立ち退きに関する注意点について解説します。

立ち退きに関する注意点は、以下の3つです。

  • 立ち退きは拒否することもできる
  • 築年数が経過した物件でも立ち退き料は発生する
  • 交渉がまとまらなければ裁判になる

項目ごとに解説します。

立ち退きは拒否をすることもできる

貸主側の正当事由が認められない場合は、原則立ち退きを拒否することができます

賃貸借契約期間中、貸主の一方的な都合で立ち退きさせることは借地借家法で禁止されています。
また、契約期間が満了するタイミングでも更新拒絶をするためには、正当事由が必要です。

したがって、貸主から立ち退き要求されても、すぐに承諾する必要はありません。

弁護士と相談しながら、新たな条件を掲示することや、立ち退き期間の延長を求めることも可能です。

築年数が経過した物件でも立ち退き料は発生する

建物の老朽化は正当事由の一つであり、契約更新できずに立ち退きを求められるケースはよくあります。
老朽化に関する立ち退きでは「建物が老朽化しているから仕方ない」と諦め、立ち退き料を請求せずに退去してしまう方も少なくありません。

しかし実際は、建物が老朽化したことによる建て替えだけでは正当事由として弱く、築年数が経過した物件でも立ち退き料を請求することは可能です。

退去費用が全額自費となれば大きな損失となるため、自己判断せず弁護士と相談しましょう。

交渉がまとまらなければ裁判になる

貸主と立ち退き交渉がまとまらなければ、調停や裁判になる可能性があります。

裁判になれば長期間争うことが予想されるため、精神的にも経済的にも借主の負担は大きくなるでしょう。

したがって、交渉時はできるだけ和解を目指し、お互いの妥協点や譲歩できるポイントを模索しながら話し合うことが大切です。

まとめ

立ち退きは、借主にとって大きな負担になります。

立ち退き料の交渉、新居探しや引越し業者選び、退去までのスケジュール管理、資金の準備など、立ち退きまでの期間に確認しなければならないことは非常に多いです。

これらをすべて自分で行うことは難しいため、早めに不動産会社へ相談し、弁護士や専門家を頼ったりするものも有効な手段です。

弁護士に依頼すれば万が一裁判となった場合でも、専門家の手厚いサポートを受けながらスムーズに進めていくことができるでしょう。

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