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賃料(家賃)の値上げは拒否・交渉できる!通告されたときの対処法

この記事でわかること

  • 賃料が値上げされる理由やタイミングがわかる
  • 大家さんから賃料の値上げを通告されたときの対処法がわかる
  • 大家さんとの賃料交渉が決裂したときの対処法がわかる

賃貸物件を借りているとき、大家さんから賃料の値上げ交渉を通告されるというのは意外と多くある出来事です。

実際に賃料値上げを通告されると、焦ってしまってすぐ承諾の返事をしてしまう、あるいは承諾したと言わないといけないと思い込んでいる人がいます。

しかし、賃料の値上げは拒否・交渉できるため、すぐに値上げを承諾してはいけません。

それでは大家さんから賃料値上げを通告されたときは、どのように対処すればよいのでしょうか。

本記事では、賃料値上げを通告されたときの対処法をはじめ、賃料が値上げされる理由やタイミング、賃料値上げ交渉が決裂したときの対処法についても解説します。

記事を最後まで読み進めていただければ、賃料値上げについての知識が得られ、大家さんから賃料値上げ通告されてもスムーズに対処できるようになります。

大家さんによる賃料値上げは拒否・交渉できる?

大家さんによる賃料値上げは「拒否」も「交渉」も可能です。

大原則として、賃料は大家さんと借りている人の合意がなければ、金額を上げることはできないからです

大家さんの提示してきた金額に納得できないときには、値上げ交渉は拒否して、賃料について交渉をしていきましょう。

ただし、後述する通り、大家さんには賃料増額請求といって一定の要件のもとで裁判や調停により賃料の値上げを請求する方法もあります。

賃料が値上げされるのはなぜ?タイミングは?

大家さんが賃料の値上げ通告をするのには、きちんとした理由があります。

また、値上げの通告をされやすいタイミングもあります。

本章では、賃料が値上げされる理由やタイミングについて解説します。

賃料が値上げされる理由

「借地借家法」には上記の賃料増額請求に関する定めがあります

ここでは、賃料の値上げをしてよい理由として以下の3つが例示されています。

① 土地、建物に対する租税その他の負担の増減

② 土地または建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動

③ 近傍類似の建物の借賃に比較して不相当になったとき

つまり、単に大家さんが収入を多くしたいといっただけでは、賃料を値上げできないと決められているわけです。大家さんは、最終的に賃料増額請求をすることも見越して、交渉の段階から上記の3つの事情を理由に賃料の増額を求めることが多いと考えられます。

ただし、上記の3つの事情は、あくまでも例示です。賃料の増額が認められるかについては、これらの3つの事情を主として、諸般の事情を総合的に考慮して判断されます。

賃料の値上げ通告がきやすいタイミング

賃料の値上げ通告がきやすいタイミングは、賃貸借契約の更新時期です。

賃貸借契約は基本的に2年ごとの更新となっており、2年の終わりが近づいてくると契約更新するかどうかの通知が、大家さんもしくは管理会社から郵送されてきます。

この更新時期は、契約を見直すのにちょうどよいタイミングのため、賃料の値上げ通告も賃貸借契約更新の時期にあわせてくるケースがあります。

ただし、賃料の値上げ通告はいつ行ってもよいため、必ずしも更新の時期だけにされるものというわけではありません。

大家さんから賃料の値上げを通告されたときの対処法

大家さんから賃料の値上げを通告されたときには、焦らずに対処しなければいけません。

本章では、大家さんから賃料の値上げを通告されたときの対処法について解説します。

大家さんの言い分を聞く

賃料の値上げ通告がきたときには、大家さんから値上げする理由をきちんと聞いて、必要な場合には根拠資料の提示も求めましょう。

賃料の値上げ理由が「近隣賃料相場より低いから」、「固定資産税が上がってしまったから」などであれば交渉に応じる必要もありますが、単に収入アップしたいだけの理由であれば、上記の賃料増額請求でも賃料の増額が認められないと考えられますので、通告を拒否することも一案でしょう。

次に、賃料の値上げ理由がきちんとした理由だったときには、賃料の値上げ金額が妥当なのか確認します。

大家さんが通告してきた金額について、どのような資料を使って、どのように計算したものなのかを確認することが必要です。

値上げ理由や計算根拠を聞いておけば、値上げも仕方ないと納得できるようになります。

居住している賃貸物件の賃料相場を調べる

値上げ理由が周辺賃料相場より貸している物件の賃料が低いといわれたときには、居住している賃貸物件の賃料相場を調査しましょう。

居住している賃貸物件の賃料相場を調査することにより、本当に周辺の賃貸物件と比べて賃料が安いのかどうかがわかります。

もし、周辺の賃料相場よりも高額な値上げを通告されたときに、値上げ交渉の交渉材料としても利用できます。

長く住み続けたいという意思を大家さんに伝える

賃料の値上げ通告をされたときに、大家さんに対して「今の賃料のままなら長期間住み続けたい」と伝えるのもよい対処法です。

大家さんとしては、賃料収入が一切なくなることの方が困るでしょう。

そのため、長期間住み続けるという意思を示すことで、住み続けてくれるなら値上げは見送ろうという考えに切り替わるときがあります。

そのため、今のままの賃料なら長く住みたいと伝えることは有効な方法といえます。

値上げ拒否・退去以外の選択肢も考慮する

賃料の値上げ交渉をするときには、値上げ拒否や退去のような極端な回答だけでなく、大家さんと借りている人、両者の妥協点となる選択肢を用意しておくのが良いでしょう。

選択肢として考えられる交渉案は、次のとおりです。

  • 更新料を値下げする
  • 賃料の値上げ時期を遅らせてもらう
  • 賃料の値上げを段階的にしてもらう
  • 退去費用を値下げしてもらう

賃料の値上げを認める代わりに、他の費用を下げる、または値上げを遅らせるなどの方法があります。

大家さんと借りている人との落としどころを探りつつ交渉を進めていくことで、ただ単に自分が損するだけという状態を避けられます。

大家さんとの賃料交渉が決裂したときの対処法

大家さんから賃料値上げを通告され、賃料交渉をした結果、話し合いがうまく進まないケースもあります。

話し合いがうまく進まなかったときには、大家さんから賃料増額請求をされる可能性があります。

本章では、大家さんとの賃料交渉が決裂したときの対処法について解説します。

値上げ前の賃料を払い続ける

賃料の値上げ交渉をされたときでも、値上げ前の賃料は必ず払い続けましょう。

賃料の値上げ交渉中だからといって、賃料支払いを止めてしまうと賃料の滞納になってしまいます。

賃料滞納をしてしまうと、大家さんに強制退去をさせる権利が発生してしまうので注意しましょう。

賃料交渉をしている最中でも、賃貸契約を締結していることは忘れてはいけません。

逆に言えば、値上げ前の賃料を払い続けている限りは、強制退去させられないということです。

供託所に賃料を納める

賃料の値上げがうまく進まないと、まれに大家さんが賃料の受け取りを拒否することがあります。

しかし、前述のとおり、賃料を払っていないと家賃滞納になってしまいます。

このような状況を避けるためには、増額前の賃料を供託所に納めるとよいでしょう。

供託所とは、供託金を預かってくれる国の機関です。

また、供託金とは、債務者が債権者にお金を支払いたいにも関わらずお金を受け取ってくれない場合、供託所にお金を預ければ債権者に払ったことにしてくれる金銭のことです。

つまり、大家さんが賃料を受け取ってくれなくても、代わりに供託所に賃料を預ければ大家さんに賃料を払ったことになります。

供託所に賃料を預ければ家賃滞納にはならないため、大家さんに強制退去の権利は生まれません。

弁護士に相談する

賃料の値上げ交渉がうまく進まないケースや、交渉すら受け付けてくれないケースの場合は、弁護士に相談するとよいでしょう。弁護士から大家さんに連絡してもらうことで、大家さんが交渉に応じるケースもあります。

また、賃料の値上げ交渉には、法律や不動産の知識が必要となりますが、こうした知識に不安がある場合には、法律のプロに交渉を任せて早期解決を図る方が良いでしょう。

大家さんから賃料増額請求の調停や裁判を起こされた場合も、対応を弁護士に任せた方が安心です。

なお、注意すべき点として、調停や裁判により賃料の増額が確定した場合には、最初に大家さんから賃料の増額の意思表示をされた時点から遡って賃料増額の効力が生じることとなっています。場合によっては、既に発生した増額分を遡って支払う必要も出てくるでしょう。

そのため賃料の増額について弁護士に交渉代行を依頼するときには、できる限り早く依頼することをおすすめします。

まとめ

賃料の値上げ通告はあくまで一方的な通知のため、拒否や交渉ができます。

また、大家さんが賃料増額請求により強制的に賃料を値上げするには、借地借家法に定められた理由を満たさなければいけません。

そのため、大家さんから賃料値上げ通告が来たとしても、必ず値上げに応じる必要はなく、拒否や交渉ができるわけです。

ただし、拒否や交渉ができるといっても、大家さんの気分を害するような行動は取ってはいけません。

拒否や交渉を自分で行うのは難しいと思うのであれば、弁護士に早めに相談しましょう。

弁護士から大家さんに連絡してもらえれば、大家さんも無理な交渉は通じないと判断し、交渉が早期に終わる可能性もあります。

賃料の値上げ通告は、賃貸物件に住んでいる誰にでも起きる可能性があるため、対処法をきちんと理解しておくことが重要です。

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