居住中の賃貸アパートにおいて雨漏りが発生してしまった場合、退去を検討する人は多いかもしれません。
しかし、雨漏りの発生は入居者である自分の責任ではないのに、自ら引っ越し費用を負担して退去するのは納得がいかないというケースも少なくないでしょう。
そこで多くの人が気になるのが、雨漏りが原因で退去することになったのであれば、大家から立ち退き料を受け取れるのではないかということです。
本記事では、雨漏りが原因で賃貸アパートを退去することになった場合、大家に対して立ち退き料を請求することはできるのかという疑問について、解説していきます。
目次
雨漏りの発生を原因として賃貸アパートを退去する場合、立ち退き料を大家に請求することはできるのでしょうか。
実際のところ、賃貸アパートを退去する原因が雨漏りである場合、必ずしも大家に対して立ち退き料を請求することはできません。
しかし、中には立ち退き料を請求できるケースもあります。
たとえば、賃貸アパートで雨漏りが発生した際、毎回大家が修繕の対応をしてくれている場合であれば、退去する際に立ち退き料を請求するのは難しいでしょう。
これに対し、雨漏りの発生を大家に伝えているにもかかわらず、修繕などの対応をしてくれない場合であれば、立ち退き料を請求できる可能性が高くなります。
つまり、雨漏りによる立ち退き料の請求ができるかどうかは、雨漏りの発生を伝えた際の大家の対応次第で決まるということです。
賃貸アパートにおいて雨漏りが原因で退去する場合、大家に対して立ち退き料を請求できないケースは、主に2つあります。
ここでは、雨漏りによる退去で立ち退き料を請求できない2つのケースについて、それぞれ詳しく解説していきます。
立ち退き料を請求できないケースを把握しておくことで、無駄な交渉を避けることにも繋がるでしょう。
雨漏りが発生した際、賃貸アパートの大家が適切な修繕対応をしてくれていた場合は、雨漏りを原因とした立ち退き料の請求はできない可能性が高いでしょう。
なぜなら、大家は入居者が住み続けられるための必要な対応を行っているため、大家の責任により退去することになってしまったとはいえないからです。
仮に、雨漏りが発生して大家が修繕の対応をした後、しばらく経ってから再度雨漏りが発生してしまい、また大家が修繕対応するといったことを複数回繰り返していたとしても、毎回きちんと修繕対応していたのであれば、立ち退き料の請求は難しいと考えられます。
賃貸アパートの雨漏りが大家の責任ではないといえる場合も、立ち退き料の請求はできないと考えるのが一般的です。
たとえば、入居者の不注意もしくは故意により雨漏りを発生させてしまった場合は、大家の責任とはいえないため、立ち退き料は請求できません。
また、雨漏りが発生していることに入居者が気づいていたにもかかわらず大家に報告せずそのままにしておいた場合や、それによって雨漏りの状況を悪化させてしまった場合なども、立ち退き料を請求することは難しくなるので、注意が必要です。
特に、入居者が雨漏りを放置したことで状況を悪化させてしまった場合は、立ち退き料の請求ができないどころか、むしろ損害賠償請求されてしまう可能性さえ出てきてしまうため、雨漏りの発生に気づいたら必ず大家へ報告するようにしましょう。
賃貸アパートの雨漏りによる立ち退き料を大家に対して請求する場合、金額の相場はどのくらいになるのか気になるという人も多いでしょう。
前述した通り、大家が雨漏りの修繕対応を毎回行ってくれていれば立ち退き料を請求することは難しいのが現状ですが、適切な修繕対応をしてもらっていない場合であれば、立ち退き料を請求できる可能性が高くなります。
この場合、請求できる立ち退き料の相場は、退去に伴う引っ越しにかかる費用を基準とされるケースが一般的です。
たとえば、引っ越し先となる賃貸物件の契約金や、引っ越し業者の利用代金などを合計した金額が、立ち退き料として支払われることになるでしょう。
実際に住んでいる賃貸アパートで雨漏りが発生した場合、どのように対処するのが正しいのでしょうか。
初めての経験だと、正しい対処法が分からずに戸惑ってしまう人も少なくないかもしれません。
しかし、正しい対処法を知らずに雨漏りを放置してしまう、あるいは大家に報告することなく自己判断で対処してしまうと、後々トラブルとなってしまう可能性もあるので、注意が必要です。
ここでは、実際に住んでいる賃貸アパートで雨漏りが発生したときの正しい対処法について、詳しく解説していきます。
住んでいる賃貸アパートで雨漏りが起きた際は、まず実際の状況を記録することが非常に重要です。
たとえば、雨漏りしている部分を写真や動画で撮っておく、いつからどの程度の雨漏りが発生し始めたのか日付を記録しておくとよいでしょう。
なお、写真や動画を撮るときは、雨漏りしている部分のみを拡大して撮るだけでなく、遠くから部屋全体を撮っておくことも大切です。
なぜなら、近づいて取った写真や動画だけでは、部屋のどこの箇所において雨漏りが発生しているかが分かりにくくなってしまうからです。
このような注意点を踏まえながら、まずは雨漏りの状況を丁寧に記録しておくことで、大家に対して雨漏りの深刻さをより伝えやすくなるでしょう。
住んでいる賃貸アパートにおいて雨漏りが発生したら、できるだけ時間をあけずに大家へ報告するようにしましょう。
報告を怠ってしまうと、その後雨漏りを原因として賃貸アパートを退去することになったとしても、大家の責任ではないと判断されてしまい、立ち退き料を受け取れなくなってしまうからです。
そのため、雨漏りの発生に気づいたら、その状況を記録したものを添えてできるだけ早めに大家へ報告し、修繕を求めましょう。
大家に対して修繕を求めた上で、適切な対応をしてもらえなかった場合は、退去する際に立ち退き料を請求できる可能性が高まります。
立ち退き料を請求するためには、きちんと報告して修繕を求めたという事実が必要であるということを理解しておきましょう。
大家へ報告し修繕を求めたら、まずは大家の対応を待ちましょう。
すぐに大家が適切な修繕対応をしてくれた場合、立ち退き料の請求は難しくなりますが、そのまま住み続けることが可能になります。
しかし、雨漏りの発生について報告したにもかかわらず、大家が修繕の対応をしてくれなかった場合は、立ち退き料として退去費用を請求することができるかもしれません。
そのため、報告後の大家の対応次第で、立ち退き料を請求して退去する計画を立ててみてもよいでしょう。
退去費用を請求する際は、いつ雨漏りが発生し、いつ大家へ報告したのかという経緯をもとに交渉していくのがポイントです。
賃貸アパートに入居中の人にとって、雨漏りの発生は非常に重大なことであり、退去を考える原因となるケースも珍しくありません。
また、賃貸アパートに住んでいる限り、突然雨漏りが発生する可能性は誰にでもあります。
そのときの正しい対応方法を、きちんと理解しておくことは大切なことです。
本記事では、雨漏りが原因で賃貸アパートを退去する場合の立ち退き料請求について、請求可能なケースとそうでないケースを明らかにしてきました。
特に押さえておくべきポイントは、大家が雨漏りの修繕対応をしてくれている場合は立ち退き料請求が難しく、修繕対応をしてくれない場合は請求できる可能性が高くなるということです。