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家賃滞納は逃げ切りできない?難しい理由や時効、支払いの相談窓口まで

この記事でわかること

  • 家賃滞納が許容される期間
  • 家賃を滞納したまま逃げるとどうなるか
  • 家賃滞納で逃げ切れない理由
  • 家賃滞納したときの相談窓口

賃貸物件に入居するときは賃貸借契約を結ぶため、家賃滞納は契約違反です。
家賃滞納には「うっかり忘れていた」という場合や、何らかの事情で収入が減ってしまい、滞納期間が長くなるケースもあります。

借主(入居者)によっては、家賃を滞納したまま引っ越しを考えるケースもありますが、逃げ切りは可能でしょうか?
家賃滞納は法的措置を取られる場合もあるため、滞納期間が長くなったときの扱いも理解しておかなければなりません。

今回は、家賃滞納が許される期間や、滞納したまま逃げきれない理由、家賃を払えないときの相談窓口などをわかりやすく解説します。

家賃滞納はどのくらいまで許される?

家賃滞納は1カ月分だけでも契約違反ですが、3カ月分までの滞納は許されるケースが一般的です。
賃貸物件の契約では借主の事情も考慮されるため、病気やけがで働けなくなった期間や、解雇などを想定し、3カ月程度の家賃滞納を許容している場合があります。

借主の失念で家賃の振込みを忘れてしまう場合もあるため、1~3カ月分の滞納期間であれば、貸主も強制退去は求めないでしょう。
民法でも、家賃滞納が3カ月以上続くと、賃貸借契約を解除できるものと定めています

なお、信販系などの家賃保証会社に家賃を支払っている場合は、家賃滞納が信用情報に登録されます。
信用情報に登録されると、5年間は家賃滞納歴が消えません

家賃滞納は5年で消滅時効となる

賃貸物件の貸主は家賃の支払いを請求できますが、以下の要件に該当すると消滅時効になるため、請求権が消滅します。

  • 家賃滞納から5年以上経過している
  • 家賃を5年以上支払っていない

家賃は民法上の定期給付債権になっており、年金や養育費と同じく、1年以内に一定額を請求できる権利です。
貸主が権利行使しないまま5年経過すると消滅時効が完成するため、家賃滞納があっても借主には請求できません。

また、家賃を5年以上支払っておらず、滞納期間中に督促がなかったときも消滅時効が完成します。

家賃滞納は時効援用の通知で免除される

家賃滞納の消滅時効が到来しても、「時効の援用」をしない限り、貸主側の権利は消滅しません
時効の援用とは、借主が貸主に対し、消滅時効の完成を主張する行為です。

口頭による主張は「聞いていない」などと言われる可能性があるため、実務的には借主が内容証明郵便を利用し、時効援用通知書を送付するケースが多いでしょう。
内容証明郵便を利用すると、誰が誰に対してどのような文面を送付したかを郵便局が証明してくれるため、時効援用を主張した証拠が残ります

家賃滞納の消滅時効は起算点に注意する

家賃滞納の消滅時効を主張するときは、起算点に注意なくてはなりません。
消滅時効の起算点は以下のいずれかになっており、完成までのカウントが中断されるケースもあります。

  • 最後に家賃を支払った日
  • 貸主が家賃を請求した日

たとえば、消滅時効が間近であっても、貸主から家賃請求の書面などを受け取ったときは、受取日を起算点として新たに消滅時効のカウントがスタートします。
家賃滞納の消滅時効を主張する場合、いつが起算点なのか、正確に把握しなければなりません。

家賃を滞納して逃げたらどうなる?

家賃滞納は民事上の問題になるため、警察には捕まりませんが、詐欺罪が成立すると10年以下の懲役刑を受ける場合があります。
家賃を支払う意思がないのに賃貸借契約を結ぶと、詐欺罪に問われる可能性があるでしょう。

借主によっては夜逃げを考えるケースもありますが、以下の理由から、逃げ切りはほぼ不可能となっています
場合によっては一部の財産を失うため、家賃を滞納して逃げたらどうなるか、十分な理解が必要です。

新たな賃貸借契約を結べない

家賃滞納が信用情報に登録された場合、新たな賃貸借契約を結べない可能性があります。
引っ越し先が家賃保証会社を設定していると、過去5年間の滞納歴が判明するため、賃貸借契約を断られてしまうでしょう。

家賃を滞納したまま逃げたとしても、貸主が自分で管理している賃貸物件を探さない限り、新たな住居が決まらない可能性が高いでしょう。

連帯保証人に迷惑がかかる

家賃を滞納して逃げた場合、連帯保証人に迷惑がかかる恐れもあります。
連帯保証人を設定する賃貸借契約だった場合、借主が家賃滞納のまま逃げてしまうと、貸主は連帯保証人に家賃の支払いを請求します

単なる保証人には抗弁権があるため、「借主に請求してほしい」などの主張もできますが、連帯保証人は貸主の請求を拒否できません
家族や親戚を連帯保証人にしていると、親族同士の信頼関係も破たんする可能性があるでしょう。

貸主が法的措置を取る

借主が家賃を滞納して逃げてしまうと、貸主が裁判所に支払督促を申し立てる場合もあります。
裁判所が貸主の申立てを受理した場合、裁判所が滞納者へ督促状を送達するため、借主にとっては大きなプレッシャーになるでしょう。

支払督促から2週間以内は異議申立てもできますが、訴訟へ移行するため、裁判への出席や反論がなければ、貸主の主張を認めたものとみなされます
借主から異議申立てがなかったときは、貸主が強制執行を申し立てる可能性もあります。

強制執行は財産を差し押さえる措置になるため、借主が逃げる際に家財を残していると、そのまま没収されるでしょう

家賃滞納で逃げ切れない理由

家賃滞納の消滅時効が完成すると、貸主の請求から逃げられます。
しかし、時効のカウントは中断するケースもあるため、以下の状況になると逃げ切りはほぼ不可能です

家賃滞納の逃げ切りを考えている方は、消滅時効が中断する条件も理解しておきましょう。

家賃滞納の消滅時効が中断されるケース

家賃滞納は5年で消滅時効の完成となりますが、以下に該当するとカウントが中断します

  • 家賃を支払う旨の意思表示をした場合
  • 滞納している家賃の一部を支払った場合
  • 内容証明郵便などにより家賃請求の書面を受け取った場合

家賃を支払う意思があると貸主に伝えた場合や、一部の家賃を支払うと、債権(家賃滞納)の存在を認める結果となるため、消滅時効のカウントは中断されます。
消滅時効の中断と同時に新たな起算点が設定され、さらに5年経たなければ家賃滞納の逃げ切りはできません

訴訟の提起も消滅時効の中断となる

貸主が家賃請求の訴訟を起こした場合も、消滅時効のカウントは中断します。
訴訟の提起は貸主の権利行使となり、勝訴・敗訴に関係なく消滅時効が中断するため、確定判決の日から新たにカウントをスタートしなければなりません。

裁判官が家賃の支払いを求める判決を下したときは、消滅時効完成までの期間が10年に延長されます
裁判では借主(被告)が出廷しなくても判決を下せるため、家賃滞納からの逃げ切りはほぼ不可能でしょう。

住民票を移すと引っ越し先を特定される

引っ越しで家賃滞納から逃げたとしても、貸主や不動産会社などに正当事由があれば、住民票の除票を取得できます
住民票の除票には転出先が記載されているため、新たな住所の特定も可能です。

住民票は基本的に本人のみ取得可能ですが、正当事由がある貸主や、借主の家族から委任された人であれば、役場も請求を拒否できません。
仮に引っ越し先が特定できなくても、貸主が公示送達の制度を利用すると、裁判の手続きを進められます

家賃滞納したらどこに相談できる?


期日どおりに家賃を支払いたくても、何らかの事情で収入が減少すると、滞納を避けられないケースがあります。
経済的な理由で家賃滞納となってしまう場合や、家賃の回収方法に違法性があるときは、以下の相談窓口を利用してみましょう

民亊の問題に警察は介入しませんが、状況次第では相談窓口になってくれる場合があります。

警察:貸主が違法な手段で家賃回収する場合

家賃の回収方法には一定のルールがあり、違法な手段は認められません。
貸主もルールに従わなくてはならないため、以下のように違法な手段で家賃を回収するときは、警察に相談してください。

  • 玄関やポストに「家賃を支払え」などの張り紙をする
  • 早朝や深夜に訪問または電話で家賃を請求する(21時以降から午前8時頃まで)
  • 借主の勤務先への訪問や電話で家賃を請求する
  • 借主に無断で玄関の鍵を変える
  • 数分置きの電話で何度も家賃を請求する
  • 合鍵で貸主の部屋に無断で入る

強引な家賃回収には違法性があるため、警察も相談に乗ってくれます

市町村役場:生活に困窮している場合

各市町村役場には生活困窮者自立支援窓口が設置されており、家賃を支払えない人の相談にも対応しています。
解雇や勤め先の倒産で働けなくなったときや、多額の借金を抱えて家賃を支払えないときは、状況に合わせた支援ブランを作成してもらえます

相談窓口は役場の庁舎内に設置されていますが、社会福祉協議会が窓口となるケースもあるため、連絡先などを厚生労働省のホームページで確認してください。
生活困窮者自立支援窓口に相談する際、料金はかかりません

生活困窮者自立支援制度の紹介(厚生労働省)

弁護士や司法書士:債務整理したい場合

家賃滞納の理由が借金問題だった場合、弁護士や司法書士に債務整理をサポートしてもらう方法もあります。
債務整理には以下の種類があり、弁護士などに相談すると、最適な方法を提案してもらえます。

  • 任意整理:債権者と交渉して利息カットなどを認めてもらう方法
  • 個人再生:裁判所を介して借金を原則1/5に減額する方法
  • 自己破産:裁判所を介して借金を全額免除する方法

借金問題を解消できれば、家賃滞納の支払いも可能になるでしょう
債務整理の方法は慎重に判断しなければならないため、弁護士や司法書士に相談するときは、収入や資産、借金の額などを正確に伝えましょう

まとめ

家賃滞納は消滅時効によって逃げ切り可能ですが、貸主も何らかの手段で回収を試みます。
訴訟などの法的措置を取られた場合、新たな住所がわからなくても裁判が進むため、逃げ切りは困難です。

賃貸借契約に違反して逃げ切るより、滞納分を支払った方が合理的でしょう。
金銭的な余裕がなく、多額の借金も抱えているときは、債務整理が家賃滞納の解決手段になります。

多重債務などの借金問題や、家賃滞納に困ったときは、弁護士法人ベンチャーサポート法律事務所の無料相談も活用してください。

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