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最終更新日:2024/12/10

特別養子縁組と普通養子縁組の違いとは?相続対策も解説

弁護士 中野和馬

この記事の執筆者 弁護士 中野和馬

東京弁護士会所属。
弁護士は敷居が高く感じられるかもしれませんが、話しやすい弁護士でありたいです。
お客様とのコミュニケーションを大切にし、難しい法律用語も分かりやすくご説明したいと思います。
お客様と弁護士とが密にコミュニケーションをとり協働することにより、より良い解決策を見出すことができると考えております。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/nakano/

この記事でわかること

  • 特別養子縁組と普通養子縁組の違い
  • 相続における特別養子縁組と普通養子縁組の違い
  • 相続対策になるのは特別養子縁組と普通養子縁組のどちらか

養子縁組は、血縁関係にない人同士が法的に親子になる制度で、特別養子縁組と普通養子縁組の二種類があります。
特別養子縁組と普通養子縁組はどのように異なり、なぜその違いが重要なのでしょうか?

養子縁組は、家族関係や子どもの将来に関わる大きな決断になるため、正しい知識を持っておくことは非常に重要です。
この記事では、特別養子縁組と普通養子縁組の違いから始め、相続対策ではどちらを選択すべきかを解説します。
相続における養子縁組の基本を理解し、ご自身とご家族の将来に役立ててください。

特別養子縁組と普通養子縁組の違い

特別養子縁組と普通養子縁組は、目的や条件、成立のプロセスが大きく異なります。
具体的にどのような違いがあるか見ていきましょう。

特別養子縁組と普通養子縁組の根本的な違い

特別養子縁組と普通養子縁組の根本的な違いは「特別な事情」の有無にあります。
「特別な事情」とは、実親の死亡、病気による養育困難、虐待や育児放棄など、子どもの健やかな成長を著しく阻害する状況を指します。
特別養子縁組は「子どもの利益と福祉」が最優先され、養親のもとで安定した生活を送るために選択されます。

一方で、普通養子縁組は家族の利益のために行われ、相続対策や家の跡継ぎ、再婚による連れ子との法的親子関係の確立などが主な動機となります。

特別養子縁組と普通養子縁組の条件

養子縁組にはいくつかの条件があり、詳細なルールが決められています。
以下に特別養子縁組と普通養子縁組の違いをまとめました。

表:特別養子縁組と普通養子縁組の違い

特別養子縁組 普通養子縁組
目的 子の利益と福祉 家族全体の利益
事例 ・実親の死亡、病気による養育困難
・虐待、育児放棄
・その他特別の事情
・再婚した連れ子との親子関係
・婚姻していない男女間に生まれた子との親子関係
・跡継ぎ
相続対策や税金対策
共通条件 ・養親は20歳以上
・養子が養親よりも年齢が下
・養子が養親の尊属でない
・養親または養子に配偶者がいる場合、配偶者の同意
・養子が未成年の場合、夫婦共同で養親になる必要がある
条件 特別の事情
・養親は夫婦
・夫婦の一方が25歳以上で他方が20歳以上
・養子は15歳未満
特になし(共通条件参照)
成立 6カ月以上の養親の監護後、
家庭裁判所の審判による
養親と養子の合意
実親子関係 消滅 継続
相続権 ・養子は養親の法定相続人になれる
・実親の法定相続人にはなれない
・養子は養親の法定相続人になれる
・実親の法定相続人にもなれる
戸籍記載 ・実親は記載されない
・養子縁組の記載なし
・民法817条の2と記載
・続柄は養親の長男、長女
・実親も記載される
・養子縁組の記載あり
・続柄は養親の養子、養女
離縁 原則不可 原則当事者の協議で可

相続における特別養子縁組と普通養子縁組による違い


相続税対策としては、特別養子縁組と普通養子縁組のどちらを選択すればよいでしょう?
ここでは、その違いを詳しく見ていきます。

特別養子縁組は相続対策として活用できるか?

特別養子縁組は「子の利益」と「子の福祉」を目的としており、実親が子を育てられない「特別な事情」がある場合に限定されます。

そのため、特別養子縁組が結果として相続対策に役立つことはありますが、相続対策を主目的として行うものではありません

相続対策で使われる普通養子縁組のメリット

相続対策として普通養子縁組を行い、孫や実子の配偶者を養子にすることで、相続税の節税できる可能性があります。
養子は実子と同じく法定相続人として認められ、基礎控除額と非課税枠が拡大するためです。
基礎控除額と非課税枠は、それぞれ以下のように求めることができます。

  • 相続税基礎控除額:3,000万円+600万円×法定相続人の数
  • 生命保険金等の非課税枠:500万円×法定相続人の数
  • 死亡退職金等の非課税枠:500万円×法定相続人の数

ただし、他の非課税制度との兼ね合いにより、相続税が必ずしも減少するわけではありません。
実際には、家族構成や財産を考慮した詳細な計算が必要です。
また、実子がいる場合は養子1人まで、実子がいない場合は養子2人までという制限がありますので注意してください。

まとめ

相続は、予期せぬタイミングで訪れる避けられない現実です。
相続や家族関係について見直し、早期に対策を講じることが将来の安定と安心につながるでしょう。

養子縁組や相続は、個別の詳細規定が多々あります。
事前に専門家にアドバイスを求めることが、最も安心で確実です。
専門家のアドバイスを受け、目的に合った方法で養子縁組を行いましょう。

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