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最終更新日:2024/4/25

相続放棄した借金は誰が払う?放棄できないケースと手続きの流れとは

弁護士 石木貴治

この記事の執筆者 弁護士 石木貴治

東京弁護士会所属。
メーカー2社で法務部員を務めた後、ロースクールに通って弁護士資格を取得しました。
前前職の経験を生かし、実情にあった対応を心がけてまいります。 お気軽に相談いただければ幸いです。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/ishiki/

相続放棄したら借金は誰が払う?全員が相続放棄したときの借金の行方

この記事でわかること

  • 相続放棄とは何か
  • 相続放棄をしたら借金は誰が払うのか
  • 相続放棄の手続きの流れ

突然あなたに身に覚えのない借金についての通知がきたら、びっくりしてしまいますよね。

相続人が相続放棄をすると、本来相続人ではない人に相続権が移動します。

自分自身の借金ではなく、疎遠になった親戚のものだったら、さらに驚くのではないでしょうか。

今回は、相続放棄をしたら借金はどうなるのか・誰が払うのかについて解説します。

目次

相続放棄とは?

相続放棄とは?

相続放棄は、民法で以下のように定められています。

第九百十五条 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。

ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。

2 相続人は、相続の承認又は放棄をする前に、相続財産の調査をすることができる。

引用:電子政府の総合窓口e-Gov 民法

相続人としての立場を失う

相続放棄をすると、法的には初めから相続人ではなかったという扱いになります。

つまり、相続においてその人はいなかったものとして扱われ、プラス・マイナス全ての財産を相続する権利を失います

被相続人の負債の返済から逃れられる

通常の相続では、次のようなマイナスの財産も引き継ぎます。

  • 未払いの借金(金融機関や個人など)
  • 未払いの賃借料
  • 賃貸借契約や金融機関の借入れの連帯保証
  • 取引先への買掛金や未払金
  • 交通事故などの損害賠償債務
  • 未払いの各種税金や公共料金
  • その他未払いのサービス料など

特に被相続人が事業を営んでいた場合、取引先など債権者の数も多くなるでしょう。

通常、負の財産は法定相続分に基づいて相続人に相続されます。

相続人に支払うお金がない場合、自己破産などの債務整理も検討しなければなりません。

相続放棄した場合、相続人としての立場を失うと同時に、これらのマイナスの財産も承継せずに済みます

なお、養育費や婚姻費用など一身上の権利義務とされているものは、そもそも相続でも承継されないため相続放棄は不要です。

相続に伴うトラブルから逃れられる

相続で心配になることとして、相続財産や手続き以外に、トラブルに巻き込まれるリスクもあるでしょう。

たとえば、次のようなケースです。

  • 相続財産の分配を巡り相続人間で争っている
  • 被相続人が生前多数の人から多額の借金トラブルを抱えていた
  • 被相続人に隠し子がいた

相続トラブルを抱えている場合、訴訟に発展して解決までに時間や労力がかかったり、精神的な負担まで負ったりするケースも少なくありません。

相続放棄をした場合、「初めから相続人ではなかった」という扱いになるためトラブルを避けられます

相続放棄すると借金は誰が払う?

相続放棄した人には請求が来なくなる

特定の相続人が相続放棄をしても、被相続人の借金は清算されません。

他の相続人や連帯保証人に借金の返済義務が生じ、対応を迫られる流れになります。

放棄した場合は次の相続人に返済義務が生じる

相続放棄された借金は、次の相続人がいた場合その人に請求されます。

通常、相続人が複数の場合は法定相続分に応じて借金も分割されます。

一人が相続放棄をした場合、次の相続順位の人が相続人となり、返済義務を負います。

新たに相続人となる人がいない場合、残りの相続人で借金を分割しますが、借金の総額は減っていません。

結果として相続人一人あたりに分配される借金が増えるため、負担が大きくなるのです。

法定相続人全員が放棄した場合は連帯保証人に支払い義務が生じる

法定相続人全員が相続放棄した場合は、借金の連帯保証人に支払い義務が生じます。

たとえば被相続人の子供が借金の連帯保証人だった場合、子供が相続放棄をしても連帯保証人としての義務は残るため、借金の返済を免れることはできません。

もし相続人が誰もいない場合や全員から相続放棄をされた場合は、直接被相続人の財産の一部から取り立てるか、連帯保証人がいる場合はその人へ請求がいくでしょう。

財産が残ったら国庫へ帰属される

全員が相続放棄した後、借金を返すなどしても相続財産が残ってしまった場合は、国庫に帰属します。

「国庫に帰属」というのは、簡単に言えば国のものになるということです。

なお、財産が国のものになるまでには様々な手続きがあります。

個人の財産を移行する手続きを考えれば、慎重にならざるを得ないかもしれません。

全員が相続放棄したからといって、その瞬間からいきなり国のものになってしまうわけではありません。

相続放棄の手続きの流れ

相続放棄の手続きの流れ

相続放棄には期限があり、被相続人が亡くなったことを知った日から3ヶ月以内に、手続きを行う必要があります

相続放棄手続きの詳細な流れについて見ていきましょう。

被相続人の財産を調査する

被相続人の財産を調査する場合、主に次の資料を確認します。

  • 預金通帳やキャッシュカード
  • クレジットカードの使用履歴
  • 信託銀行や証券会社の取引履歴
  • 保険証書
  • 不動産に関する書類(権利証や登記簿謄本など)
  • 固定資産税通知書
  • 生前に作成していた遺言書やエンディングノート
  • その他、各種契約書や請求書など

不動産は金額が大きく、相続財産の中でも特に重要ですが、固定資産税の通知書があると被相続人の所有していた不動産を把握できます。

ほかにも、相続開始後に督促状が届いてからはじめて借金の存在に気付くケースもあります。

これらの資料から被相続人のおおよその財産を把握し、次にあてはまる場合は相続放棄を検討するとよいでしょう。

相続放棄を検討するとよいケース

  • 借金などあきらかにマイナスの財産の方が大きいとき
  • 相続財産で手元に残したいものがないとき
  • 相続財産が不明瞭で、争いが起きそうなとき

プラスとマイナスのどちらが大きいか不明瞭な場合は、限定承認も検討しましょう。

相続放棄申述書などの必要書類を準備する

財産を調査した結果、相続放棄をすると決めたら、家庭裁判所に相続放棄を申し立てるための書類などを準備します。

準備するものは次の通りです。

必要書類

  • 相続放棄申述書
  • 被相続人の死亡時の戸籍謄本
  • 被相続人の住民票除票または戸籍附票
  • 相続放棄をする人の戸籍謄本
  • 収入印紙と郵便切手

収入印紙は裁判所によって運用が異なりますが、申し立ての収入印紙が800円、裁判所から郵送をするための郵便切手が84円×5枚、10円×5枚ほど必要です。

家庭裁判所に必要書類を提出する

必要書類が準備できたら、家庭裁判所に提出します。

家庭裁判所であればどこでも良いのではなく、提出先は被相続人が最後に住所として登録していた場所を管轄する家庭裁判所です。

提出方法は持ち込みのほか、郵送も選択できます。

家庭裁判所への提出期限は「相続開始を知ったときから3カ月以内」となっているため、提出期限に注意しましょう。

照会書に回答し返送する

相続放棄申述書を家庭裁判所へ提出すると、約7日~10日ほどで照会書と回答書が届きます。

相続放棄は重大な効力を発生させるため、相続人の真意に基づくものか確認するための書類です。

相続放棄の意思に変わりないか、相続を知った経緯、遺産分割協議の有無などの質問に回答し、必ず3カ月以内に回答書を返送しましょう。

「放棄の理由」として次の理由から一つを選ぶ質問があります。

  • 被相続人から生前に贈与を受けている
  • 生活が安定している
  • 遺産が少ない
  • 遺産を分散させたくない
  • 債務超過のため
  • その他

理由はどれを選んでも相続放棄に影響はありません。

注意点として「相続人の財産を処分した」という回答や「相続を知った日の記入が申述の3カ月以上前」だと相続放棄が認められない可能性があります。

相続放棄申述受理通知書を受け取る

相続放棄申述受理通知書とは、相続放棄が認められた後に裁判所から発行される通知書です。

前述の回答書を返送した後、1~2週間ほどで届くことが一般的です。

もし紛失してしまった場合、再交付はされないため注意しましょう。

相続放棄の旨を他の相続人に通知する

相続放棄をすると、相続権が次順位の人へ移ります。

もし被相続人に借金がある場合、相続放棄する旨を通知しないと、相続権が移った人は知らないうちに借金を負ってしまいます。

後々トラブルになってしまいかねません。

あらかじめ相続放棄する旨を伝えておくと、もし次順位の人も相続を望まない場合、相続放棄などの対応ができます。

親族間のトラブルを避けるためにも、相続放棄する場合は次順位の人にあらかじめ伝えておくとよいでしょう。

借金の相続権の対象範囲はどこまで?

相続が開始すると、一定範囲の親族が相続人となりますが、被相続人との続柄によって優先順位や相続される持ち分の割合が変わります。

相続権を持つ人を法定相続人といい、民法に範囲が定められています。

法定相続人が相続放棄をすると、相続権が移るのは次順位の人です。

この場合、借金など負の財産も移り、場合によっては一人あたりの相続割合も増えてしまう可能性があることに注意しなければなりません。

ここからは、相続権の優先順位や対象範囲について見ていきましょう。

相続放棄には順番がある

相続放棄をする順番

被相続人が多額の借金を抱えていた場合など、全ての相続人が相続放棄をしたいと考える場合があります。

ただし、親族が誰でも相続放棄できるわけではないため、相続放棄の順番について知る必要があります。

配偶者は必ず法定相続人になる

配偶者は常に法定相続人となり、相続権が他の人に移ることはありません。

そのため、配偶者が相続放棄をした場合は次に相続権がある人へ移ります。

たとえば、配偶者と子がいる場合、配偶者が相続放棄すると、財産はすべて子が相続します。

第1順位は子ども・孫

配偶者と共に相続人となる人について、第1順位は子と定められています。

配偶者がいる場合、法定相続分は配偶者が2分の1、子が2分の1です。

子に孫がおり、子が既に亡くなっている場合、孫が子の立場を承継して相続人となります。

これを代襲相続といい、法律上は孫、ひ孫、玄孫と何代でも続けられます。

代襲相続は、子の死亡のほか、子が相続欠格や相続廃除に該当した場合も代襲できます。

なお、嫡出子と非嫡出子(婚姻関係のない相手との子)で相続分に違いはありません。

子が複数人いる場合、生まれた順に関係なく均等に分けられます。

養子の場合も同様で、同じ相続分で承継できます。

ただし、養子縁組前に生まれた孫は代襲相続の対象となりませんので、注意しましょう。

第2順位は両親・祖父母

相続権の第2順位は、親です。

子がいない、もしくは、子が全員相続放棄した場合に親へ相続権が移ります。

配偶者がいる場合、法定相続分は配偶者が3分の2、親が3分の1です。

両親が2人とも存命の場合、父親と母親の相続分は6分の1ずつになります。

なお、祖父母が存命で両親が先に亡くなっていた場合、祖父母が両親の立場を承継して代襲相続できます。

子と同じく、祖父母の代襲相続の場合も、祖父母、曾祖父母と何代でも続けられます。

第3順位兄弟姉妹・甥または姪

第3順位の相続人は、兄弟姉妹です。

子、親が全員いない、もしくは全員相続放棄した場合に相続人となります。

配偶者がいる場合、法定相続分は配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1となっています。

兄弟姉妹の数が多い場合、4分の1からさらに人数で均等割りされた額が分配されます。

兄弟姉妹が先に亡くなっている場合、その子である甥や姪も代襲相続が可能です。

ただし、甥や姪からさらに続けることはできず、代襲相続は1代限りとなる点に注意しましょう。

相続放棄ができないケース

いくつかの場合では、相続放棄ができません。

続いて、相続放棄ができないケースについて見ていきましょう。

被相続人が存命中の場合

相続放棄は、被相続人の存命中にはできません。

被相続人が亡くなった後、死亡の記載のある戸籍謄本などを準備して家庭裁判所に申し立てをします。

存命中の被相続人が借金で自力返済が難しい場合、自己破産などの債務整理の手続きを検討しましょう。

もし生前に債務整理の手続きができなかった場合、亡くなった後に相続人がすべての財産を含めて相続放棄することになります。

相続財産を手元に残したい場合

相続放棄は一部の財産のみ手元に残しておくことができないため、どうしても手元に残したい財産がある場合、手続きができません

たとえば、先祖代々の土地や、会社の株式などです。

財産を手元に残したい場合、限定承認を検討しましょう。

相続した財産を使用・処分した場合

相続が発生すると法定相続人は、以下のいずれかを選択します。

  • 相続財産を「単純承認」により相続する
  • 「相続放棄」により相続しない
  • 「限定承認」によりプラスの財産がマイナスの財産を上回る部分のみ相続する

いずれかを選択すると、後から変更はできません。

このうち、相続放棄と限定承認は家庭裁判所での手続きが必要となりますが、単純承認は特に手続きはありません。

そのため、知らず知らずのうちに単純承認が成立している場合もあります。

相続財産の売却、相続した借金の一部の返済などの行為で単純承認が成立し、その後の相続放棄ができなくなるため注意しましょう。

相続発生の認識から3ヶ月過ぎた場合

相続が開始したことを知ったときから3カ月が経過した場合、原則として相続放棄はできません。

3カ月が経過すると、単純承認したとみなされ、すべての財産を相続します。

ただし、例外として後から借金の存在を知った場合は期間の延長が認められるケースがあります。

借金などマイナスの財産があることを後から知った場合です。

事実を知った時点が起算点となり、そこから3カ月間は相続放棄できます。

なお、単に「忙しかったから」などの理由では認められません。

十分に財産調査を行ったが見つからなかったなど、後から知ったことに合理的な理由がなければ認められない点にも注意しましょう。

相続放棄の注意点

相続放棄をすると、自分以外の相続人に迷惑をかけてしまう恐れがあります。

具体的にどのような問題が生じてどんな迷惑がかかるのか、事例を挙げて解説します。

相続財産には管理責任がある

相続放棄によって相続財産に対する所有権はなくなり、その財産は自身のものではなくなります。

しかし同時に他の全ての相続人も相続放棄した場合は、その財産を引き継ぐ人がいなくなってしまいます。

すると、その財産の次の所有者が決まるまでは、相続放棄した相続人に管理責任が生じます。

2023年4月からの民法改正により、相続放棄した人で現実に相続財産を占有している人に管理義務が生じます。

これまでは子供が相続放棄すると兄弟姉妹に相続権が移り、兄弟姉妹も相続放棄すると、その兄弟姉妹に管理義務が生じていました。

しかし、改正後はこのようなケースでも、相続放棄前に実際に財産を管理・利用できるのが子供であれば、相続放棄後の管理も子供が行います。

他の相続人に影響が出る

相続放棄をしても、その事実が次の相続人に裁判所から通知されるわけではありません。

相続放棄を考えている場合は、他の相続人に連絡をしてください。

相続放棄をした後、次の相続人が借金を引き継いだ事実を知らないと、相続放棄申請期限を過ぎて、借金を負ってしまう可能性があります。

債権者からの取り立てにより相続権の移行が発覚するケースも多いため注意しましょう。

「もし、私が相続放棄をしてしまうと、相続の権利はあなたに移ってしまうことになるため、必要に応じて相続放棄をするか相続するか決めて欲しい」など、自分が相続放棄した際に影響を受ける相続人に連絡をしましょう。

場合によっては、相続人同士が疎遠になっているケースもあるかもしれません。

しかし、連絡をしないと相続後に親族間でトラブルに発展するケースもあります。

相続放棄をする場合は相続人全員の合意で行うのが望ましいでしょう。

資産も相続できない

相続放棄とは、初めから相続人でなかったという扱いを受ける状況を意味します。

初めから相続人ではないとされるために、相続財産に含まれる債務を引き継いで返済する必要がなくなります。

ただ同時に相続人でないとされるため、相続財産に含まれる資産もすべて相続できません

例えば、被相続人が住んでいた自宅を相続して住み続けたいと考える場合、相続放棄するとできなくなるため注意が必要です。

相続放棄の撤回ができない

いったん相続放棄が成立すると、その相続放棄を取り消すことはできません

相続放棄できる期間は短いため、多額の借金が見つかった場合には、あわてて相続放棄するケースがありますが、その後高額な資産が見つかったとしても、相続放棄を撤回することは不可能です。

相続放棄までの期間が限られているため、大きな借金が見つかった場合には、早く相続放棄したいと考えます。

しかし、本当に相続放棄した方がいいのか、相続財産の内容については慎重に調査する必要があります。

相続放棄時の借金を誰が払うかについてよくある質問

相続放棄時の借金を誰が支払うかについてよくある質問を紹介します。

借金の存在を知らなかった場合や、生活保護の場合などについて解説しているため、参考にしてください。

借金の存在を知らなかった場合は後からでも相続放棄できる?

原則として、期間を過ぎてしまった場合などは後から相続放棄できません

ただし、次の条件にあてはまる場合、例外的に相続放棄が認められる可能性があります。

  • 被相続人に借金が全くないことを信じており、また、信じるのに合理的な理由があった
  • 相続財産の調査をすることが難しい事情があった

たとえば、弁護士を通じて財産調査を十分に行っていたのにわからなかった場合や、借金の督促状が届いてはじめて借金の存在を知った場合などです。

相続放棄は裁判所を通じた厳格な手続きであり、例外的に認めてもらうのはハードルが高いといえるでしょう。

また、条件にあてはまる場合でも、相続財産を使ってしまったなど、単純承認にあてはまる場合は同じく認められない可能性があります。

もし事情があって相続放棄ができなかった場合、裁判所へ合理的な説明ができないと後から相続放棄することは難しいでしょう。

生活保護を受給している場合は借金の相続放棄はできる?

生活保護を受給している場合、原則として相続放棄ができません。

ただし、借金などマイナスの財産があきらかに大きい場合、相続放棄が認められるケースが多いようです。

生活保護費は用途が生活の維持に限定されており、借金返済にあてるのは認められていないためです。

生活保護法上の要件では「利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用」するというものがあります。

もしプラスの財産を承継した場合、生活の維持に使うことが求められます。

しかし、マイナスの財産を承継しても生活の維持にはならず、生活保護費を借金返済にあてることもできないため、相続放棄が認められているのです。

もし生活保護を受給されている方で相続放棄を希望する場合、まずは事前にケースワーカーや弁護士に相談するようにしましょう。

相続放棄の費用は誰が負担するの?

裁判所への申し立て費用のほか、戸籍などの必要書類は個人で揃えるのが難しく、弁護士などへ依頼し、報酬を払って準備するのが一般的です。

相続放棄の費用は、原則として相続放棄を行う人自身が負担します。

ただし、相続放棄によって財産を受け取った相続人が負担するなど、当事者の合意で費用負担を決めるケースもあります。

相続放棄をする場合、他の相続人へその旨を伝えるとともに、費用負担についても相談しておくとよいでしょう。

まとめ

相続放棄された借金は、次の相続人がいればその人に請求がいきます。

もし相続人全員が相続放棄した場合は、連帯保証人が借金を払わなければなりません。

相続放棄をすると次の相続人が借金を引き継ぐため、事前に他の相続人に説明するのが大切です。

相続人同士のコミュニケーションが不足すると、「知らない間に借金を背負わされた」というようなトラブルに発展する可能性もあります。

慎重に対応しましょう。

相続放棄をすべきか迷っている方や相続放棄の手続きに不安がある方は、専門家である弁護士への相談をおすすめします。

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