この記事でわかること
- 相続準備でしておきたいこと
- 相続税対策でしておきたいこと
目次
【遺産相続】相続準備でしておきたいこと
相続が発生した場合、被相続人が保有していた財産は、基本的に遺産分割の対象になります。
遺産分割協議では相続人同士で争いになることも多いため、生前に対策をしておき、スムーズに遺産相続できるようにしておく必要があります。
遺言書の作成
相続準備として、まず遺言書を作成しておきます。
遺言書には、自身が保有している財産のリストや、その財産を相続する人を記載していきます。
法的な効力を持つ自筆証書遺言を作成する際は、様々な注意点があるため、多くのポイントを意識しておかなければなりません。
また、遺言書とは別に、遺言書の保管場所やおおまかな財産のリストを記載したエンディングノートを作成しておくのもおすすめです。
というのは、厳重に保管しすぎて遺言書が発見されなければ、なんの意味もないからです。
遺言書やエンディングノートは、生前に、しかも元気なうちでなければ作成できないため、相続準備としてまず最初に行うことと考えておきましょう。
相続手続きに必要な書類の用意
相続手続きを進めるうえでは、様々な書類が必要になります。
中でも戸籍謄本は、どのような相続手続きをするうえでも必要なものです。
その一方で、戸籍謄本を取得することは、相続人にとっては大変な作業となります。
相続にあたっては、生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍謄本を用意しなければなりません。
ただ、自身の親であっても他人の戸籍謄本をすべて取得するのは大変です。
しかし、自分の戸籍謄本であれば、過去に住んだ場所を思い出しながら戸籍謄本を取得することができます。
最終的には、亡くなった事実を記した戸籍謄本を相続人が取得しなければなりません。
ただ、相続人は最後の戸籍謄本だけ取得すればよく、戸籍謄本の取得に大きな手間をかける必要はなくなります。
相続できる財産・できない財産のリストアップ
被相続人が保有する財産の中には、相続により遺産分割できる財産と相続できない財産とがあります。
相続できる遺産 | 相続できない遺産 |
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相続できる財産は、土地や建物などの不動産、預貯金や株、投資信託などの金融商品、著作権などの権利などがあります。
相続できる財産は、遺産分割協議により誰が相続するか決定することとなります。
また、遺言書を作成しておけば、その財産を引き継ぐ人を決定することができます。
一方、死亡保険は保険契約により受取人が決まるため、遺産分割の対象にはなりません。
そのため、遺産分割協議や遺言書で死亡保険金の受取人を指定することはできません。
このほか、年金の受給権や扶養請求権などの権利は、そもそも相続の対象から除外されています。
希望する遺産・財産の権利は誰にあるのかの把握
相続準備をする際には、誰が法定相続人となり、相続する権利を有しているのかを把握しなければなりません。
法定相続人となる人は、被相続人との関係により順位がつけられています。
第一順位の法定相続人は子供です。
子供がいない場合には、被相続人の直系尊属である親や祖父母が第二順位の法定相続人となります。
第二順位の法定相続人もいなければ、兄弟姉妹が第三順位の法定相続人となるのです。
なお、被相続人の配偶者はどのような場合でも必ず法定相続人となります。
こうして誰が法定相続人になるのかを把握したうえで、相続準備をしていく必要があります。
もし法定相続人でない人に遺産を残したいと考える場合には、遺言書しかありません。
また、法定相続分とは異なる割合で相続してほしいと考える場合も、遺言書を作成しておきましょう。
【生前準備】相続税対策として知っておきたいこと4つ
相続税の税額を抑えるために、生前に行っておくと有効なことがあります。
ここでは、相続税対策として何をすべきかご紹介します。
相続税額をシミュレーションする
相続税の税額を計算するためには、遺産の総額を知る必要があります。
相続税対策として、どのような遺産があるのかを把握し、その金額を合計してみましょう。
そのうえで、法定相続人の人数から基礎控除の額を求め、課税対象となる金額を求めれば、おおまかな相続税額が計算できます。
想像以上に相続税額が大きい場合には、その税額を減らすために相続税対策を行う必要があります。
また、納付すべき相続税額を計算したら、そのための納税資金を準備しておくこともできます。
一方、相続税が発生しない場合もあり、この場合には相続税対策を行う必要はありません。
相続税対策を行うためには、まずは相続税額をシミュレーションすることから始めなければならないのです。
養子縁組を検討する
相続税対策の1つとして検討すべきなのが、養子縁組です。
養子縁組を行うと、その養子も子として第一順位の法定相続人となります。
法定相続人となる人が増えると、相続税の基礎控除の金額が増え、トータルの相続税額が減少します。
そのため、相続税対策として有効な方法といえます。
養子縁組を行う際には、まったく関係のない人を子供にすることは難しいでしょう。
そこで、孫を養子にする「孫養子」を行うなどして、なるべく自然に相続ができるような対策を実行しましょう。
なお、実子がいる人の場合、養子として相続税の計算上含めることができるのは、1人だけです。
また、実子がいない人の場合は、2人まで養子として計算に含めることができます。
生命保険を活用する
生前に生命保険に加入しておけば、亡くなった後にその受取人が生命保険金を受け取ることができます。
受取人となった人は、生命保険の被保険者が亡くなった時には、確実に生命保険金を受け取ることができます。
多額の預貯金があっても、遺産分割の結果によっては必ず相続できるとは限りません。
そこで、確実に現金を受け取ることができるよう、生命保険に加入するようにします。
生命保険金は相続財産ではありませんが、亡くなってから発生するため、相続税の課税対象となります。
ただ、その全額が課税されるのではなく、非課税となる金額があります。
そのため、生命保険金を受け取ることは、相続税対策としても有効なのです。
生前贈与を検討する
相続が発生する前に財産を贈与すれば、その財産に対しては相続税ではなく贈与税が課されます。
贈与税は1年間に贈与された財産の合計額から、基礎控除額110万円を控除し、残った金額に税率を乗じて計算します。
贈与税の税率は、相続税の税率より割高になるのですが、遺産の総額が大きい場合などは、相続税の税率より低い税率になる場合もあります。
そのため、生前に贈与を行ったことで相続税額が減るだけではありません。
「贈与税+相続税」で計算した金額が、何もしない場合の相続税額より少なくなることもあるのです。
また、贈与の回数が増えれば、その分基礎控除を利用して非課税で贈与される財産の金額も多くなります。
その結果、生前贈与でトータルの税負担をさらに減らすことができます。
まとめ
今回は、相続の事前準備のポイントや相続税節税のために生前にやっておくことも紹介しました。
生前にしかできない節税対策もあるので、相続は発生してから対応するのではなく、事前の準備が大切です。
また手続きに必要な書類を揃えることも、残された家族にとっては負担になることも多いです。
少しでも不安な点があれば、必ず信頼できる弁護士などの専門家にアドバイスをもらうようにしましょう。