再度の遺産分割協議が必要となるケース

遺産分割協議が成立すると、もう一度やり直すことは原則として不可能です。

また、学説上の対立はあるものの、最高裁判所の判例によれば、相続人のなかに遺産分割協議書で成立した約束を守らない人がいても、不利益を被った人が遺産分割協議を法定解除することはできません。

こうした問題が起きたときは、遺産分割協議は有効に成立したことを前提に、約束を実行してもらうように要求する必要があります。

相続人全員の合意がある場合は協議のやり直しができる

一方、共同相続人全員の合意がある場合は、遺産分割協議の全部または一部を解除した上で、協議のやり直しをすることができます。

とはいえ、それまでに大変な思いをしてつくった遺産分割協議を無にして、一からやり直すのは大変です。

そのようなインセンティブは通常起きないため、協議をやり直すことはほとんどないでしょう。

また、協議をやり直すことにより、相続税申告や名義変更の手続きなどに影響が及ぶ点も注意が必要です。

強制的に遺産分割協議のやり直しが必要なケース

強制的に遺産分割協議をやり直さなければならないのは、別の相続人が発覚した場合です。

繰り返しになりますが、このようなことのないよう遺産分協議を始める前に、必ず被相続人の戸籍を確認し、見落としがないようにしてください。

そのほか、新たな遺産が判明した場合は、その財産に限って追加で遺産分割協議を行います。

いったん合意したものは有効ですから、一からやり直す必要はありません。