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最終更新日:2022/12/13

事前にトラブル防止!遺産分割協議書を公正証書で作成するメリット-もめない遺産分割Vol49

弁護士 福西信文

この記事の執筆者 弁護士 福西信文

東京弁護士会所属。
相続手続等の業務に従事。相続はたくさんの書類の作成が必要になります。
お客様のお話を聞き、それを法律に謀った則った形式の文書におとしこんで、面倒な相続の書類を代行させていただきます。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/fukunishi/

事前にトラブル防止!遺産分割協議書を公正証書で作成するメリット-もめない遺産分割Vol49

遺産分割協議書を公正証書にする

遺産分割協議書の信用性をより高める手段が、書類を「公正証書」にすることです。

遺産分割協議書を公正証書にするメリット

手続きはやや面倒でお金もかかります。

しかし、公正証書にすることで、将来のトラブルを防ぐことができるという効果があります。

たとえば、代償分割を行い、代償金を分割払いにする場面をイメージしてください。

このとき、支払うべき相続人がいつまでも代償金を支払わず、不払いになる可能性がないとは言えません。

遺産分割協議書に従って相手方に代償金の支払いを求めることはできますが、強制的に回収するには裁判を行い、判決に基づく強制執行をしなければなりません。

「そんなことは約束していない」「遺産分割協議書は偽物だ」と主張されるおそれもありますし、遺産分割協議書を破棄される可能性もないわけではありません。

こういった事態に備えて、代償金の支払いについて遺産分割協議書で明確に定めるとともに公正証書にしておけば、裁判を経ることなく、強制執行することができます。

公正証書は、公証人(公証事務を担う公務員)が作成し、原本は公証役場で20年間保管されます

万が一、遺産分割協議を紛失したり、ほかの相続人から改ざんされたりしても、公正証書ならば安心です。

相続人同士のトラブルだけでなく、第三者に対して権利を主張する上でも、公正証書は役立ちます。

トラブルが起きたときに毅然とした対応をとるためにも、公正証書は積極的に利用しましょう。

遺産分割協議の内容を公正証書にする手順

遺産分割協議の内容を公正証書にするまでは、さまざまな作業が必要です。

まずは遺産分割協議書を作成してから、公証役場で公正証書にする手続きをとります。

各種提出書類を求められるため、指示に従い収集します。

公証人手数料も必要で、これは遺産の価格によって異なります。

遺産が100万円以下なら手数料は5000円ですが、5000万円を超える場合、手数料は4万3000円以上と高額です。

コストはかかりますが、トラブルが起きた場合の保険として考えると、それに見合うメリットではないでしょうか。

主な提出書類

  • 公正証書作成のための資料……遺産分割協議書またはメモ書きでも可
  • 被相続人の戸籍謄本等……誕生から死亡までの戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本が該当
  • 相続人の戸籍謄本
  • 相続人の印鑑登録証明書・実印
  • 不動産資産に関する証明書類……固定資産評価証明書、登記事項証明書が該当
  • 金融資産に関する証明書類……預金通帳、有価証券の残高証明書等
  • 負債に関する証明書類……借入先の残高証明書等

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