目次
不動産は登記や固定資産税の通知から把握
被相続人の所有不動産を確認するときは、権利書や売買契約書、固定資産税の通知書などの書類で確認できます。
書類が見つからない場合は「名寄帳」を確認
これらの書類が見つからないときは、市区町村の固定資産税の窓口で「名寄帳」を確認しましょう。
名寄帳とは、市区町村が固定資産税を徴収するために、所有者ごとに不動産をまとめた一覧表です。
その市区町村に複数の土地家屋を所有していた場合、名寄帳から効率的に情報を集めることができます。
ただし、名寄帳は担当エリアごとに作成されるので、被相続人が所有していたと考えられる場所の目星をつける必要があります。
エリアをまたいで複数の不動産を所有していたと思われる場合は、地域ごとに名寄帳を確認しましょう。
所有者の名前から検索できる「登記簿図書館」
インターネットで利用できる「登記簿図書館」も便利です。
利用料はかかりますが、不動産の登記を確認でき、被相続人が所有権を持っていたかを調べられます。
登記簿図書館が画期的な点は、所有者の名前から登記情報を検索できる機能です。
同姓同名の人がいる可能性もありますが、まずは氏名で物件情報を見て、所有不動産をおおまかに把握できます。
こうして被相続人が所有する不動産を把握したら、その「価格」を調べましょう。
不動産価格の把握が欠かせない
遺産分割協議をするには、不動産にどれくらいの価値があるのかを把握する必要があります。
土地については、国税庁によって定められている路線価がある地域では「路線価方式」、路線価がない地域では「倍率方式」で計算します。
建物は基準年度の固定資産税評価額がそのまま使われます。
ただし、土地の形状や建物の使い方によって、実際の計算は複雑になるため、専門家に相談するのがおすすめです。
相続税の申告が必要な場合は、いずれにせよ税理士に依頼するのが一般的ですから、不動産の相続税評価額を算定してもらい、これを基準に遺産分割協議を行うとスムーズに進むでしょう。
不動産の評価方法は複数ある
不動産の評価について、相続税評価額が参考になりますが、評価方法は複数あるため、場合によってはほかの方法で金額を出し、その金額を基準に遺産分割協議を行うことも可能です。
相続税の評価計算以外の一般的な評価方法としては、次の3つがあります。
原価法 |
「その不動産を再調達する場合に、どのくらいかかるか」という原価をもとに、価格を評価する方法です。 たとえば、自宅の建物を評価するときに、同じ家を建てるのに必要な金額(再調達費用)を調べ、その不動産の価値とします。 ただし、家などの建物は再調達費用を把握できますが、土地については再調達費用の把握が困難であり、原価法は不適切です。 |
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比較法 |
「取引事例比較法」とも呼ばれ、該当する不動産と似た条件の不動産の取引事例を参考に評価額を導き出す方法です。 現在の日本では、この比較法が中古住宅の評価方法として一般的に利用されています。 住宅地など似た取引事例のある不動産では有効な方法ですが、感覚的な部分もあり、人によって評価にブレが生じることもあります。 |
収益法 |
「取引事例比較法」とも呼ばれ、該当する不動産と似た条件の不動産の取引事例を参考に評価額を導き出す方法です。 現在の日本では、この比較法が中古住宅の評価方法として一般的に利用されています。 住宅地など似た取引事例のある不動産では有効な方法ですが、感覚的な部分もあり、人によって評価にブレが生じることもあります。 |
このように、採用すべき評価方法はケース・バイ・ケースですが、相続人全員が納得できる評価方法を選ぶことが大切です。
不動産鑑定士に依頼する方法も有効
「遺産分割協議でもめないようにする」という意味では、不動産評価のプロである不動産鑑定士に依頼する方法も有効です。
不動産鑑定士は、素早く正確な評価額を算出してくれます。
プロが導き出した数字に文句を言う人は少ないため、相続人同士の争いを防ぐこともできます。
依頼料はかかりますが、遺産分割をスムーズに進めるための必要経費と考えてください。
▼もめない遺産分割の進め方 シリーズ
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- もめない遺産分割Vol2-遺産分割でもめるケース|問題の長期化を避けるべき理由とは?
- もめない遺産分割Vol3-なぜ遺産分割を急ぐべき?不公平を生まないために
- もめない遺産分割Vol4-遺産分割でもめる理由とトラブルパターンを紹介
- もめない遺産分割Vol5-遺言書の内容は絶対?相続人全員が納得する遺産分割の必要性
- もめない遺産分割Vol6-遺産分割の基礎知識|法定相続人の範囲と順位
- もめない遺産分割Vol7-【誰がどれくらい相続する?】法定相続分の割合と計算方法
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