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最終更新日:2022/12/16

財産調査は預金口座から!漏れのない財産目録をつくろう-もめない遺産分割Vol34

弁護士 福西信文

この記事の執筆者 弁護士 福西信文

東京弁護士会所属。
相続手続等の業務に従事。相続はたくさんの書類の作成が必要になります。
お客様のお話を聞き、それを法律に謀った則った形式の文書におとしこんで、面倒な相続の書類を代行させていただきます。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/fukunishi/

財産調査は預金口座から!漏れのない財産目録をつくろう-もめない遺産分割Vol34

財産調査は預金口座から調べる

ここからは、被相続人の財産を把握するための手順を説明します。

あらかじめ被相続人から通帳などの場所を知らされていればいいのですが、まったくわからないケースもあるでしょう。

そういう場合は、自宅を中心に通帳などを探し、財産を確認する必要があります。

まずは、通帳をチェックするのが近道です。

被相続人が所有する口座・保険・借金の有無の確認方法

被相続人の預金は明らかに相続財産を構成しますし、被相続人が所有する別口座や証券口座、保険会社、借金の有無などがわかります。

また、次のポイントをチェックすることで、新たな預金口座を見つけられるかもしれません。

  • 銀行名の入ったタオルや文房具などの粗品を手がかりにする
  • 金融機関からの郵便物を見る
  • 自宅や会社の近くにある各銀行に問い合わせる
  • 生前に確定申告をしている場合は、顧問税理士に問い合わせる
  • ネット銀行の場合、メールやパソコン、パスワード生成機(トークンなど)をチェック

被相続人の預金口座を把握したら、通帳や残高証明書から相続開始時点でどれくらいの財産が残っていたのかを調べましょう。

遺産分割協議のときの基準額となります。

名義預金の判断は複雑

また、「名義預金」がないかも確認してください。

家族名義であっても、被相続人から出されたお金が入っていたら、名義預金にあたる可能性があります。

実際の名義預金の判断は複雑ですが、実質的に被相続人の財産であると知りながら、あえて相続税の申告から除外すると、重加算税を課される可能性もあります。

財産目録をつくる

遺産分割に向けた最初の目標は、すべての相続財産とその評価をしっかり記載した遺産目録の作成です。

財産目録をつくるメリット

万が一、記載する財産に漏れがあったり、評価額に重大な誤りがあったりすると、遺産分割協議はいつまでも完結しません。

財産目録をきちんとつくっておけば、遺産分割協議を進めるときに便利ですし、相続税の申告漏れを防ぐことにもつながります

図表4−3に示す例を参考に、パソコンなどでつくってみてください。

財産目録のフォーム(例)
▲図表4−3

なお、遺産分割協議の対象となる遺産は、預金や不動産のほか、多岐にわたります

漏れがちな財産例

次の遺産は、とくに漏れやすいので注意してください。

  • 家庭用財産
  • 会員権(ゴルフなど)
  • 未収金(給与、地代、家賃など)
  • 名義預金
  • 還付金(税金、高額療養費、介護保険など)

財産目録の作成にあたり、相続人同士できちんと情報開示をすることが大切です。

本当は財産があるのを知っているのに、一人占めしようとして隠せば、もめごとの火種になります。

財産隠匿が相手に発覚すると、不信感を招いて遺産分割協議が進めにくくなります。

漏れなく財産目録をつくる」という目的を相続人全員で共有し、協力して遺産の確認を進めましょう。

▼もめない遺産分割の進め方 シリーズ

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