相続発生前から弁護士や税理士に相談しておく

ここまで説明したとおり、遺産分割には法律のさまざまなルールが絡んできます。

法律に則った手続きが求められる場面は多く、やり方を間違えると問題となる可能性があります。

相続税をはじめとする税金への影響も考えなくてはいけません。

相続発生前から専門家に相談するメリット

すべて相続人だけで調べて、正しく判断するのは困難です。

必要に応じて専門家のサポートを受けるにしても、「誰に、何を相談するのか」という迷いが出てくることも考えられます。

そこで、遺産分割に関し、どのような専門家が関係するかを理解しましょう。

通常、相続手続きは前記の順番に沿って進みます。

このうち、相続開始前から進めたいのが①～③です。

これらの手続きについて、早い段階から専門家のサポートを受けておけば、実際に相続開始した後もスムーズに遺産分割を進めることができます。

ただし、専門家のうち弁護士を入れるときは、できるだけ相続人全員が納得するように配慮してください。

もし、相続人の１人が勝手に弁護士に依頼した場合、ほかの相続人から見ると、「裁判で争うつもりなのか」「自分にとって不利なことを言ってくるのでは」といった疑念を持たれる可能性があります。

専門家に依頼する場合は、あくまでも「相続手続きを円滑に進めるため」という目的を共有し、当事者が納得のいく形で準備を進めましょう。

相続に強い弁護士を選ぶことが重要

また、専門家といっても、それぞれの得意分野に違いがあります。

弁護士であれば、刑事事件であったり、離婚や相続などの親族問題を得意とする人であったりと、専門は分かれます。

相続の問題解決には、もちろん相続に強い弁護士を選ぶことが重要です。

また、登記をするときは司法書士に依頼します。

相続人同士の相続に関する知識が中途半端な場合、話し合いを続けても冷静になることが難しく紛争に発展しかねません。

状況が悪化した場合は、弁護士に相談すれば法的な観点からの適切なアドバイスを期待できます。

また、訴訟になった場合は、紛争の専門家として処理を依頼できます。