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最終更新日:2022/12/13

配偶者居住権は相続税の節税になる?注意点について-もめない遺産分割Vol27

弁護士 福西信文

この記事の執筆者 弁護士 福西信文

東京弁護士会所属。
相続手続等の業務に従事。相続はたくさんの書類の作成が必要になります。
お客様のお話を聞き、それを法律に謀った則った形式の文書におとしこんで、面倒な相続の書類を代行させていただきます。

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配偶者居住権は相続税の節税になる?注意点について-もめない遺産分割Vol27

「配偶者居住権」で相続税を節税

配偶者居住権を設定した土地は、相続税の計算上、居住権と所有権を分けて評価をします(図表3−8)。

配偶者居住権を使った節税
▲図表3−8

そのため、居住権を配偶者が、所有権を子が、それぞれ相続したのであれば、権利に応じて配偶者と子の相続税が計算されます。

配偶者居住権は相続税の節税に有効

まず一次相続のときは、配偶者が相続する配偶者居住権について、配偶者の税額軽減を使うことができます

配偶者の税額軽減の効果は大きいので、配偶者に相続税がかかることはほとんどないでしょう。

子については、自宅の所有権をまるごと相続する場合に比べると、配偶者居住権は除いた権利を相続するわけですから、相続税の負担は減ります。

さらに、この配偶者が亡くなり二次相続になったとき、配偶者居住権は自動的に消滅した形になるので、配偶者居住権に対して子が相続税を負担する必要はありません。

つまり、配偶者居住権を使うことで、二次相続のときの相続税を効果的に減らせるのです。

「小規模宅地等の特例」の方が節税になるケースがある

注意が必要なのは、配偶者居住権を使うよりも、「小規模宅地等の特例」を使ったほうが節税になるケースがある点です。

たとえば一次相続で配偶者が自宅の土地を相続し、二次相続で同居していた子が相続する場合、一次相続と二次相続のいずれでも小規模宅地等の特例を使え、評価額を80%減額することができます。

このように、配偶者居住権を設定するかどうかで相続税への影響が生じることに注意してください。

できれば、事前にシミュレーションをするといいでしょう。

配偶者居住権を設定する不動産は「そのまま住み続ける」が前提

また、配偶者居住権を設定する不動産は「そのまま配偶者が住み続ける」という前提で考えてください。

配偶者居住権を設定したにもかかわらず、その不動産を配偶者の生存中に売ってしまうと贈与税の問題が起きるからです。

たとえば、配偶者居住権が設定された家を5000万円で売って、所有権を持つ子どもが売却代金を受け取ったとしましょう。

この場合、子は売却のために配偶者居住権に相当する権利をもらったとして、贈与税がかかります

親の自宅を売る可能性が少しでもあれば、配偶者居住権の利用は慎重に考えなくてはいけません。

そういった意味でも、親の自宅をどう活用するかは、早い段階から考える必要があるのです。

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