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最終更新日:2022/12/13

事前に「不公平」の解消を!生前贈与・寄与分の把握のススメ-もめない遺産分割Vol22

弁護士 福西信文

この記事の執筆者 弁護士 福西信文

東京弁護士会所属。
相続手続等の業務に従事。相続はたくさんの書類の作成が必要になります。
お客様のお話を聞き、それを法律に謀った則った形式の文書におとしこんで、面倒な相続の書類を代行させていただきます。

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事前に「不公平」の解消を!生前贈与・寄与分の把握のススメ-もめない遺産分割Vol22

生前の贈与や寄与は情報共有しておくべき

相続をきっかけに、被相続人からの援助を「不公平だ」として、不満が噴出することもあります。

「お兄ちゃんは私立に行ったのに、私は公立しか行けなかった」「あいつは豪華な結婚式の費用を出してもらった」「仕送りが私だけ少なかった」といった話が出てくるのです。

このような不公平感が原因で、遺産分割がまとまらなくなることは少なくありません。

特別受益とは

生前贈与が「特別受益」と判断されるポイントとは-もめない遺産分割Vol11」で説明したとおり、被相続人からの生前贈与は「特別受益」として相続財産に含めて考えられます

生前贈与を受けていない相続人は、生前贈与を受けた相続人よりも多めに遺産を相続するといった調整が必要です。

そのため、被相続人から多くの援助を受けた相続人は、「生前贈与があったことは隠しておきたい」と思うかもしれませんが、ここはきちんと説明しておくのが無難です。

贈与は、あげる人(贈与者)ともらった人(受贈者)の合意で成立するので、贈与の時点でほかの相続人が口を出すことはできません。

しかし、相続のときに特別受益として問題になる可能性がある点は、留意する必要があります

生前贈与を親子2人だけの秘密と考えていても、意外なタイミングでほかの兄弟に知らされるケースは少なくありません。

また、裁判などで発覚して遺産争いがさらにひどくなる可能性もあります。

こういった意味から、生前贈与の事実があれば、ほかの相続人にも伝えておくことが無難なのです。

寄与分とは

寄与分」も早めに考えておきたい問題です。

法的には、被相続人の療養看護を行った相続人が仕事を辞めて介護をしたり、介護サービスなどの費用を負担していたりすると、特別に貢献したとして寄与分が認められます

そして、こうした貢献をした人は、寄与分に応じて財産を取得することができます。

さらに、平成31年(2019年)の法改正では、寄与分が認められていなかった相続人以外の人も、「特別寄与料」を請求できるようになりました。

たとえば、被相続人の子の配偶者などにも、権利が認められる可能性が出てきたのです。

昨今は高齢化社会が進み、多くの家庭で介護の負担が増えていますから、寄与分について考える必要があります。

寄与分の有無や金額について考えが対立すれば、遺産争いにつながる可能性があるからです。

特別受益や寄与分が相続争いの要因となるわけ

特別受益や寄与分が遺産分割の争いにつながりやすいのは、「親への貢献や愛情」という数値化しにくいものであることに関係します。

そのため、被相続人が亡くなった後、相続人同士が話し合いで合意形成するのは簡単ではありません。

ときには訴訟に発展することもあるでしょう。

特別受益や寄与分は、主張すれば必ず認められるものではありません。

生前の情報共有を心がけるとともに、ほかの相続人も納得させられる証拠を残すことが大切です。

  • ・贈与については、親子でも贈与契約書を残す
  • ・介護をしたのであれば、日誌をつける
  • ・金銭の支払いが発生するときは、領収書やレシートを取っておく

このようなことを意識するだけで、相続開始後の無用なトラブル防止につながります。

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