相続人関係を整理する

遺産分割協議の場面でもめやすいのが、被相続人の家族構成が複雑なケースです。

家族構成が複雑だと遺産分割は難しくなる

養子が多くいたり、前の配偶者や愛人との間に子がいたりすると、やはり遺産分割は難しくなります。

そもそも、親の以前の結婚や愛人関係について、子は知らないことが少なくありません。

養子縁組も当事者の意思だけで手続きできるので、当事者以外に知らされないことはよくあります。

そうなると、いざ相続の場面になって初めて、ほかの相続人の存在が明らかになります。

実子としては自分の法定相続分が減るわけですから、すんなりと納得するのは難しいでしょう。

相続開始前に「誰が相続人なのか？」を確認することがおすすめ

こうした問題が起きる可能性が少しでもあれば、これから相続を迎えるにあたって、相続人が誰なのかを確認しておきたいものです。

相続開始後に不意打ちのようにほかの相続人の存在を知らされるよりも、親の口から説明をしてもらったほうが、子としても納得しやすいでしょう。

また、親が養子縁組を行っているときは、その関係を維持するかどうか一度考えてもいいでしょう。

養親と養子が協議をして離縁届に記入し、本籍地のある自治体へ離縁届を提出すれば、養子縁組関係を消滅させることができます。

ただし、養子が15歳に達していない場合は、法定代理人（代表的な例として実親）が同意しなければ離縁できず、実の父母に対して離縁調停や離縁訴訟を起こす必要があります。

養子がいると相続税の節税効果はあります（「養子は実子と同じく相続人になる？「特別養子」「普通養子」の違い－もめない遺産分割Vol9」）が、実子がいる場合は養子１人までしか税額の計算に影響しません。

養子が多くても節税効果はないので、むやみに遺産分割の当事者を増やさないためにも、養子関係の整理は生前に行っておきたいものです。