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最終更新日:2022/12/15

遺産分割準備の第一歩は「家族と相続について話し合うこと」-もめない遺産分割Vol19

弁護士 福西信文

この記事の執筆者 弁護士 福西信文

東京弁護士会所属。
相続手続等の業務に従事。相続はたくさんの書類の作成が必要になります。
お客様のお話を聞き、それを法律に謀った則った形式の文書におとしこんで、面倒な相続の書類を代行させていただきます。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/fukunishi/

遺産分割準備の第一歩は「家族と相続について話し合うこと」-もめない遺産分割Vol19

準備は早ければ早いほどいい

遺産分割でもめないためには、できるだけ相続開始前、つまり生前から準備したいものです。

準備不足は遺産争いの原因になりやすいので、「まだ早い」とは思わず、将来のために考えてください。

子として親の相続に備える」状況を想定し、意識したいことを説明します。

相続準備の第一歩は「家族と相続について話し合うこと」

準備の最初の一歩は、家族と相続について話し合うことでしょう。

たとえば、これから高齢の両親の相続が予想されるのであれば、両親や兄弟姉妹と話をする必要があります。

親にも相続に関心を持ってもらうことが大切です。

将来的に被相続人になる人が突然体調を崩し、話もできないような状態になると、財産などの確認は非常に難しくなります。

できれば進めておきたかった相続税対策も、不十分なまま相続が始まってしまう可能性があります。

心理的な面からも、家族間の話し合いを早くすることは大切です。

相続について話し合うベストなタイミングは?

子にとって、相続の話を切り出しやすいのは、親が元気なうちです。

親が体調を崩した後に相続の話をしようとしても、「縁起でもない」と感じて躊躇(ちゅうちょ)してしまいます。

お盆やお正月など家族が集まるときに、「相続でもめると大変みたい」「相続税ってどれくらいかかるんだろう」といったライトな話から始めるといいかもしれません

この記事をご家族の話し合いのきっかけにしていただいてもいいと思います。

そして、可能であれば「親と長男だけで話す」形ではなく、相続人全員で話す機会を持つのがいいでしょう。

なぜ相続人全員で話すことが大切か

遺産分割協議は、相続人全員の合意があって初めて成立するものです。

特定の人だけで話をしていると、後から「そんなことは聞いていない」「納得できない」と主張されてしまうかもしれません。

「うちの家族は仲が良いから、慌てて話し合いをしなくても大丈夫」と思ったとしても、安心は禁物です。

人は亡くなる直前に感情が高ぶります。

「あいつは見舞いに来なかったから、何も相続させたくない」「あの子はしっかり看病をしてくれたから、全財産を相続させたい」といった極端な気持ちになりがちです。

そうすると、ますます遺産分割が難しくなります。

家族全員が冷静に考えられる時期から、遺産分割について話し合うことをおすすめします。

生前に被相続人の意思を確認しておく

遺言を残してもらったほうが望ましいのは間違いありません。

遺言がない場合と比べて、あるほうが遺産分割でもめる可能性は低くなります。

その理由は、遺言が一定の法的効力を担保されたものであることに加え、相続人のなかに「故人の意思を尊重したい」という気持ちが起きやすいからです。

たとえば、「長男に財産の3分の2を、次男に3分の1を残す」という遺言があった場合、次男は不公平に感じると思う一方で、「父さんの考えなら仕方がない」と納得するかもしれません。

しかし、遺言がない状態で遺産分割協議を行い、長男が「3分の2を相続したい」と主張すれば、次男は簡単に受け入れることはできないでしょう。

また、相続が発生した後に「父さんは自分に財産を残したいと言っていた」「いや、均等に分けろと言っていた」というように、「言った、言わない」の争いになることも遺言があれば避けられます。

遺言で指定できること

遺言ではさまざまなことを指定でき(図表3−1)、「遺言執行者」を定められる点もメリットです。

遺言書の持つ効力
▲図表3−1

遺言執行者とは、文字どおり、遺言の内容を実現するために手続きをする人です。

財産目録の作成のほか、預金や不動産などの名義変更といった、遺産分割を行うための一切の権限を有します。

遺言書を作成した被相続人は、当然ながら遺言書のとおりに実行されるかを見届けることはできません。

そのため、遺言執行者を選任して、その人に遺言で指定したことを確実に実行するよう託せるのです。

遺言は3種類

遺言を行う場合は、危急時などに利用できる特殊方式遺言を除けば、被相続人本人が全文を書く「自筆証書遺言」と、公証人に作成してもらう「公正証書遺言」、被相続人本人が書いて公正役場で手続きをする「秘密証書遺言」の3つがあります(図表3−2)。

遺言書の特徴
▲図表3−2

このうち、最も手軽に作成できるのが自筆証書遺言です。

ただし、自筆証書遺言には紛失や無効となるリスクが考えられます。

したがって、ほかの2つの方法も検討するといいでしょう。

また、2020年7月より、法務局にて自筆証書遺言の保管制度も始まりました。

これは、自筆証書遺言につきものだった紛失のリスクの軽減につながります。

遺言を残しやすい環境が整っていますので、可能であれば被相続人に遺産をどう分割するのかを考えてもらい、遺言書に残してもらうといいでしょう。

▼もめない遺産分割の進め方 シリーズ

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