メニュー

閉じる
無料相談0120-211-084
メール

最終更新日:2022/12/15

養子は実子と同じく相続人になる?「特別養子」「普通養子」の違い-もめない遺産分割Vol9

弁護士 福西信文

この記事の執筆者 弁護士 福西信文

東京弁護士会所属。
相続手続等の業務に従事。相続はたくさんの書類の作成が必要になります。
お客様のお話を聞き、それを法律に謀った則った形式の文書におとしこんで、面倒な相続の書類を代行させていただきます。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/fukunishi/

養子は実子と同じく相続人になる?「特別養子」「普通養子」の違い-もめない遺産分割Vol9

養子は相続人になる

養子縁組とは、血縁関係のない人同士が、法律上の親子関係になることを言います。

養子縁組をして親になった人は「養親」、子どもになった人は「養子」です。

被相続人が養子縁組を行っていた場合、その養子は相続人となるため、ほかの相続人の法定相続分に影響します

たとえば、配偶者と実子1人が相続人なら、実子の法定相続分は2分の1ですが、1人の養子がいた場合、実子と養子はそれぞれ4分の1が法定相続分となります。

養子縁組に人数の上限はなく、手続きをすれば何人でも養子にすることは可能です。

しかし、養子が増えれば、相続人の数が増えるわけですから、遺産分割協議の合意形成が難しくなります。

相続人が増えると相続税が減る

養子縁組を行う場合、相続税のルールも確認しておきましょう。

相続税は「相続人が増えるほど、相続税が減る」という仕組みです。

相続税の基礎控除や生命保険金・死亡保険金の非課税枠が、相続人の人数に応じて増えるからです。

したがって、養子縁組をすれば、相続人が増えることにより相続税の節税につながることになりますが、無制限に節税できるわけではありません。

相続税の計算上、「実子がいない場合は養子2人まで」「実子がいる場合は養子1人まで」が相続税法上の恩恵を受けることができる上限です。

この上限を超えて養子縁組を行って相続人を増やしても、相続税の節税効果はありません。

また、たとえ上限を超えなくても、税務署から「明らかに税金対策としての養子縁組である」と判断されると、相続税法上の恩恵を受けられないこともあります。

例外的に養子が実子扱いになるケース

ただし、例外として、次の場合は相続税上も養子は実子扱いとなり、人数の制限を受けません(図表2−3)。

  • 被相続人の「特別養子」であるケース
  • 被相続人が配偶者の連れ子を養子にしたケース
  • 実子または養子の代襲相続権を所有するケース

養子が実子と同じ扱いになるケース
▲図表2−3

「特別養子」と「普通養子」の違い

養子には「特別養子」と「普通養子」の2種類があります(図表2−4)。

養子縁組の種類
▲図表2−4

子どもが実の親に虐待を受けたり、親がなんらかの事情で子どもの監護をできなかったりする事情により、子どもをきちんと育てられる人が養親となるのが特別養子です。

特別養子になると、実父母との親子関係が解消され、実父母からの相続権がなくなります。

その代わりに、養父母からの相続は相続税法上も制限を受けず、実子扱いとなります。

この特別養子には高いハードルがあり、家庭裁判所の審判を経なければなりません

養子が養親より先に亡くなったときには、その養子の子どもが代襲相続人になることができる場合と、できない場合があります。

養子と実子に相続分の差はありませんが、代襲相続に関しては違いが生じる可能性があります。

養子縁組をした後にその養子に子どもが生まれた場合、その子どもは代襲相続が認められます。

再婚相手の子どもを養子にした場合

たとえば、再婚相手の子どもを養子にした場合に、養子縁組の後に養子の子(孫)が生まれれば、孫は代襲相続人となることができます。

一方、養子縁組する前に養子に子がいた場合、その子と養親の間には血縁関係が生じません。

そのため、その子は養子の代襲相続人になれません(図表2−5)。

養子が代襲相続できない場合

▲図表2−5

▼もめない遺産分割の進め方 シリーズ

テーマから記事を探す

弁護士法人ベンチャーサポート法律事務所ならではの専門性

多数の相続案件の実績のノウハウで、あなたにとって一番の頼れる味方となります。
ご自身でお悩みを抱える前に、ぜひ一度お気軽にご連絡ください。親切丁寧な対応を心がけております。

当サイトを監修する専門家

弁護士 川﨑 公司

弁護士 川﨑 公司

相続問題は複雑なケースが多く、状況を慎重にお聞きし、相続人様のご要望の実現、相続人様に合ったよりよい解決法をアドバイスさせていただくようにしています。

弁護士 福西 信文

弁護士 福西 信文

相続手続等の業務に従事。相続はたくさんの書類の作成が必要になります。お客様のお話を聞き、それを法律に謀った則った形式の文書におとしこんで、面倒な相続の書類を代行させていただきます。

弁護士 水流 恭平

弁護士 水流 恭平

民事信託、成年後見人、遺言の業務に従事。相続の相談の中にはどこに何を相談していいかわからないといった方も多く、ご相談者様に親身になって相談をお受けさせていただいております。

弁護士 山谷 千洋

弁護士 山谷 千洋

「専門性を持って社会で活躍したい」という学生時代の素朴な思いから弁護士を志望し、現在に至ります。 初心を忘れず、研鑽を積みながら、クライアントの皆様の問題に真摯に取り組む所存です。

弁護士 石木 貴治

弁護士 石木 貴治

メーカー2社で法務部員を務めた後、ロースクールに通って弁護士資格を取得しました。 前職の経験を生かし、実情にあった対応を心がけてまいります。 お気軽に相談いただければ幸いです。

弁護士 中野 和馬

弁護士 中野 和馬

弁護士は敷居が高く感じられるかもしれませんが、話しやすい弁護士でありたいです。 お客様とのコミュニケーションを大切にし、難しい法律用語も分かりやすくご説明したいと思います。 お客様と弁護士とが密にコミュニケーションをとり協働することにより、より良い解決策を見出すことができると考えております。