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最終更新日:2022/12/13

遺産分割でもめる理由とトラブルパターンを紹介-もめない遺産分割Vol4

弁護士 福西信文

この記事の執筆者 弁護士 福西信文

東京弁護士会所属。
相続手続等の業務に従事。相続はたくさんの書類の作成が必要になります。
お客様のお話を聞き、それを法律に謀った則った形式の文書におとしこんで、面倒な相続の書類を代行させていただきます。

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遺産分割でもめる理由とトラブルパターンを紹介-もめない遺産分割Vol4

遺産分割でもめる理由

遺産分割は非常に重要な手続きで、できるだけ速やかに進める必要があります。

しかし、遺産分割でもめてしまい、遅々として進まない事態に陥ることは少なくありません。

その理由は、複数の人間の利害が対立した場合、当事者の意見が一致しにくいからです。

「もめるのはお金持ちだけ」というのは誤解にすぎません。

仲の良い兄弟であっても、月日の経過とともにそれぞれの生活の事情からお金が必要になり、お互いが「より多くもらいたい」という主張をするかもしれません。

しかし、全員のニーズを満たすだけの遺産がそもそもないことも多く、解決まで時間がかかってしまいます。

遺産分割協議でよくあるトラブルは、「相続割合でもめる」「相続する遺産の種類でもめる」というパターンです。

相続割合でもめる

たとえば、配偶者と子1人が相続人の場合、配偶者の法定相続分は2分の1です。

残る2分の1は子の法定相続分となります。

とはいえ、配偶者の立場からすれば、日ごろ縁の薄い子どもが2分の1を相続するのは腹が立つこともあるでしょう。

「2分の1では足りない。私がすべての財産を相続すべきだ」と主張するかもしれません。

その一方で、子としては「2人で分けるのだし、母は高齢でそこまでお金が必要ではないのから4分の3はもらいたい」と考える可能性もあるでしょう。

こうなると、両者が望む相続分が足しても1とならないため、どこかで折り合いをつける必要があります。

相続する遺産の種類でもめる

また、相続する遺産に複数の種類がある場合、「どれを誰が相続するか」という点についてなかなか決まらないケースがあります。

「私は預金(現金)がほしい」「遠くに住んでいるから自宅(不動産)はいらない」といったように、財産ごとにニーズに差が出てくるので、話がまとまりにくくなります。

とくに、不動産は遺産争いの種になることが多いです。

たとえば、遺産の内訳が500万円の預金と、5000万円の価値のある自宅の土地家屋だとしましょう。

このとき、同居する長男が「自宅は自分が引き継ぐから、お前は預金を相続して」と主張したら、長女が不公平を感じるのは当然です。

のちほど説明する「配偶者居住権」や「代償分割」「換価分割」などを使えば、このような問題を解決できる可能性はあります。

しかし、不動産があると、単純に預金だけを遺産分割するよりも複雑になるのは間違いありません。

形のある「モノ」を分けるわけですから、どうしても偏りが生じて、もめごとの原因になるのです。

日頃のコミュニケーション不足が遺産争いを招く

遺産分割でもめるケースに共通するのが、日頃のコミュニケーション不足です。

とくに実家の近くに住む親族と遠くに住む親族とでは、普段ほとんど会ったり話したりすることがなく、自然と相続に対する意見が違ってきます。

生前に親の介護、相続後に実家の片づけをするなどの負担を担った人は「多く相続をしたい」という感情が起きるのが普通です。

しかし、遠くに住む親族にとっては「実家暮らしで家賃がかからないのだから、親の世話をして当然」と考えるかもしれません。

それぞれの立場で考えると理屈が通っても、遺産分割の際に衝突することがあるのです。

家庭環境が複雑だともめる

また、被相続人である両親に離婚や再婚の経験があると、遺産争いはさらに激しくなる可能性があります。

たとえば、父親が再婚をして、腹違いの兄弟姉妹がいたとします。

被相続人の生前は、母親の違う兄弟姉妹同士が関わることはなかったでしょう。

ところが、相続が発生すれば「被相続人の子」という意味で、腹違いの兄弟姉妹が同じ立場の相続人になります。

遺産分割協議は必ず相続人全員で行う必要があるため、それまで一切会ったことのない人と話し合いを進めるしかありません。

場合によっては、被相続人と本妻の間にできた子と、被相続人が認知をした愛人の子が、遺産分割協議を行う事態もあり得ます。

相続が開始するまでは表立っていなかった感情が、遺産分割を機に噴出し、激しい対立を生むこともあるでしょう。

このように、遺産分割協議は経済的な面だけでなく、感情も絡む問題であることを認識しておくことが大切です。

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