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最終更新日:2022/12/13

遺産分割でもめるケース|問題の長期化を避けるべき理由とは?-もめない遺産分割Vol2

弁護士 福西信文

この記事の執筆者 弁護士 福西信文

東京弁護士会所属。
相続手続等の業務に従事。相続はたくさんの書類の作成が必要になります。
お客様のお話を聞き、それを法律に謀った則った形式の文書におとしこんで、面倒な相続の書類を代行させていただきます。

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遺産分割でもめるケース問題の長期化を避けるべき理由とは?-もめない遺産分割Vol2

遺産分割でもめると、相続は骨肉の争いに発展する

遺産分割協議は、ただでさえ精神的な負担が重いものです。

被相続人を亡くした悲しみが癒えぬなか、財産などを整理し、それぞれ価値観の違う相続人同士で分割の話し合いをするわけですから、一筋縄ではいきません。

相続発生で家族の心情は変わる

相続が発生するまではとても仲の良かった家族でも、いざ遺産分割協議が始まると、さまざまな感情が起きるのは普通のことです。

過去の被相続人との関係も影響し、「私はもっと財産をもらうべきだ」「あいつは親不孝だったから、財産を渡したくない」といった気持ちになることもあるでしょう。

とくに、遺産分割協議を兄弟姉妹だけで行うと、もめやすくなります

親が存命のうちは、ある程度親主導で遺産分割を進められたとしても、両親がともに亡くなると、それぞれが「被相続人の子」という同じ立場になるため、トラブルになりやすいのです。

実際、非常に残念なことですが、相続をきっかけに兄弟や姉妹の縁を切ろうとするケースも少なくありません。

そして、このような遺産争いの状態が続けば、もめごとは次の世代に引き継がれ、問題はさらに深刻化します。

次の世代に引き継がれた問題は深刻化する

たとえば、最初は兄弟3人で遺産争いをしていたとしましょう。

その状態が長く続き、この3人が亡くなったら、相続権はそれぞれの配偶者や子に引き継がれます

そして、親の世代でまとまらなかった遺産分割協議が行われることになります。

しかし、前回の遺産分割協議で親族同士の関係が悪く疎遠になっているわけですから、世代が変わったからといって、遺産分割協議がまとまるものではありません。

子どもの頃から「兄さんはずるい」「弟はうそをついている」といった言葉を聞いて育っているわけですから、その遺恨は世代を超えて残り続けるものです。

結果的に、同じ状況がさらに続き、ねずみ算式に相続人の数が増えていきます。

こうなると合意形成がまます難しくなり、不動産の共有持分もどんどん細かくなるので、売却などはほぼ不可能となるでしょう。

このように、遺産分割は今生きている相続人だけでなく、子孫にも関係してきます。

親世代の相続争いが、子世代で解消されることを期待するのは甘い考えです。

将来に遺恨を残さないための最善の方法は、いま相続に直面している当事者が、円滑に遺産分割をまとめることなのです。

▼もめない遺産分割の進め方 シリーズ

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