起業して経営者になることの魅力と厳しさ
経営者に憧れている人は多いですが、その魅力だけでなく厳しさをご存知でしょうか。
経営者になるまでは、その魅力ばかりに目が行く人が多いと思われます。
厳しさも知っておかないと困難な状況に陥ったときに乗り越えることが難しくなります。
今回は、経営者になることの魅力に加えて厳しさもご紹介します。
経営者になることの魅力
1.報酬の多さ
経営者は社内の誰よりも高い報酬を手にできます。
経営者の平均収入は3,100万円(2006年 産労総合研究所調べ)ですが、
一般労働者の平均は400万円(2008年 厚生労働省、総務省のデータなどより推測)となっています。
なお、東洋経済の『役員四季報2013年版』によると、上場会社の報酬ランキング1位はソフトバンクの孫正義社長(当時55歳)、
2位はファーストリテイリング(ユニクロ)の柳井正会長兼社長(63歳)、
3位はセガサミーホールディングスの里見治会長兼社長(71歳)で、
それぞれ順に約94億円、約52億円、約24億円の報酬を得ています。
2.強くて、多い権限
経営者は、対内に対して会社の業務の全て執行し決定する権限を有しています。
一方、部長や課長もある範囲の権限はありますが、あくまでもそれは経営者から委譲されたものです。
一般社員に至っては命令を受けるのみです。
3.高いステータス・名誉
経営者の肩書は、たとえ小さい企業であっても一国一城のトップであり、社会的に高い評価を得ることができます。
4.大きなやりがい
経営者は、一般的には他人から命令を受けることなく業務を遂行でき、
その結果は、全て自身に反映されるので大きなやりがいが生じます。
しかし、社員は、命令を受けて任された範囲の業務しか遂行できず、
成果を上げても、その成果の全てが自身の給与などに反映されないので、大きなやりがいを持つことができません。
経営者であることの厳しさ
1.孤独感
経営者は、一人では結論をだすことが困難な状況であっても、最終的には一人で責任を負い最終判断を下さねばなりません。
経営が順調であれば、まだ孤独感は強く感じませんが、経営が厳しいと、毎日孤独な決断を迫られます。
経営者以外の経営幹部などは、まだ逃げ場があるために、
彼らに相談しても同じ土俵で苦しみを分かつことができないので孤独からは逃れることができません。
2.ゴールまでの遠さ
マラソンでもゴールがあるから頑張れると言います。
しかし、経営者は、事業を永続させることが使命のため、自身の引退まで終わりなきゴールを目指さねばならない苦しさがあります。
また、通常業務でも、一般社員と比べると、成果がでるのが四半期単位あるいは年単位のため、
毎日の成果に対する喜びを感じることができない辛さがあります。
3.重い責任
経営者は、最終決断を下し、その決断に対する全責任を負わなければなりません。
世間を騒がせている食の偽装問題も、仮に経営者が本当に知らないところで行われていたとしても、
経営者が自ら責任をとって辞任などをしなければ、社会的に糾弾されて、会社自体の存続が危うくなります。
そのほかの問題でも、社員が起こした問題が大きければ経営者の責任となります。
4.批判にさらされる
経営者は、給与、勤務体制、仕事の進め方、労働時間、職制、および福利厚生などの全てに対して
一般社員からの批判にさらされます。
たとえ、経営者には直接言わない社員がいても、それは逆に、不満をつのらせることになり、経営にとってマイナスとなります。
そのため、経営者は積極的に批判の声を聴く必要があります。
しかし、経営に真面目な経営者ほど批判と経営の狭間で苦しむことになります。
まとめ
経営者になることの魅力と厳しさが理解いただけたでしょうか。
起業して、経営者になることは魅力的ですが、その一方で厳しさも負い込むことになります。
経営者は、責任が重く、不確定要素が多くても判断を下さなければなりません。
その厳しさを乗り越えた先に、成功が待っていることでしょう。
参考
Is Management For Me?
http://management.about.com/cs/yourself/a/ManagementForMe.htm
Is Management For Me?: The Downside of Being a Manager
http://management.about.com/cs/yourself/a/ManagementForMe_2.htm
トップの報酬総額、1位は孫社長の93億円 上場会社 最も稼いだ経営者ランキング
http://toyokeizai.net/articles/-/12679
