社労士事務所の未経験者可の求人の探し方【求められる人物像や志望動機の書き方も解説】
2021年10月29日
1章.社労士業界の就職・転職1-1.就職活動ノウハウこの記事でわかること
- 未経験でも社労士事務所の選考を通過することができるのかがわかる
- 未経験でも就職・転職できる社労士事務所の求人の探し方がわかる
- 未経験の応募者が社労士事務所の選考で有利になるためのスキル・人物像がわかる
数ある法律系の資格業の中でも、人気の社労士業。
実務経験を積むにあたって、まず候補に挙がるのが社労士事務所ですが、専門職であり、未経験では選考上不利になるのではと、不安に思う方が多いのが実情です。
そこで、今回は、未経験でも十分選考を受けられる社労士事務所の求人の探し方と、選考過程で着目されやすい、スキル・人物像についても言及していきます。
未経験可の社労士事務所の求人もある
社労士に関連する人事労務分野(社会保険の手続き、給与計算等)での経験を有する人材は、求職者の人口の中でも、少数です。
このため、社労士事務所の選考では、こういった経験を有する人材は希少であり、選考過程で有利に扱われることが多いです。
では、未経験では社労士事務所の求人に応募しても、無駄なのか?というと決してそうではありません。
先述の通り、社労士事務所で活かせる経験を持っている人材自体、少数なので、経験者以外の応募があっても、積極的に選考しようとする、社労士事務所の採用担当者が多数です。
実際に、社労士事務所の求人には、「経験者、資格者歓迎」「未経験であっても丁寧に教えます」という趣旨の文言が並んでいるものが目立ちます。
経験者は優遇するものの、未経験であるからといって、それだけを理由に合否を決めることは無いということです。
経験者、資格者に限定して応募している社労士事務所も少なくありませんが、多くの場合、未経験であっても十分に間口が確保されています。
未経験者可の社労士事務所の求人の探し方
未経験でも十分に選考を受けられる可能性がある、社労士事務所の求人は、どうやって探すと効率的なのか?
項目を分けて、解説していきましょう。
ハローワークの求人がメイン
多くの社労士事務所が求人を出す際に、ハローワークを利用しています。
仕事柄、社労士事務所は、ハローワークとやり取りすることが多いため、ハローワークの求人を利用する発想が自然といえます。
また、小規模で運営している事務所が多い、社労士業においては、無料で掲載できるハローワークはありがたい存在であるといえるでしょう。
また、ハローワークの紹介で採用しなければ、申請できない助成金も存在します。
当然、助成金の専門家である社労士としては、助成金の取りこぼしを避けるため、助成金の対象になりそうな求人に関しては、あえて求人サイトへの掲載を避けているケースもあります。
求人情報にも未経験であっても、応募可能か記載されており、ハローワークの窓口からも、採用担当に直接連絡を取って、未経験でも問題ないか確認をしてくれるなど、対応が手厚いです。
未経験の社労士事務所の求人を探すうえでは、まずハローワークの求人が基本となるでしょう。
転職サイト、エージェントなど
近年テレビCMなどでもよく見かける転職サイトや、特定の専門職に特化して訴求している転職エージェントも、社労士事務所の求人を探すうえでは、手段の一つとなります。
システムの利便性においてハローワークと比較して一歩先を進んだものとなっているサイトも多く、ハローワークの求人には掲載されていない高待遇の案件も見受けられます。
こういったサイトを利用して、未経験でも応募可能な社労士事務所の求人を探す場合は、「社労士」「社会保険労務士」と検索した上で、未経験歓迎の求人を探すことになるのです。
ただし、傾向的に、都会の求人の方が多く、地方の社労士事務所の求人となると、ハローワークよりも案件数はやや少なくなるケースが多いです。
また、高待遇の求人は、経験者や資格者に限定されていることが多いため、こういったサイトを利用する場合は、ある程度アピールできる経験があった方が好ましいでしょう。
経験といっても、社労士事務所での経験だけではなく、一般企業の総務部などの人事労務に携わる部署での勤務経験は、社労士事務所の選考でも十分注目される経験となります。
求人媒体を利用しないという手も
皆さんが想像しているよりも、社労士事務所の数は多く、その中には、求人は出していないものの、良い人材がいれば採用したいといった事務所が存在する可能性があります。
実際、都道府県ごとに設置されている社労士会の名簿は、インターネットからアクセス可能であり、事務所によっては、電話番号、ホームページのURLも記載されています。
かなり地道にはなりますが、この名簿を利用して、ホームページから求人情報を収集し、直接アポイントを取るという手法もあります。
もし、ハローワークや転職サイトに掲載されていない求人を見つけることができれば、競合する応募者が少ない、もしくは存在しないため、かなり有利に選考を進めることが可能です。
勇気のいる手法にはなりますが、その分、実行する人は少ないので、かなり有効といえます。
社労士事務所で働く未経験者に求められるスキル・人物像
次に、社労士事務所の求人に、未経験者が応募するにあたり、アピールすれば、有利に選考を進められるスキル・人物像について解説していきましょう。
総務経験者は優遇されやすい
総務での実務経験は、社労士事務所での業務とリンクする部分が多く、中には、社労士事務所の業務とほぼ相違ないほどの経験を積んでいる方がいらっしゃいます。
社労士事務所での勤務経験がなくとも、総務で多少なりとも、給与計算や社会保険の手続きに関わる業務の経験があれば、採用担当者の印象にかなり残りやすくなります。
向上心が高いと有利
社労士業務は、専門知識を扱う業種であり、他の士業と比較して、頻繁に法改正があるため、知識のアップデートを日々欠かさず行う必要があります。
また、社労士事務所として、顧客にサービスを提供するにあたり、社労士の分野だけでなく、税制度など、その周辺知識もある程度理解しておくと、「痒い所に手が届く」サービスを提供することができるため、顧客の信頼獲得につながります。
したがって、「勉強することが苦でない」向上心の高い人でなければ、社労士業務のステップアップは難しいため、勉強することを厭わない人材なのかを、採用担当者は、未経験者に特に求めていることが多いです。
パソコンスキルは必須
社労士事務所でも、近年ペーパーレス化が進んでおり、パソコンを用いない事務所はもはや珍しいくらいです。
このため、高いレベルでなくとも、ExcelやWordなどの一般的なソフトやメールシステムをある程度操作できるスキルは必要とされます。
社労士事務所でパソコンを使う場合、「業務ソフトを使うことが多いから、Excel等は不要では?」と考える方もいらっしゃいますが、実態は違います。
ビジネス文書を作成することも多く、助成金の申請フォーマットもExcelやWordが使用されていることも珍しくありませんので、業務ソフトを導入している社労士事務所でも、やはりパソコンのスキルは必ずと言っていいほど問われると考えてください。
社労士事務所未経験者が就職・転職活動を成功させるコツ
以上のような、スキル・人物像を踏まえて、未経験でも社労士事務所への就職・転職を有利に進めるコツについて解説していきましょう。
志望動機を深堀する
なぜ、アナタが社労士業界を志望するのか?これを徹底的に深堀しましょう。
「なんとなくカッコいいと思ったから」という理由だけでは、採用担当者の印象に残りません。
「なんとなくカッコいいと思った」のには、必ず理由があるはずです。
もし、イメージが湧かなければ、大学生の就職活動用の書籍を購入して、実践してみましょう。
学生が読む書籍と思っても、なかなか侮れません。
社会人になって、改めて読んで、実践してみると、学生時代には思いもしなかった切り口で自分を見つめなおすことができたという声が意外とあるのです。
こうして、「なぜ社労士業務に携わりたいのか?」この理由を突き詰めていけば、自ずと自分にマッチした社労士事務所の特徴もわかってきますので、企業研究にも応用することが可能です。
選考書類は丁寧に作成する
社労士業務は、書類を扱う仕事のため、書類を雑に扱うことが垣間見える人材は、採用されないと考えた方がいいでしょう。
中身はもちろんのことですが、書類の「見栄え」についても一般企業とは、また違った切り口でチェックしていることが考えられます。
履歴書の誤字脱字は、もちろん、Wordで作成した書類は、体裁上バランスがおかしくないか?
キレイに折って、封筒(茶封筒もNGです)に入れるなど、細心の注意を払いましょう。
これも、就活生が読む書籍の内容が大いに参考になるはずです。
社労士事務所未経験者の志望動機の書き方
当然、どの企業でも問われる志望動機ですが、「社労士業界」を志望する理由は、しっかり用意しているものの、「なぜ、その事務所で働きたいのか?」ここが曖昧な場合が見受けられます。
とはいっても、ホームページに載っている情報は、どこの事務所も似たようなことを謳っていますので、事務所の違いなんてよく分からないというのも無理はありません。
先述の通り、「なぜ社労士事務所を志望するのか?」しっかりとその理由を深堀した上で、どういった事務所であれば自分にマッチしているのか理由付けしていく必要があります。
その中でも基準として挙げられるのは、
- 代表社労士のパーソナリティ(年齢、得意分野、所属している団体等)
- 事務所の規模(少数精鋭タイプなのか、大規模で経営している法人なのか)
この2点は、応募する事務所の差別として、参考にすべき指標といえます。
深堀した志望動機を軸に、以上のような指標を組み合わせて、なぜその事務所で働きたいのか、その理由を明確にすれば、採用担当者の印象に残る志望動機を書くことができるでしょう。
まとめ
今回は、未経験者でも、社労士事務所の採用を勝ち取るために、求人の探し方や、選考過程で重視されやすい、スキルや人物像について解説しました。
今回の内容を参考に、アナタなりの強みを発見し、社労士事務所の選考に勝ち残れるよう志望動機などを作りこんでいきましょう。