社労士事務所の求人・採用動向まとめ【求められるスキル・人物像や転職を成功させるコツも解説】

2021年5月21日

1章.社労士業界の就職・転職1-1.就職活動ノウハウ

この記事でわかること

  • 社労士事務所の求人・採用動向がわかる
  • 社労士事務所勤務に求められるスキル・人物像がわかる
  • 社労士事務所に転職するコツがわかる

働き方が多様化する今、労務のスペシャリストである社労士は人気が高まっている職業です。
社労士として経験を積むには社労士事務所に就職することが一番の近道。
社労士事務所への就職・転職を考えている方にとって、社労士事務所の求人や採用動向は気になりますよね。

社労士事務所の求人は一般企業よりも少ないので競争率は高いです。
社労士事務所の採用が増える時期や求められるスキル・人物像をしっかり把握して転職を成功させましょう。

社労士事務所の求人・採用動向まとめ【求められるスキル・人物像や転職を成功させるコツも解説】

社労士事務所の求人・採用動向

社労士事務所の求人は一般企業より少ないです。
社労士事務所は少人数で運営していることが多く、一度に大量の人材を採用することはほとんどありません。
社労士事務所で欠員が出た場合や事業拡大により増員する場合に新規採用のチャンスがあります。
社労士事務所自体の数が少ない地域もあるので、勤務地の候補はあまり絞り込みすぎないほうが良いです。
近隣の市区町村まで範囲を広げて、採用情報を見逃さないように心がけましょう。
令和2年の社労士試験合格者は2,237人。
全員が社労士事務所への就職を志すわけではありませんが、毎年社労士事務所の就職を目指すライバルは増えていきます。
将来的には独立を考えている場合でも、まずは社労士事務所で経験を積もうと考える人は多いです。
社労士事務所で働きたい人に対して社労士事務所の求人は少なく、競争率は高いと言えます。

参照元:厚生労働省

社労士経験がない場合の採用動向は?

社労士経験がない場合でも積極的に採用している社労士事務所は、将来的に事務所を支える人材を採用したいという目的があります。
そのため、20代~30代の年齢層が採用されやすいです。
ポテンシャル採用の求人は、年齢層が合っていれば積極的に応募してみましょう。
社労士試験の合格者は定年退職者など年齢層が高い方も多いので、競争率が高い求人でも求人を出した目的とマッチしていれば採用される確率は上がります。

社労士経験がある場合の採用動向は?

社労士事務所での就労経験や企業で人事労務の経験がある人は、即戦力として採用されます。
繁忙期で手が足りないという理由で求人を出している事務所では、経験者のほうが採用されやすいでしょう。
自分の経験と何ができるのかを明確にアピールすることが採用への近道です。

社労士事務所の今後の求人・採用は増える?

最近ではテレワークの普及など新しい働き方への需要が高まってきました。
それに伴い、既存の就業規則や人事制度では就業の実態に合わない部分が浮き彫りになっています。
現状では社労士事務所の求人は少ないですが、これから社労士のニーズが増えるにつれて社労士事務所の求人も増えるでしょう。

社労士事務所の採用が増える時期は4月頃

社労士事務所の採用が増える時期は4月頃です。
4月は労働保険年度更新や新たに入社する社員に関わる手続きが発生し、社労士事務所の繁忙期にあたります。
さらに、顧客となる企業は4月が期初の場合が多く、就業規則の改定や人事制度改革の話題が上がりやすいです。
社労士事務所に相談やコンサルティングの依頼が来ることになるので、社労士事務所では新たな戦力を募集しようという機運が高まります。
4月は社労士事務所の採用が増える時期ですので、2月頃からは特に注意して求人情報にアンテナを張っておきましょう。
1つの事務所で募集される人数は1名から多くても3名程度です。
条件に合う求人を見つけたら積極的に応募しましょう。
4月に次いで採用が増えるのは7月頃です。
7月は社会保険の算定基礎届があります。
4月ほど求人を出す社労士事務所は多くありませんが、求人が増えるチャンスですので情報収集しておきましょう。

社労士事務所勤務に求められるスキル・人物像

社労士事務所勤務に求められるスキル・人物像をまとめました。

求められるスキル1:社労士資格

社労士事務所に勤務するためには、当然ながら社労士資格があると有利です。
そもそも社労士資格の取得を必須条件としている事務所もあります。
社労士試験の勉強中でも可としている事務所もありますが、同じ求人に資格保有者と勉強中の候補者が応募した場合を比べると、資格保有者が圧倒的に有利です。
社労士事務所の求人は競争率が高いので、社労士資格を取得せずに採用されるのは難しいでしょう。

求められるスキル2:普通自動車免許

社労士事務所で勤務するには普通自動車免許を求められることがあります。
社労士事務所の顧客先を回るために、社用車を運転する必要があるからです。
首都圏や大都市など交通網が発達している地域の社労士事務所では必要ないかもしれません。
しかし、地方の社労士事務所では顧客が点在しており、申請書類の届け先である労働基準監督署やハローワークのアクセスが悪いこともあります。
事務所によっては、効率よく顧客訪問や書類の申請をするために普通自動車免許が採用条件になっています。
ちなみに、オートマ車でも良い事務所が多いです。

求められる人物像1:作業を正確に丁寧にできる人

社労士事務所で働くには、作業の正確さと丁寧さが必要です。
社労士の仕事には様々な書類作成があります。
記入間違いや記入漏れがあると仕事が遅くなるだけでなく、顧客企業にも書類の再作成などで迷惑をかけてしまうかもしれません。
届け出先から書類の不備で顧客に問い合わせが来てしまったら、社労士事務所として信用が失われてしまいます。
正確に書類を作成でき、間違いがないか自分で何度も確認して作業品質にこだわれる人が向いています。

求められる人物像2:スケジュール管理ができる人

確実に申請書類の提出期限を守れるようにきっちりスケジュール管理ができる能力も必要です。
たとえばたとえば、助成金の申請では提出期限を超過すると助成金が支払われないこともあり、顧客に損害を与えてしまいます。
たくさんの顧客先を担当する場合は、申請書類の期限やアポイントなどを忘れずに管理しなければなりません。
期限を守ることは信頼される社労士にとって必須です。

求められる人物像3:聴き上手な人

社労士はお客様の要望をくみ取る仕事です。
社労士は顧客先企業のコンサルティングも行います。就業規則や人事制度は、どのような企業にしたいかという顧客の企業理念が表れるところです。
顧客の価値観や希望をしっかりとヒアリングして言語化することで、労務の専門家として顧客から信頼が得られます。
社労士事務所では、自己主張が強くて話上手な人より相手の話を正確に受け止めて理解できる人が好まれるのです。

社労士事務所への転職成功のコツ

社労士事務所へ転職を成功させるコツは3つあります。

転職成功のコツ1:求める人物像を把握する

まず、求人情報から求める人物像を把握しましょう。
ひと口に社労士事務所といっても、得意としている分野に違いがあります。
申請書類の代行がメインの事務所もあれば、助成金の申請を得意としている事務所、コンサルティングに力を入れている事務所などさまざまです。
書類作成が中心ならば作業の正確さは譲れないでしょう。
コンサルティング業務が中心ならば、コミュニケーション能力や論理的思考力が重視されます。
求人情報に記載された情報はもちろん、ホームページで社労士事務所の理念も確認しておきましょう。
求める人物像を把握する目的に加えて、事務所の風土や価値観が自分に合うかどうかを知ることもできます。
社労士事務所への転職を成功させるためには、応募先の求める人物像を把握してから自分のアピール内容を考えましょう。

転職成功のコツ2:求める人物像に沿って自己アピール

求める人物像に沿って自己アピールを考えましょう。
何がアピールポイントになり得るかは、応募先の事務所がどのような人材を採用したいかによって変わります。
自分の経験や経歴の中で求める人物像に合う事柄を選ぶことが重要です。
たとえば、コンサルティング業務なら提案営業の経験は強力なアピールポイントになります。
もし社会人経験が浅いために自分の経歴の中でアピールポイントが見つからない場合は、自分の性格から社労士の適性を探します。
社労士が担当する分野は頻繁に法改正が行われるため、最新の情報に敏感である点や向上心を持っているという点はどの事務所でも歓迎されるでしょう。

転職成功のコツ3:こまめに情報収集

社労士事務所の求人は競争率が高く、応募を開始してもすぐに締め切ってしまいます。
求人はいつ掲載されるかわかりません。
したがって、こまめに情報収集をするのが転職成功のコツです。
事務所で働くメンバーに欠員が出たタイミングで募集をすることが多いので、ハローワークだけでなくインターネットの求人など幅広く確認しましょう。
社労士事務所のホームページに求人情報が掲載されることもあります。
意中の事務所のホームページは定期的に確認するか、電話で問い合わせて採用の予定があるか尋ねるのも一つの手です。

社労士事務所以外で社労士資格・経験がいかせる職場

社労士事務所以外で社労士資格や経験が活かせる職場は、他の士業事務所か一般企業の人事労務です。

他の士業事務所

企業の顧問となるような士業の事務所では社労士の経験が活かせます。

社労士資格や経験が活かせる事務所の例
・会計事務所
・税理士事務所
・行政書士事務所

顧客先企業の立場で考えれば、経理や法務、労務まで全て1つの事務所で相談できるほうが効率的です。
最近では異なる士業の有資格者を集めて、企業にワンストップでコンサルティングを行う事務所も増えています。

一般企業の人事労務

一般企業の会社員として、人事労務課で働くという選択肢もあります。
社労士資格を持ちながら企業で働く社労士は勤務社労士と呼ばれます。
社労士資格だけでなく実務経験もあれば、大企業の人事労務責任者として転職する可能性もあるでしょう。

まとめ

社労士事務所の求人は少ないので、幅広く情報収集をして応募のタイミングを逃さないようにしましょう。
社労士業務の経験者は即戦力として採用されやすいですが、社労士業務が未経験の場合でも年齢層によってはポテンシャル採用のチャンスがあります。
社労士事務所の採用が増えるのは繁忙期の4月、次いで7月頃です。
社労士資格と普通自動車免許が求められることが多く、正確にスケジュール通りに作業を進められる人が合っています。
さらに、コンサルティング業務が中心の社労士事務所ではヒアリング能力も欠かせません。
まずは応募する社労士事務所の求める人物像を把握して、自分のアピールポイントを考えましょう。
テレワークやワークライフバランスなど、働き方が多様化している現在、社労士のニーズは高まるばかりです。
社労士としてキャリアを積みたい人は、社労士事務所の求人に応募してみましょう。