社労士事務所で働くパート・アルバイトの仕事内容【求められるスキルや求人の探し方も解説】
2021年5月27日
3章.社労士の仕事内容3-1.社労士事務所の仕事内容この記事でわかること
- 社労士事務所のパート・アルバイトの仕事内容がわかる
- 社労士事務所のパート・アルバイトに求められるスキルがわかる
- 社労士事務所のパート・アルバイトの求人の探し方がわかる
社労士事務所で働きたいのだけれども、家事育児の都合上、正職員で勤務することが難しいという事情を持つ方々で、パート・アルバイトでの勤務を希望される方は、非常に多いです。
今回は、社労士事務所でパート・アルバイトとして求人を探す、そして働く上での予備知識としての情報をお届けしていきましょう。
社労士事務所で働くパート・アルバイトの仕事内容
基本的には、社労士事務所の正規職員のサポートとなりますが、業務の範囲は多岐に渡り、専門性もやはり高いものばかりです。
どういった業務があるのか、項目を分けて解説していきましょう。
1・2号業務
社労士の独占業務である、1・2号業務は、労働行政(労働基準監督署、ハローワーク等)や年金事務所に提出する書類、雇用主として整備しておかなければならない帳簿類(賃金台帳・労働者名簿、出勤簿)や就業規則の作成・提出を代行する業務です。
この1・2号業務は、社労士資格を持っているもの以外が、業務として行ってはならないと定められています。
社労士事務所で、パート・アルバイトとして働くにあたっては、資格者の指示の下、1・2号業務に携わることとなります。
「資格自体持っていないとパートでもNGなのでは?」と心配される方もいますが、事務所の代表者が社労士資格を有していれば問題はありません。
実際の業務の中身としては、行政指定の様式へ記入または、業務ソフトを用いた入力、行政への申請など、思いの外、地味でコツコツした作業となります。
しかしながら、軽微な入力ミスでも、大きな問題に発展する場合もあり、社労士事務所の看板を背負って業務にあたる以上、軽い気持ちでできる業務では決してありません。
3号業務
社労士の3号業務は、労務相談への対応で、この3号業務は、社労士の独占業務ではありませんので、業務として無資格者が行っても違反とはなりません。
補助的な立場である、パートやアルバイトであっても、電話応対などで3号業務に該当する案件の対応をすることはあります。
もちろん、かなり込み入った内容や、専門的知識がかなり求められる案件であれば、資格者が対応することになります。
しかし、労務管理分野の基本的な知識や経験を有していれば対応可能な簡易な案件であれば、パート・アルバイトで対応することを求める社労士事務所は多いです。
事務所に入りたての、右も左も分からない時期であれば、そういった対応を求められることはありませんが、慣れてくるにしたがって軽微な3号業務の対応も増えてくると考えておいてください。
給与計算業務
社労士の1~3号業務には該当しませんが、給与計算業務を代行している社労士事務所は多く、パート・アルバイトの方々も入力作業などで関わることが多くなります。
給与計算は、納期がタイトなこともあり、ミスが数字となって明確に表れるため、場合によっては、顧客からの信頼を一気に失うこともあるプレッシャーの大きい業務です。
今は多くの社労士事務所でも給与計算用の専用ソフトを導入しているため、細かい計算はシステムが自動で行ってくれますが、設定等を誤ると、普段ではあり得ないようなミスを誘発することもあるので、気を引き締めないといけない業務です。
社労士事務所のパート・アルバイトに求められるスキル・人物像
社労士事務所で働くパート・アルバイトは、どういったスキルを持っていると歓迎されるのでしょうか。
項目を分けて解説していきましょう。
コツコツと作業できる人
社労士事務所の業務は、地味な入力や記入作業が大半です。補助的な立場であるパート・アルバイトであれば、その傾向は顕著と言えます。
そして、顧客にとってはかなりデリケートな情報を扱い、ミスも許されないため、そういった緊張感の中、コツコツと地道に作業できる人でないと、勤務し続けることは難しいです。
一方で、そういった地味な作業でも、ひたすら効率的にするための工夫を惜しまず継続できる性格の人は、社労士事務所では非常に重宝されます。
こういった性格は、女性の方に多く、社労士事務所で活躍する女性が他の業種と比較して多いことにも関係しています。
責任感のある人
社労士事務所に対する顧客の期待は大きく、それは、責任の重さにも比例します。パート・アルバイトであっても、求められる責任感の重さは同じです。
「この人に事務所の看板を背負わせて、顧客の前に出しても大丈夫か」
代表の社労士は、思いの外シビアに見ています。
自分の関わった業務には最後まで責任を持つ、という姿勢で業務に臨む人であれば、安心して顧客の大事な情報を託すことができ、代表社労士も、高度な業務や顧客との折衝に全力で打ち込むことができます。
コミュニケーション能力のある人
ミスが許されない環境の中、複数のスタッフ同士連携して業務を進めるため、意思疎通が緻密なほど業務の正確さ、質の両面で高いレベルを維持できます。
また、顧客とのやり取りでも同様で、必要な連絡を適宜してくれる社労士事務所だからこそ、顧客も安心して、背中を預けることができます。
意思疎通を積極的に図る姿勢のある、コミュニケーション能力の高い人材は、社労士事務所においては重宝される存在です。
社労士事務所のパート・アルバイト求人の探し方
社労士事務所の求人は、数が少ないため、効率よく探すためには、以下の情報がきっと役立つはずです。
ハローワークの求人が基本
多くの社労士事務所がパート・アルバイトの求人を出す際に、ハローワークを利用します。
ハローワークの利用は無料であり、社労士業務では、顧客の代わりに求人手続きをハローワークで行うこともあるので、必然と候補に挙がります。
また、ハローワークの求人でないと利用できない助成金も存在しますので、助成金の専門家でもある社労士であれば、やはり、ハローワークを利用することになります。
近年では、転職エージェントなどの求人媒体でも社労士事務所の求人を多く扱っています。
しかし転職エージェントでの求人は、傾向的に資格者や経験者寄りの案件が多いので、パート・アルバイトの求人を探すのであれば、やはり、ハローワークが基本と言えるでしょう。
社労士事務所のホームページ求人
通年で、優れた人材を探している社労士事務所であれば、事務所のホームページでパート・アルバイトの求人を掲載していることも珍しくありません。
ハローワークの求人は、一定期間ごとに更新という手間があり、常に求人をしている社労士事務所では、急募の時だけハローワークを利用するというスタンスを採っている場合もあります。
少し地道な作業になるかもしれませんが、1件ずつホームページの求人情報からアポイントを取ってみるのもお勧めです。
ハローワークや求人サイトには載っていない案件が見つかるかもしれません。
社労士事務所のパート・アルバイトに関するよくある質問
働く時間は自由に選べるのか?
パート・アルバイトの求人の応募するのは、主婦の方が多く、家事育児との兼ね合いや、扶養の範囲で働きたいという要望もあることでしょう。
基本的には、この辺りの事情を鑑みてくれる社労士事務所がほとんどですが、あまりに短時間の希望であれば採用を見送ることも多いので、注意が必要です。
パート・アルバイトの経験は実務経験になるのか?
社労士資格者が登録するにあたり、2年の実務経験または、事務指定講習を受けていることが条件となりますが、社労士事務所でのパート・アルバイトの経験は、この実務経験としてカウントされることがほとんどです。
ちなみに、代表社労士の証明書がこの場合必要となります。
社労士事務所での勤務といっても、実態はただの一般事務だったという場合は別ですが、代表社労士も証明の書類を用意してくれることがほとんどです。
パソコンは使えないと厳しいのか?
書類作業がメインであった社労士業も、近年では、パソコンで業務を行う事務所が多数派となりました。
業務の効率化のため、専用の業務ソフトを導入している事務所も多く、やはりパソコンスキルは社労士事務所で働く上では、もはや必須と考えておいた方が良いでしょう。
まとめ
今回は、社労士事務所のパート・アルバイトというテーマで解説しました。
パート・アルバイトとはいえ、社労士事務所の中核を担う責任の重い業務であり、それ故に、やりがいもまた大きなものと言えます。
業務経験を重ねていくうちに、「~~さんだから安心してやり取りできて、助かります」といった顧客や同僚からの信頼の声は、何よりも励みになるものです。
縁の下の力持ち的な立ち位置だからこそ、味わえる達成感だとも言えます。
専門色ならではのとっつきにくさも、社労士事務所にはつきものですが、採用のハードルは案外高くないことも多いので、アナタの強みを存分にアピールして、社労士事務所の選考を有利に進めましょう。