社労士事務所の面接でよく聞かれる質問・回答例まとめ【答えにくい質問への対処法も解説】
2021年3月6日
1章.社労士業界の就職・転職1-1.就職活動ノウハウこの記事でわかること
- 社労士事務所ならではのよくある質問と回答例がわかる
- 回答に困ってしまう質問への対処がわかる
- 社労士事務所の面接において心がけておくべきことがわかる
社労士事務所の面接で、どういった質問が飛んでくるのか?不安に思われる方は多いです。
しかし、社労士業という業態の性質上、求めている人物像はある程度共通するので、自ずと採用担当が質問する内容もまた共通するものがあります。
今回は、社労士事務所の面接でどういった質問がよくあるのかを回答例も踏まえて解説していきましょう。
社労士事務所の面接でよく聞かれる質問・回答例
それでは、面接でよく聞かれる、社労士事務所ならではの質問と回答例を、項目に分けて解説していきましょう。
社労士事務所を志望した理由はなんですか?
どの業界の採用面接でも、その業種を志望した理由は必ず問われると言ってよいでしょう。
社労士業界であっても、これは例外ではなく、自分なりの答えを用意しておく必要があります。
志望者の事情によって、その理由も様々ですが、単純に「資格を取ったから…」「カッコよさそうと思ったから」ではいけません。
資格者あるいは資格を取るべく勉強中の人であっても、社労士資格をなぜ取ろうと思ったのか?
なぜ、社労士という仕事のどこに魅力を感じるのか?
こういったところまで深堀した答えを用意しなければなりません。
回答例
人事労務という、企業においては非常にデリケートな領域に踏み込んで、経営者をサポートする仕事にやりがいを感じて志望しました。
前職では総務部に所属しており、人事労務の分野で経営陣が頭を抱えていた場面が多くその対応の為に時間を割かれているのを見てきました。
同じような課題を抱えている企業は多く、社労士はこれからますます求められる存在になると思います。
多くの経営者の役に立てる存在になりたいと思い、社労士事務所を志望しました。
この事務所を志望した理由はなんですか?
複数ある社労士事務所の中で、なぜウチの事務所を選んだのか。
これもよく聞かれる質問です。
この場面で、その社労士事務所ではないといけない理由を強調できれば、かなり好印象です。
なぜなら社労士という一般的ではない業種の中で、個々の社労士事務所の違いというのは、なかなか見極めることとは難しいのです。
やはり、社労士事務所ごとの企業研究が必須となりますが、切り口としては職員の人数、扱い業務の内容、代表社労士のパーソナリティが挙げられます。
特に代表社労士のパーソナリティは、差別化においてはもっとも分かりやすい要素の一つです。
事務所のホームページなどから、その事務所独特の要素を拾っていきましょう。
回答例
代表社労士の先生は、この地域で10年以上開業歴がある先生の中で飛びぬけて年齢が若く、勢いのある方と印象を受けました。
一般的な社労士業務の他にも業務領域を拡大されており、他の事務所よりも多くの経験を積めると思い、御所を志望しました。
また、少数精鋭の体制で事務所運営に臨まれているということから、様々な業務を経験し、成長していけるということも魅力に感じております。
パソコンはどれくらい使えますか?
パソコンスキルは、どの社労士事務所での選考でも問われる項目と考えておいてください。
とは言っても、そこまで高いスキルを求められることはありません。
しかし、スキル自体は初級なのか中級程度なのかは、はっきりと答えられるように準備してください。
パソコン系の資格があれば、客観的にどの程度のスキルを有しているのかを示すことができるので、面接での質問も省略される可能性もあります。
回答例
前職で、毎日のようにパソコンを操作しておりましたので、初級から中級程度のレベルで扱うことは可能です。
前職では、OfficeのExcelとWordを日常的に使用しておりました。
社労士事務所の仕事において将来どういった展望がありますか?
社労士事務所において、どういったポジションを担いたいかを問うてくる採用担当も珍しくありません。
その社労士事務所が採用したい職種と、志望者のキャリアプランがマッチするかを確認したいというのが大きな目的の場合が多いです。
たとえば、事務補助の求人なのに、志望者が将来事務所の中核職員になりたいと表明すると、採用担当者は「ウチの事務所ではない方が良いのでは?」という思考に至ります。
ここまで分かりやすい齟齬はあまりないでしょうが、その求人の内容に相応の展望でないと回答として不自然です。
ここでは、有資格者等の職員の求人と事務補助の職員の求人の場合に分けて、回答を例示します。
回答例 有資格者等の職員の求人
まずは、業務を一通り完遂できるようになって、既存の顧問先様から信頼される職員を目指します。
そして、将来的には新規顧問先の開拓などの営業も通じて、御所の規模拡大に貢献したいと考えております。
ゆくゆくは、他地域への進出の折は、新しい拠点の責任者も任せて頂けるよう経験を積んでいきたいと思っております。
回答例 事務補助の職員の求人
職員の皆さんが、安心して専門的な分野に専念できるよう、サポートに徹して事務所運営に貢献していきたいと考えております。
また、後進の事務補助のスタッフにも、事務所の看板を汚すことのないよう指導を徹底して御所の規模拡大につながるように努めていきたいです。
社労士事務所の面接で答えにくい質問が来たときの対処法
職責が重い社労士事務所独特の、回答に困る質問をする採用担当も珍しくありません。
中には、こういった質問をされる社労士事務所は避けた方が賢明であるとも言えます。
どういった質問に、どのように対処すべきか、項目を分けて解説していきましょう。
業務における責任は重いけど任せることはできますか?
社労士事務所の顧客は経営者であり、業務上やり取りするのは、経営者又は先方の総務担当です。
総務担当でも分からない専門的なことに対して、プロフェッショナルとして回答するのが社労士事務所の仕事であり、その回答には専門家としての責任を求められます。
間違った回答でも、顧客はそのまま信じ込んでしまい、相手がせっかちであれば間違った手続きを行ってしまったりと、下手をすれば損害を与えてしまうことさえあります。
また、職務上、顧客のデリケートな情報を扱うことから守秘義務についても言及されます。
こういった重責に耐えることができる人材かどうか、念押しされると思っておいた方がいいでしょう。
ただこういった質問は、顧客に損害を与えた場合にその人材に補償を約束させるまでの意図ではなく、あくまでもその職責の重さに見合う覚悟の有無を問われている場合がほとんどです。
社労士の仕事のやりがいに魅力を感じているのであれば、職責の重さは当然です。
この質問で、怯んだ態度を取らないように意識してください。
将来独立する意思はありますか?
社労士業は、独立開業のハードルが低い業種のため、実務経験を積むために社労士事務所を志望する人も多いです。
社労士事務所としては、将来的に定着してくれる人材なのか否かを選考段階でチェックしてきます。
当然、社労士事務所としては長期にわたって事務所に貢献してもらいたいと考えているはずなので、独立する意思がそれほどまで強くなければ、「今のところ独立は考えていません」とハッキリ表明しておくとよいでしょう。
プライベートな質問には要注意
社労士事務所の中には、「残業は当たり前」「有給休暇なんてとらせない」など前時代的な価値観が横行している事務所があります。
こういった分野を適正に扱う専門家が社労士のはずなのですが、こういった価値観を持っている事務所の採用面接では、必要以上にプライベートなことを質問してくる場合があります。
たとえば、
- 家族構成は?
- 支持されている政党は?
- 過去に大きな病気を患ったことは?
など、あまり業務に関係のないプライベートなものです。
現在の健康状態に聞かれるということはよくあることですが、過去の病歴までを詳細に聞いてくることは一般的とは言えません。
必要以上にプライベートな質問をする社労士事務所は往々にして、前時代的な、勤務するにはあまり好ましくない職場である可能性がありますので、十分に注意しましょう。
社労士事務所の面接対応で求められること
面接の場面において、採用担当は質問に対する回答の内容だけではなく「この人は、顧客の前に出しても事務所として恥ずかしくないか」という視点であなたという人物を見極めようとしています。
先述の通り、社労士事務所の顧客は経営者です。
自信のなさそうな態度を取る職員を見て、信頼を寄せる経営者はいないでしょう。
信頼しても大丈夫かどうか?
この判断に関しては、経営者はシビアなので面接の段階でハキハキと歯切れのよいやり取りができるかどうかを、必ず採用担当は見ています。
話の内容も重要ですが、こういった視点においても好印象を与えることを意識して面接に臨みましょう。
まとめ
今回は、社労士事務所の面接において、社労士事務所ならではのよくある質問について、回答例も踏まえて解説しました。
職責の重さに耐えられるかという視点に軸足を置いた質問が多いことがうかがえます。
今回の内容を参考に、選考を有利に展開できるように、万全の準備をして選考に臨みましょう。