社労士事務所の面接成功ポイント【失敗例や準備しておきたいものも紹介】
2021年5月31日
1章.社労士業界の就職・転職1-1.就職活動ノウハウこの記事でわかること
- 社労士事務所の面接において、どういったことがプラス材料なるかがわかる
- 社労士事務所ならではの、面接において準備しておいた方がいいものが分かる
- 面接において、よく訊かれる質問がわかる
専門性が高い社労士事務所の選考において、面接時に何を訊かれるのか不安に思われる方がほとんどです。
しかし、社労士事務所の業務内容、社労士の職責を考えれば、採用担当がどういったことを基準に、選考を進めているのかは自ずと見えてくるはずです。
今回は、選考を有利に進めるにあたって、押さえておきたいポイント等について解説していきましょう。
社労士事務所の面接成功ポイント
社労士事務所の顧客は、経営者であり、経営者にとってメリットをもたらしてこその社労士事務所であることを忘れてはなりません。
あなたがその社労士事務所の看板を背負わせるに足る人物か否かを、面接でのいくつかの要素から採用担当は判断します。
では、どのような要素から判断するのか?項目を分けて解説していきましょう。
意欲的であること
社労士の分野は、士業の中でも法改正が頻繁にあり、これに伴う制度のアップデートを踏まえて、顧客をサポートしていく必要があります。
このため、制度改正にアンテナを張りつつ、常に知識を取り入れる手間暇を惜しまない姿勢が社労士には求められます。
日々の業務をこなしつつ、勉学にも励むことは思いの外辛いものがあります。
時にはプライベートの時間を削ってでも、この時間を捻出しなければならない場面もあることでしょう。
こういった努力を惜しまず、顧客への手厚いサポートを通じて、事務所にも貢献できることをアピールできれば、採用担当の印象にも残りやすいでしょう。
経営者のメリットを優先して考えることができる
経営において、経営者と労働者は利害関係が対立することは往々にしてあります。
この時にコンプライアンスを踏まえた上で、調和のとれた結果、言わば「最適解」に導くことが社労士事務所の役割でもあります。
この「最適解」は、顧客の事情や時勢によっても異なり、画一的な答えがないことが多い為、「何が最良なのか」「誰にとって最良なのか」常に自問自答していないと、いつの間にか顧客視点が欠落した的外れな解答を導いてしまうことになります。
顧問料を月々払ってまで、社労士(あなた)を頼りにしているのは労働者でなく、経営者です。
もちろん、労働者目線も忘れてはいけませんが、結果的に経営者のメリットにつながる、あるいはデメリットを回避することに寄与することが、顧問報酬の対価であることを忘れてはいけません。
こういった顧客目線(顧客は誰であるのかも含めて)が適正であれば、事務所の看板を背負わせるに足る人材であると、採用担当からの高評価にもつながります。
言葉に詰まることなく話せれば評価は高い
その社労士事務所で採用されることになれば、職員として顧客とのやり取りを任されることとなりますが、やり取りをするのは先述の通り経営者です。
ある程度の規模であれば、先方の総務担当の事務員とやり取りをする場合もありますが、いずれにしても経営者に近い人物のはずです。
言葉に詰まるなどの自信がなさそうな態度をとれば「こんな職員がいる社労士事務所は大丈夫なのか?」と疑問符を付けられることになります。
一方で、ハキハキと応答し、分からないことがあればハッキリとその旨を伝える等、歯切れの良いコミュニケーションが取れる人材は、やり取りしている中で安心感があります。
多少答えづらい内容の質問でも、切り返しよく応答できる人は経営者の前に出しても安心できるので、選考においても有利となります。
社労士事務所の面接失敗例
次に社労士事務所の面接において、ありがちな失敗事例を紹介しましょう。
労働者視点が強い
「労働者の味方として社会に貢献したい」とアピールされる正義感の強い方がたまに見受けられます。
確かに労働関係の法律は労働者の保護を旨としており、その専門家である社労士もその旨を重視して業務にあたる必要があります。
しかし、社労士事務所の顧客は経営者であり、経営者を優先して物事を考えられない職員は当然のことながら、社労士事務所には歓迎されません。
先述の通り、あくまでコンプライアンスをクリアしつつ、経営者のメリットを保つことができるのはどういった経営方針なのかを常に念頭に置くことが重要です。
人道的な労働環境を担保するという倫理的な目線も重要ですが、顧問報酬を払ってまで自分たちを必要としているのが誰なのかを見失っていては、経営者のメリットに資することはできません。
そういった理由から、労働者への肩入れが特に強いことが予見できるような志望者は選考から外れることがほとんどです。
大事なのはバランス感覚です。
経営者も労働者もどちらも尊重できる視点をバランスよく備えていることが、社労士事務所には求められます。
職責が重いことを強調されて怯む
社労士事務所の業務は顧客にとってデリケートな部分を取り扱う為、些細なミスであっても顧客にとっては大問題となり、積み重ねた信頼が一瞬で崩れるだけでなく、損害賠償にも言及されるような事態も考えられます。
また、相手にするのは素人ではなく、百戦錬磨の経営者や労務管理にある程度の知識を有する総務担当者であり、彼らでも分からないことに関して専門家として答えるのが社労士事務所としての役割となります。
だからこそ、顧客は社労士事務所に全幅の信頼を寄せます。
裏返しに言えば、回答したその内容がたとえ間違っていたとしても、顧客はそれを鵜呑みにしてしまいます。
こういった職責の重さを採用担当から選考過程で念押しされることがほとんどですが、覚悟していたつもりであっても、いざ直接「賠償」というワードを耳にすると、プレッシャーを感じてしまうのが人情です。
「自分にはちょっと荷が重いかも…」といった雰囲気を出してしまうと、相当なイメージダウンにつながります。
むしろ、採用担当は職責の重さに言及することで、その志望者が社労士事務所の業務に追従できるか否か、ふるいにかけています。
社労士事務所での勤務を志望する以上は覚悟を決めて、正確な知識と毅然とした態度で臨みましょう。
社労士事務所の面接時に用意しておきたいもの
面接といえば、用意すべきものは概ねイメージできることでしょう。
ここでは、“社労士事務所での面接”という切り口で用意しておきたいものを解説していきましょう。
A4サイズの書類が余裕で入るビジネスバッグ
社労士事務所での仕事は、個人情報が記載された書類を扱う場面が多く、選考過程でも「この人はお客様から預かった書類を大事に扱える人か?」をかなり厳しくチェックされます。
面接の際に、選考書類にシワが入っていれば、印象ダウンです。
書類に無駄な折り目やシワなどのダメージが及ばないよう、A4サイズの書類を入れてもなおある程度の余裕のあるサイズのビジネスバッグを用意しておいた方がよいでしょう。
クリアファイルは必須!クリアケース併用なら尚良!
社労士事務所では、書類仕事が多いことからクリアファイルを非常によく使います。
書類を裸で扱うなど言語道断と認識している事務所も珍しくありません。
とにかく、書類を大事に扱うことが非常に重要な業種なのです。
従って、書類は必ずクリアファイル入れましょう。
できることならクリアファイルに入れた上で更に書類用のクリアケースに収納しておけば、「この人は相当書類を丁寧に扱う性格」と、採用担当に印象付けることができます。
書類用のクリアケースは、クリアファイル対応のタイプを選びましょう。
ここまでしておけば、採用担当から見ても「この人、分かっているね」と思わせることができます。
実際、クリアケースを多用している社労士事務所は多いのです。
マイ靴ベラはあった方がいい
意外なアイテムかと思われがちですが、案外軽視できないものが靴ベラです。
社労士事務所では、顧問先に出向くことが多くあります。
当然仕事中なので、革靴を履くことになるのですが、顧問先で靴を脱ぐ機会が案外多く、社労士事務所自体も上履きに履き替えるといったスタイルをとっている場合もあります。
大体の場合、靴ベラは用意されているのですが、たまに靴ベラを玄関に置いていない職場というのもあります。
この時、かかとで靴を踏んで強引に履いてしまう人もいますが、こういった作法はやはり不格好ですし、かかと部分に不自然にシワの入った革靴も、見栄えのいいものではありません。
たとえ靴ベラが用意されていても、マイ靴ベラを使いましょう。
カバンに忍ばせられるようなスチール製の小型のタイプがオススメです。
こういったアイテムを小出しにすれば、「客先に行ってもスマートな立ち居振舞いが期待できそう」と採用担当の印象に残ることでしょう。
流石に、マイ靴ベラはやりすぎている感はありますが、こういったことは他の面接関連の記事には書いていません。
そのため誰も実行しないので、強烈に採用担当の印象に残ることができます。
社労士事務所の面接でよくある質問
最後に、社労士事務所の面接で、おそらく聞かれる質問について触れておきましょう。
どれも採用担当が選考上で気になる内容であり、高い確率で質問されるはずです。
各質問に自分なりの回答を用意して面接に臨みましょう。
- なぜ社労士事務所を志望したのか?
- 数ある中で、この事務所を志望した理由は?
- 社労士業務を通じて、将来どのような展望を持っているのか?
- 将来、独立開業する意思はあるのか?
- パソコンスキルは、どれほどなのか?
- 職責が重く、時にハードワークになるが問題ないか?
- 覚えることが非常に多いが、勉強時間を捻出する覚悟はあるか?
まとめ
今回は、社労士事務所の面接を有利に進めていく上でのポイントについて解説しました。
- 社労士としての職責に応えられるか?
- 顧客の前に出しても事務所として恥ずかしくないか?
この2点を軸足に、採用担当は事務所にふさわしい人材かふるいにかけています。
今回の内容を参考に、面接の準備を抜かりなく進めていきましょう。