社労士事務所の業種は何に分類される?転職サイトで社労士事務所の求人を探す方法を解説

2021年5月24日

1章.社労士業界の就職・転職1-1.就職活動ノウハウ

この記事でわかること

  • 社会保険労務士事務所の業種がわかる
  • 転職サイトでの社会保険労務士事務所の求人の探し方がわかる
  • 転職に向いている社会保険労務士事務所の特徴がわかる

新型コロナウイルス感染症拡大の影響は、雇用や働き方にも大きな影響を及ぼしています。
雇用調整助成金やテレワークなど、ニュースなどでもよく耳にすることが増えました。

そのような「人事・労働に関する諸問題」や「社会保険や年金の相談」などを扱う社会保険労務士事務所の役割は、近年高まってきていると言えるでしょう。

社会保険労務士事務所での勤務に興味を持つ方も増えてきている中、いざ転職サイトで検索してみると、業種や職種がわかりづらいという一面もあります。

そこで、本記事では、社会保険労務士事務所の業種について解説し、転職サイトで求人を見つけるポイントをお伝えいたします。

社労士事務所の業種は何に分類される?転職サイトで社労士事務所の求人を探す方法を解説

社労士事務所の業種分類

社会保険労務士事務所の業種分類は、「大分類L:学術研究,専門・技術サービス業」>「中分類72:専門サービス業(他に分類されないもの)」に分類されています。

そもそもこの業種分類とは、総務省が定める日本標準産業分類のことを言います。
行政機関が行うさまざまな統計調査の結果を産業別に表示する目的で、農業・建設業・製造業・卸売業・小売業・金融業・医療・福祉・教育・宗教・公務などのすべての経済活動を、大分類(A〜T)・中分類(01〜99)・小分類・細分類の4段階に分類しています。

転職サイトで社労士事務所の求人を探す方法

転職を希望する場合、多くの方が転職サイトを活用されるのではないでしょうか。
転職サイトの代表的なものとして厚生労働省が管轄するハローワークの求人情報検索や、民間企業が運営するサイトがあります。
社会保険労務士事務所の求人は、それぞれの転職サイトで業種分類やカテゴリ分けが統一されていないことがあります。
下記の方法を参考して求人を探してみて下さい。

ハローワークで探す場合

ハローワークの求人情報検索から社会保険労務士事務所の求人を見つける方法は3つあります。

希望する職種で「職業分類」を選択する方法

職業分類から、「B 専門的・技術的職業>18 経営・金融・保険の専門的職業>183 社会保険労務士」を選択し、調べる方法です。
この方法では、主に社会保険労務士事務所の求人が表示されます。
また、社会保険労務士有資格者の求人だけではなく、補助や事務スタッフの求人も調べることが可能です。

希望する職種で「職種」を選択する方法

もう少し求人数を増やしたい、職種からも検索したいという方は、「職種を選択」から「事務、管理職」>「一般事務、事務補助」と選択し、検索してください。
「職種を選択」は3つまで選ぶことができるので、「総務事務、人事事務」なども含めると求人数を増やすことができます。

一方で、「職種を選択」のみで検索すると、社会保険労務士事務所に限らない求人も表示されてしまうので、フリーワードに「社会保険労務士」を入力して検索すると、より社会保険労務士事務所に限定した求人を調べることが可能です。

フリーワードで「社会保険労務士」を入力する方法

フリーワードに社会保険労務士と入力して調べる方法は、最もシンプルかつ、社会保険労務士に関連のある全ての会社が表示されます。

社会保険労務士事務所以外の会社も入ってしまうことがありますが、上記で紹介した2つの方法よりも求人数が多くなりますので、じっくりいろんな会社や職種を調べたい方などには適しています。

民間の転職サイトで探す場合

民間の転職サイトで社会保険労務士事務所を調べる最もおすすめの方法は、「業種」で「専門サービス業」「コンサルティング」から検索する方法です。
さらに社会保険労務士事務所に限定する場合は、業種の選択に加え、「職種」から「専門職>士業>社会保険労務士」と選択して検索することをおすすめします。

職種で「事務・管理」を選択すると、求人数が増えるというメリットはありますが、社会保険労務士事務所ではない会社の求人も出てきてしまうので注意が必要です。

そのほか、転職サイトによっては、「経験・スキル」の項目が設けられているケースがあります。
その場合は、社会保険労務士を選択すると、社会保険労務士事務所に限定することができますので活用してみて下さい。

上記のような選択肢がない転職サイトの場合は、フリーワードで「社会保険労務士」と検索するのが良いでしょう。

また、民間の転職サイトの中には士業に特化しているサイトがあります。
そのようなサイトでは社会保険労務士事務所の求人を多く扱っているので、転職サイト選びの参考にしてください。

転職先に向いている社労士事務所の特徴

転職は、本人そしてご家族にとっても大きな出来事です。
人によって合う職場は様々ですが、最終的には本人が納得する転職先を探すことが最も重要です。
一般的に転職先に向いている社会保険労務士事務所の特徴を2つご紹介します。

早い段階から裁量のある仕事を任せてくれる事務所

社会保険労務士事務所で求められるスキルは多種多様です。
有資格者、事務スタッフによっても異なりますが、書類作成(事務処理能力)・給与計算(計算能力)・パソコンの基礎知識・コミュニケーション能力など、さまざまなスキルが求められます。

これらのスキルが備わっていることで、より多くの案件や実務を任せてもらえ、キャリアアップが可能になります。

しかし、まだ経験が浅いという方は、そもそもこれらのスキルを獲得するために、さまざまな実務経験を積み、経験値を重ねていくことが必要です。

そのためには、早い段階から実務経験を積ませてくれる、さらには裁量のある仕事を任せてもらえる事務所が転職に向いていると言えるでしょう。

その点では、小さい事務所や中規模事務所では、ある程度の顧客がいて、案件は多岐に渡ります。
様々な経験を積ませてくれる事務所が多いことが特徴です。

将来が有望で、成長している事務所

社会保険労務士事務所の成長にとって最も重要なことは、顧客の質と数です。

顧客の質

顧客の質という点では、大手企業を顧問先に持っている事務所は、その経験と専門性を生かして、今後さらに大手企業からの仕事の依頼を増やしていくことが期待できます。

一方で、日本の全体の会社数の99%以上が中小企業ですから、大手企業ばかりを顧客に持つことは難しいこともあります。

その場合は、中小企業であってもその会社自体が成長しているかという点はポイントになります。
顧客である会社が成長することで、長いお付き合いが期待できますし、今後労働や人事に関するさまざまな相談を受ける機会が増える可能性があります。

顧客の数

顧客の数という点では、顧客がいない・減っている事務所は、そもそも事務所の存続が危ぶまれますので、転職には向いていません。
反対に、顧客がたくさんいる・増えている事務所は、顧客満足度が高く、成長している事務所であると言えます。
このような事務所は転職に向いている事務所であると言えるでしょう。

また、顧客を増やすためにはウェブマーケティングも一つの手段です。
一般的に社会保険労務士事務所は顧問先や提携先からの紹介が多くなりますが、全く接点がない会社を顧客にするためには、まず接点を持つ必要があります。

多くの会社と接点を持つために、ホームページやブログなどを活用した効果的なウェブマーケティングを行っている事務所は、顧客を増やすという観点で成長が期待できます。

これらを踏まえ、転職に向いている事務所は下記のような事務所です。
・大手企業や中小企業などこれから成長が期待できる会社を顧客に持っているか
・顧客先を増やすウェブマーケティングなどを行っているか

まとめ

社会保険労務士事務所の業種と、転職サイトでの社会保険労務士事務所の求人を探すコツについてご紹介しました。

新型コロナウイルス感染症によって、労働を取り巻く環境は大きく変化しています。
そして労働・雇用のプロである社会保険労務士は、会社にとっても、労働者にとっても頼れる味方です。

しかし、いざ社会保険労務士事務所への転職を希望した場合でも、転職サイトではなかなか求人が見つからない、わかりづらい状況にあります。

転職は、本人にとって大きな出来事です。
本記事を参考に、妥協せずとことん調べて、ぜひご自身に合った社会保険労務士事務所を探し出してください。