社労士事務所の事務職の転職方法・仕事内容・求められるスキル

2021年3月4日

1章.社労士業界の就職・転職1-1.就職活動ノウハウ3章.社労士の仕事内容3-1.社労士事務所の仕事内容

この記事でわかること

  • 社労士事務所の事務職はどんな仕事なのか理解できる
  • 社労士事務所の事務職に求められるスキルや人物像がわかる
  • 社労士事務所の事務職の求人の探し方がわかる

社労士事務所は日常生活の中であまり馴染みがなく、経営者や企業の労務担当者など限られた人しか接点がありません。
そのため、社労士事務所の事務職に応募するときは、社労士事務所の仕事内容や求められるスキルが想像できなくて不安に思う人も多いです。
社労士事務所の採用では事務職の適性があるかが重視されます。
応募前に、どのような仕事なのかを把握して、自分のアピールできる強みを整理しておきましょう。

社労士事務所の事務職の転職方法・仕事内容・求められるスキル

社労士事務所の事務職の仕事内容

まず、社労士事務所の事務職はどのような仕事をするのかを紹介します。
具体的な仕事内容を知っておくことで、志望動機や面接の場で、仕事内容に適性がある強みを打ち出してアピールできるでしょう。

書類の作成

社労士事務所の事務職で一番大きな比重を占めるのが書類の作成です。
お客様である企業に勤める従業員やその家族に関して、社会保険関係の手続き書類を作成します。
新規に入社する社員や退職する社員の手続きが多い4月、社会保険料の年度更新がある6月から7月は繁忙期です。

パソコンで書類を作成して印刷し、印を揃えて書類を用意するという流れですが、最近は電子申請も増えてきたので、印刷しない場合もあります。
基本的にお客様先への来訪はなく、事務所内のデスクワークが中心です。

給与計算

給与計算ソフトを使用して支給額を計算し、毎月の給与明細を作成して企業に送付する仕事です。
お金に関わることですから、作業の正確さとスケジュールの厳守が求められます。
給与が間違って振り込まれたり計算が遅れて振り込みが遅れたりしたら、会社に対する従業員の信頼が揺らいでしまうかもしれません。

毎月、1円単位まで間違いなく計算する必要があるので、数字に強い人に向いています。
経理の経験があればぜひアピールしましょう。

行政機関への提出代行

手続きのための申請書や届出書を行政機関に提出する仕事です。
行政機関とは、市区町村の役所やハローワークなどを指し、事務所で作成した書類を行政機関の窓口に持っていきます。
郵送で対応できるものもありますし、最近は電子申請に対応している書類も増えました。

行政機関に提出するときは、社用車を使うことが一般的です。そのため、普通自動車の免許が必須になっている事務所もあります。

労務相談

社労士事務所の事務職は、労務全般に関わるコンサルティングを行う場合もあります。
書類作成などの事務作業よりも難易度が高く、決まったマニュアルがない作業です。
お客様である企業の経営者や個人事業主から労務に関わる相談を受け、法律や事例を調べて適切なアドバイスを行います。

社労士事務所に就職・転職した直後は、書類作成など定型的な作業から任され、慣れてきたら労務相談にステップアップする事務所が多いです。
誤った回答をすると信用に関わりますので、労務に関する深い知識と理解が要求されます。

社労士事務所の事務職に求められるスキル・人物像

次に、社労士事務所の事務職に求められるスキル・人物像を紹介します。
志望動機や面接の練習をするときは、どのようなスキルや性格が評価されるのかを考えておきましょう。

法令遵守に対する意識が高い

社労士事務所ではお客様から個人情報をお預かりします。例えば、お客様の企業で働く従業員の氏名・生年月日・住所などの個人情報です。

情報の流出や書類の紛失は社労士事務所全体の信用問題に関わります。
データを送るときは宛先を二重チェックするなど、細心の注意を払って書類やデータを厳重に扱える人が向いているでしょう。

正確な事務能力

社労士業務では、正確な書類を決められた通りに提出することが求められます。
書類に不備があれば仕事の手間が増えるだけでなく、期限通りに手続きできないことでお客様である企業に迷惑をかけてしまうかもしれません。

給与計算など従業員の生活に直結する業務では、正確さとともに迅速な事務処理能力も必要です。
仕事を早く効率的に行うためにも、パソコンを使いこなすスキルが求められます。

コミュニケーション能力

社労士事務所では少人数のチームで働くのが一般的です。
比較的規模の小さい社労士事務所は、社労士と数名の事務職で運営しています。
また、大きな社労士法人でも数名のチームを作ってお客様を担当しているので、事務所の規模に関わらずコミュニケーション能力は必要です。

労務相談などのコンサルティング業務も担当する場合は、お客様から要望を引き出して改善策を提案するなどの、高度なコミュニケーション能力が要求されます。

向上心

社労士業務に関わる法律は毎年のように改正があります。そのため、一度勉強すれば終わりではなく、継続的な情報収集が不可欠です。
労務関連で話題になったニュースはお客様の関心も高いので、質問に答えられるように準備しておかなければなりません。

また、お客様は経営者が多いので、労務関連以外の社会情勢や経済に関するニュース、マネジメントに関する話題にも日頃から触れておきましょう。

定期的に勉強会が開かれている社労士事務所もたくさんあります。

未経験者でも社労士事務所の事務職への転職は可能

未経験者でも社労士事務所の事務職へ転職できます。
ただ、実務経験はあったほうが仕事に慣れるのが早いとみなされる分、有利になるでしょう。

実務経験は、社労士事務所の事務職の経験でなくてもアピールになります。
一般企業の労務部での経験があれば、社会保険の基本知識は有しているとみなされるでしょう。労務部でなくても、一般企業の事務経験があれば事務作業の能力は強みになります。

もし、労務の経験も事務経験もない場合は、経験のある職歴から社労士事務所の事務職で活用できそうなスキルを見つけてアピールできます。
例えば、営業経験があるならお客様の要望をヒアリングして提案にまとめるスキルがあると言えますし、経理なら何度も間違いがないか確認する基本動作が身についていて、数字に強いという切り口で訴求します。

未経験で応募する場合は、自主的に足りない知識を身に付ける前向きな姿勢を示しましょう。
教育システムやマニュアルなどは用意されている事務所が大半ですが、業務知識はすべて教えてもらおうとする姿勢では採用を敬遠されてしまいます。

社会保険労務士資格の勉強は成長意欲を示すのに効果的です。
まだ資格を取得していなかったとしても、取得を目指しているのなら、勉強中であることはぜひ伝えましょう。

社労士事務所の事務職に就職・転職するときの求人の探し方

社労士事務所の事務職に就職・転職する場合、ハローワークか社労士事務所のホームページを確認するのがおすすめです。

ハローワーク

社労士事務所が求人を掲載するときに、最初に候補に挙がるのがハローワークです。
社労士事務所の事務職の求人を探すなら、まずはハローワークで検索してみましょう。

社労士事務所のホームページ

応募したい社労士事務所がある場合は、直接ホームページに求人が出ていないか確認してみましょう。
採用人数が少ない場合はホームページにしか求人を出していない事務所もあります。
求人の掲載が見当たらなかったとしても、働きたい社労士事務所に求人の予定がないか問い合わせるのも一つの手です。
なかなか直接問い合わせをする求職者は少ないので、タイミングが合えば競争率の低い求人が見つかるかもしれません。

転職サイト・転職エージェント

社労士事務所の事務職では、あまり転職サイトや転職エージェントは利用しません。
転職サイトや転職エージェントに掲載するとコストがかかりますし、専門分野の事務職は求職者が限られるので費用対効果が悪いからです。
とはいえ、大規模な社労士法人の求人があるかもしれないので、確認してみましょう。

まとめ

社労士事務所の事務職は、書類作成とその提出が主要な業務です。給与計算や労務相談を担当することもあります。
個人情報を預かる立場なので、法令遵守を徹底して正確に作業できる人物が適しています。また、チームに打ち解けられるコミュニケーション能力と最新動向についていける向上心も必要です。

実務経験はあるほうが有利ですが、未経験でもアピールの仕方次第で転職できます。労務以外の事務経験や自分の職歴の中から社労士業務の適性を見つけて強みにしましょう。

社労士事務所の事務職の求人はハローワークか応募先事務所のホームページを見てみるのが良いでしょう。
転職サイトには掲載されていない求人が見つかるかもしれません。