社労士事務所の一般事務職の仕事内容【求められるスキル・人物像や採用のコツを解説】
2021年10月27日
1章.社労士業界の就職・転職1-1.就職活動ノウハウこの記事でわかること
- 社労士事務所の一般事務職の仕事内容がわかる
- 社労士事務所の一般事務職に求められるスキル・人物像がわかる
- 社労士事務所の一般事務職で採用されるコツと求人の探し方がわかる
社労士事務所の一般事務職に応募しようと考えている人は、どのような仕事内容なのか気になりますよね。
社労士事務所の事務職は、労務の知識が必要な仕事が多いです。
書類作成などの一般的な事務作業の他に、書類の提出で外出したり給与計算ソフトを使用したりします。
経験を積めば、コンサルティング業務など専門性の高い業務も担当するかもしれません。
この記事では、社労士事務所の一般事務職の仕事内容を紹介します。
求められるスキル・人物像や採用のコツも解説しますので、社労士事務所の一般事務職に応募予定の人はぜひ参考にしてくださいね。
社労士事務所で働く一般事務職の仕事内容
社労士事務所で働く一般事務職の仕事内容をまとめました。
応募する前に具体的な仕事内容のイメージを掴んでおきましょう。
労働保険、社会保険の手続き
社労士事務所では、顧客である企業に代わって労働保険や社会保険の手続きを代行します。
従業員を雇用したときには各種保険の加入手続き、従業員が退職したときには資格喪失の手続きや離職票の作成などが必要です。
その他、社会保険料の定期更新などの手続きがあります。
企業から従業員の個人情報を預かり、代わりに書類を作成します。
書類の提出代行
各種手続きに必要な書類を作成したら、行政機関に提出するのも社労士事務所の主な業務です。
以前は、実際に窓口に出向いて提出することが多かったですが、最近では電子申請ができるものも増えてきましたし、郵送で提出する場合もあります。
実際に行政機関に出向く場合は、社用車を運転することもあるので、運転免許が応募条件になっている社労士事務所も多いです。
給与計算
給与計算は社労士が独占する業務ではありませんが、法改正などに対応して正確な給与を計算するのが難しい企業から請け負うことが多いです。
企業からタイムカードなどの勤怠管理情報をもらい、給与計算ソフトを用いて給与明細を作成します。
給与は毎月決まった時期に支払わなければならないので、スケジュール通りに給与計算をこなすことが必要です。
年末調整を請け負っている社労士事務所もあります。
就業規則や社内規定の作成・修正
労働法や社会保険関連の法律は、法改正が頻繁に行われます。
改正に合わせて、企業のルールである就業規則や社内規定を見直さなければなりません。
新たに会社を立ち上げる顧客の場合は、就業規則の作成をすることもあります。
就業規則の作成・修正は専門性の高い業務なので、事務職ではなく社労士が担当することが多いです。
社労士の指示の元、作成や修正に伴う資料準備などの事務作業を担当することがあります。
労務相談
社労士事務所では、顧客からの労務相談に乗ります。
経営者と従業員間で発生したトラブル対応や従業員の事情に合わせた適切な対応など、法律に照らしてアドバイスを行うのです。
また、法改正があった場合にその内容を分かりやすく顧客企業に伝える、労務に関わる最新動向を経営者に提供するなどの役割もあります。
このような労務相談は幅広い専門知識が必要です。
事務職に任されることはあまりありませんが、経験を積んで信頼されれば一般事務職でも社労士が多忙ですぐに相談を受けられない時に聞き取りを行うなど、労務相談に関わる可能性もあります。
社労士事務所の一般事務職に求められるスキル・人物像
社労士事務所の一般事務職に求められるスキルと人物像を紹介します。
事務処理能力
事務職なので、まずは高い事務処理能力が求められます。
社会保険の手続きや給与計算では、正確性とスピードが欠かせません。
提出期限が明確に設定されており、超過すると助成金や給付が受けられない、給与の支給が遅れるなど、顧客に迷惑がかかります。
給与計算や社会保険料の計算など数字を扱う機会も多いので、特に数字に強く正確に作業できる人が向いているでしょう。
社労士事務所の規模にもよりますが、1人で10社分の手続きを担当することもあります。
自分で二重チェックする、提出前に最終確認する、複数人でチェックするなどのミス防止が基本動作として身についている人、スケジュールに余裕を持って取り組める人は好印象です。
コミュニケーション能力
多くの社労士事務所では、少人数で運営しています。
規模の大きな社労士法人でも、数人のチームを作って業務を担当していることがほとんどです。
したがって、採用にあたって既に事務所に在籍しているメンバーと協力して仕事に取り組めるかが重要視されます。
自分の仕事が終わればよいというスタンスではなく、チーム全体の状況をみて臨機応変に仕事を分担できる人が高評価を受けられます。
また、コンサルティング業務に関わるようになった際には、顧客へのヒアリングなど高度なコミュニケーション能力が求められます。
最近はITの進歩で事務作業が省力化され、単純な手続き処理の代行よりもコンサルティング業務に力を入れる社労士事務所が増えてきました。
コミュニケーション能力があることは、採用での強力なアピールになります。
向上心
前述したように、社労士業務に関連する法律は数多くあり、法改正も頻繁に行われます。
定期的に勉強会を開催している社労士事務所も多いです。
一般事務職といえども、日々の勉強は欠かせません。
わからない専門用語はメモして調べる、労務関連のニュースはチェックしておくなど、スキルアップを考えて自ら勉強できる人物が求められます。
実務経験
社労士事務所の一般事務職には、社労士事務所での実務経験があると有利です。
人手不足の社労士事務所の場合は、教育している余裕がないので即戦力になれそうな人を採用しているところもあります。
ただ、社労士事務所の勤務経験がある人材は稀なので、一般企業の人事・労務や他の士業事務所の事務経験でも十分アピールになるでしょう。
社労士資格はあれば有利にはなりますが、一般事務職の場合は必須条件でないことが多いです。
事務職の求人では、社労士資格よりも事務経験のほうが有利になることもあります。
社労士事務所が応募時点でどのような人材を求めているかによるので、社労士資格がないからといって応募を諦める必要はありません。
社労士事務所の一般事務として採用されるコツ
社労士事務所の一般事務職として採用されるコツを紹介します。
志望動機をしっかり考える
就職・転職を成功させるには、熱意や適性が伝わる志望動機が必須です。
特に少人数の社労士事務所では事務所の価値観に合っているかを重視します。
志望動機は面接でも深掘りされるところなので、しっかりと考えておきましょう。
志望動機を考える際のポイント
・なぜ社労士事務所の事務職に興味を持ったのか
・なぜ他の事務所ではなく、応募先の社労士事務所なのか
・社労士事務所の事務所に適している自分の適性
・どのように応募先の事務所に貢献できるか
特に、なぜ応募先の社労士事務所なのかに対する答えは熟考して用意しておきます。
経営理念や得意とする分野を調べておき、自分のキャリアプランを絡めて伝えると説得力が増します。
自分の強みをアピールする
社労士事務所での実務経験があれば一番のアピールポイントになりますが、実務経験を持つ人は少ないでしょう。
未経験だとしても、自分の性格や経験の中から強みを見つけてアピールします。
たとえば、社労士事務所以外でも事務経験があれば強みになるでしょう。
営業経験があれば、コミュニケーション能力や提案力が活かせます。
経理を担当していた人なら、数字に強くて正確な事務能力があることを印象付けられます。
経験以外にも、社労士業務に対する意欲はアピールしやすい要素です。
社労士資格の取得を考えているなら、社労士資格の勉強中であることをぜひ伝えましょう。
単に事務職として就職を考えている人よりも、意欲がある勉強熱心な人として評価されます。
社労士事務所の一般事務職の求人を探す方法
社労士事務所の一般事務職の求人を探す方法を紹介します。
転職サイトで探す
ハローワークのサイトや民間の転職サイトに事務職の求人があります。
一般企業の事務職に比べると、社労士事務所の一般事務職の求人数は少ないです。
事務職専門の転職サイトや女性が対象の転職サイトも確認してみましょう。
転職エージェントを利用する
転職エージェントと提携している社労士事務所は少ないです。
限られた求人の中でも社労士の求人が多く、事務職の求人はあまり見つかりません。
一般事務職なら転職サイトのほうが適しています。
社労士事務所のホームページで探す
社労士事務所のホームページで求人を掲載している場合があります。
社労士事務所の数が少ない地域では、転職サイトや転職エージェントでは求人が見つけにくいです。
そのようなケースでは、社労士事務所のホームページを確認するのも一つの手です。
まとめ
社労士事務所の一般事務職は、労務知識が必要な事務作業が多いです。
労働保険や社会保険に関わる書類作成と提出代行、給与計算などがあります。
経験によっては、労務相談などの専門性が高い仕事を任されるかもしれません。
社労士事務所の一般事務職に求められるスキルは、事務処理能力やコミュニケーション能力です。
実務経験はあるに越したことはありませんが、社労士事務所の勤務経験以外の事務や人事・労務の経験でも強みになります。
向上心があり、勉強熱心な人物像が好まれるでしょう。
就職・転職を成功させるには、志望動機をしっかりと考えて自分の強みをアピールしましょう。
応募先の事務所の価値観や経営理念は把握しておきます。
求人は転職サイトや社労士事務所のホームページを確認しましょう。