社労士事務所のアシスタント職の仕事内容と求人の探し方!必要なスキルや向いている人は?

2021年3月18日

3章.社労士の仕事内容3-1.社労士事務所の仕事内容

この記事でわかること

  • 社労士事務所のアシスタント職の業務内容がわかる
  • 社労士事務所のアシスタント職に向いている人物像・スキルがわかる
  • 社労士事務所のアシスタント職の効率的な求人の探し方がわかる

高度な専門知識を駆使して、顧客に貢献する社労士事務所の専門職員というポジションは、社労士業界の花形ともいえますが、地道に担当者をサポートしてくれるアシスタントなくしては、成り立ちません。
それゆえに、社労士事務所のアシスタントは、ひと味違う魅力があり、人気の職種です。

今回は、社労士事務所のアシスタントへの応募を検討している方向けに、アシスタント業務とはどのような業務なのか、どういった人物が選考上有利になるのかを解説していきましょう。

社労士事務所のアシスタント職の仕事内容と求人の探し方!必要なスキルや向いている人は?

社労士事務所のアシスタント職の仕事内容

社労士事務所では、顧問先と直接やり取りする職員(以下:担当者)と、担当者のサポートとして事務補助を担うアシスタントの、2つの職種で事務所運営を行うスタイルが一般的です。

社労士事務所のアシスタント職は無資格でも問題なし

担当者とアシスタントの担当業務の線引きは、事務所の運営方針で異なりますが、概ね、担当者は、専門色の濃い分野(就業規則の作成、労務相談への対応等)を担当し、アシスタントは、それ以外の比較的簡易な業務を受け持つこととなります。

担当者は、社労士資格保持者であることも珍しくない一方で、アシスタントは社労士資格を有している方は少数といえます。

社労士事務所のアシスタント業務の範囲は広い

基本的に、担当者のサポートが主な業務ですが、その業務も、パソコンでの入力作業、書類整理、官公庁への書類提出、給与計算、社会保険の手続き業務、電話応対、来客対応など非常に広範囲に渡ります。

求められる専門性の高度さや、それに伴う責任こそ、担当者と比較して低いといえますが、一般事務とは大きく毛色が違うものであり、またそれに伴うやりがいがあるのも特徴といえます。

アシスタント業務でも専門知識は必須

アシスタントの業務は、比較的簡易といっても、事務所で扱う業務自体が専門性を帯びているので、一般的な事務職と比較すると、やはり専門知識の習得は必須です。

とはいえ、最初からそういった専門知識を持っていることまでは求められませんが、ある程度慣れるまでは、かなり覚えることがあります。

顧客から見れば、アシスタントであっても、社労士事務所のスタッフとして信頼を寄せる対象です。
ある程度の初歩的な業務相談程度であれば、アシスタントで対応することを求める方針の社労士事務所も数多くあります。やはり専門知識を身につけていることが必須となるでしょう。

アシスタント業務は内勤オンリーではない

アシスタント職だからといって、ひたすら事務所での事務作業と思ってはなりません。
社労士業務は、官公庁とのやり取りが多く、直接出向いて書類を提出することも頻繁にあり、簡易なものであれば、アシスタント職が外回りをすることになります。顧客先へのお使い程度の用事も然りです。

このように、かなり外回りの業務があると思っておいた方がよいでしょう。

社労士事務所でアシスタントとして働くメリット・デメリット

社労士事務所のアシスタントは、一般的な事務よりも専門性が高い分、やりがいを感じて志望する方も多いですが、求人に応募する際、どういったメリット・デメリットがあるのか、しっかりと把握しておくべきでしょう。

アシスタントとして働くメリット

社労士事務所のアシスタントの求人は、パートタイマーという形で募集をしているものが多く、志望者の都合に合わせたワークスタイルで働くことができます。
このため、家事・育児の傍ら、やりがいの大きな仕事もしたいという方には、適しているでしょう。

また、社労士事務所で扱う専門知識は、知っていればお得になるものもかなり多いです。
例えば、社会保険の扶養でお得になる方法、退職する場合、本人にとってお得な退職日はいつの日か?など、普通に社会人として働いていては知ることが難しいことでも、理論立てて知識を習得することができます。

アシスタントとして働くデメリット

社労士事務所のアシスタントには大きく2つのメリットがあることをお話ししましたが、とはいえ、やはりデメリットも存在します。

給与などの待遇は、担当者と比較して低くなることが多いです。地方の小規模な社労士事務所であれば、一般事務とそれほど変わらないほどの給与であることも珍しくありません。

社労士事務所という専門的な業種であっても、アシスタントであればそれほど高い待遇は望めないと思っておいた方がよいでしょう。

社労士事務所のアシスタントに求められるスキル・人物像

顧客のデリケートな情報を扱う社労士事務所で勤務する以上、求められるスキルや人物像にはある程度の傾向がありますので、項目を分けて解説していきましょう。

きめ細かい気配りができる人

社労士業務は、些細なミスで顧客からの信頼を失ってしまう場面もあるほど、責任の重いものです。
従って些細なミスも見逃さないようなきめ細かさが、業務全般に渡って、要求されます。

特に給与計算等の数字を扱う業務では、ミスが数字ではっきりわかるので、業務の内容だけでなくその背景などにも配慮を効かせながら、業務を進めていく必要があります。

ザックリ物事を進めるような印象を持たれると、社労士事務所のアシスタントの適正を疑われることになりかねませんので、注意しましょう。

パソコンスキルは必須

ひと昔前までは、士業関係は手書きの書類が一般的で、パソコンスキルもそこまで求められることはなかったのですが、昨今のペーパレス化、効率化の流れで電子化が急速に普及しています。

このため、今では、専用の業務ソフトを導入している社労士事務所も多く、パソコンをある程度操作できないとアシスタント職として選考を有利に進めることは難しいでしょう。

面接等で、パソコンスキルは必ずと言っていいほど質問されますので、可能であれば、履歴書に記載できるようなパソコン系の資格を取得しておくと、客観的にパソコンスキルをアピールできるのでオススメです。

意欲的に勉強する人

先述の通り、アシスタント職といっても、社労士事務所という専門的なフィールドで働く以上、労務管理分野の知識の習得は必須です。
担当者ほどの高度な理解までは求められずとも、顧客先の総務担当からの簡易な質問には、スムーズに応答できるほどの知識は必要と考えてよいでしょう。

とはいっても、最初から専門知識を自在に扱うことはできないので、意欲的に学習する姿勢が重要です。聞きなれない単語や小難しい制度に対しても、臆することなく、積極的に吸収する意欲があることをアピールできれば、採用担当に好印象を与えることができます。

社労士事務所のアシスタントに向いている人

補助的な立ち位置であっても、専門的な知識、相応の責任感を求められる社労士事務所のアシスタントの求人には、どういった人が向いているのか、項目を分けて解説していきましょう。

短時間で働きたい人

社労士事務所で働きたいけれど、家事育児などの個人的な事情があり、フルタイムでは難しいという方には、アシスタント職が適しています。

担当者などの中核的な業務を担うポジションは、さすがにフルタイムでなければ顧客のニーズに応えることが難しいことから、パートタイムでの求人を出していることはほぼありません。
一方で、アシスタント職の場合は、複数のパートタイマーでシフトを組んで事務所運営を行っている社労士事務所が一般的です。

このため、社労士業務に興味はあるけれど、家族の予定に合わせて働きたい主婦の方には、短時間勤務前提のアシスタントの求人は、向いているといえます。

社労士資格を勉強中の人

社労士資格の試験で問われる内容は、社労士業務の実務内容とかなりリンクしており、普段の業務で制度に馴染んでおくと、自然と試験に有利になります。
また、社労士会に登録する際には、2年の実務経験が必要となり、この実務経験は、社労士事務所のアシスタントでもカウント可能です。

従って、社労士試験に向けて勉強中の方が社労士事務所のアシスタントのとして働く場合、仕事をしながら一種の受験勉強にもなり、必要な実務経験も積むことができるため、一石二鳥というメリットがあります。

また、担当者が携わるような、込み入った専門領域で高度な知識を要求されることも、試験ではあまりありません。
アシスタント業務は、社労士試験で問われるような基本的な実務を、反復して身に付けることができます。資格取得、そして、社労士会への登録の近道としても社労士事務所のアシスタントの求人はかなりオススメといえるでしょう。

社労士事務所のアシスタント職の求人を探す方法

社労士事務所のアシスタントの求人を効率的に探すには、いくつかの方法があります。それぞれについて解説していきましょう。

転職エージェント

転職エージェントは、自分の希望やスキルを登録すると、それにマッチした転職先を紹介してくれるのが魅力です。中には、社労士事務所のアシスタントであっても高待遇の求人も存在します。

ただ、条件が合致する人にとっては、魅力的といえますが、高待遇の求人は、資格や一般企業の総務部での経験などを求められている場合もあり、やや間口は狭い印象を受ける場面も少なからずあると考えておいた方がよいでしょう。

ハローワーク

社労士事務所のアシスタントの求人を探すのであれば、まず基本になるのは、ハローワークと考えておいた方がよいでしょう。
ハローワークは、無料で求人を出すことができる上、社労士事務所は、業務上ハローワークとやり取りすることが日常的にありますので、求人を出すとなると、ハローワークが候補に挙がってきます。

社労士事務所のHPの求人にも注目!

社労士事務所は、ホームページを運営していることがあり、その多くはホームページ上で求人情報も掲載していますので、気になる社労士事務所のホームページを閲覧して、直接応募をしてみることも有効です。

ホームページには通年で求人情報を掲載していることが多く、場合によっては既に応募を締め切っていることも考えられますが、「いい人がいたら採用したいのでとりあえず求人を出したままにしておこう」と考えている社労士も少なくありません。

社労士事務所のホームページでは、転職エージェントやハローワークの求人には載っていない案件も見つけることができます。
一件ずつ地道に探していく手間暇は求められますが、試してみる価値は十分にあることでしょう。

まとめ

アシスタントといっても、社労士事務所の業務に携わる以上は、それ相応の責任感を以て、意欲的に仕事に向き合わなくてはなりません。
そういった姿勢があることを採用担当にアピールすることができれば、採用担当から見て、「この人になら任せても安心できる」と印象付けることができます。

また、専門色が強い職種ではありますが、アシスタントとして業務を行う場合、定型的な作業が大半を占めます。
いかにそういった業務を抜け漏れなく、効率的に行えるかが社労士事務所で働く際のキーポイントとなりますので、普段からそういった素養を意識して向上させることも、社労士事務所の選考を有利に進める上で、欠かせないことだと言えるでしょう。