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最終更新日:2022/12/15

遺産相続に強い弁護士を選ぶには?チェックすべきポイント

弁護士 水流恭平

この記事の執筆者 弁護士 水流恭平

東京弁護士会所属。
民事信託、成年後見人、遺言の業務に従事。相続の相談の中にはどこに何を相談していいかわからないといった方も多く、ご相談者様に親身になって相談をお受けさせていただいております。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/tsuru/

もしもあなたが相続問題に困っているとして、頼りになる弁護士をどのように選びますか?
弁護士も多くいることですので、理想的にはあなたにピッタリ合った弁護士に任せることが望ましいといえるでしょう。
そのためには、どのような弁護士が良いのかについて基準を設けて検討していくことが必要かもしれません。
今回は、遺産相続に強い弁護士を選ぶためのポイントを解説しておりますので、これから弁護士を探したいという方は、是非最後までお読みいただければ幸いです。

自分に合った弁護士を探しましょう

人には様々なタイプがあるように、弁護士にも当然様々な人がいらっしゃいます。また、過払いを専門にする弁護士事務所があれば、労働問題を専門にする弁護士事務所も存在するでしょう。
つまり、弁護士事務所と一口に言ってもその対応は様々であるということです。

よって、弁護士事務所によっては専門外の分野の案件の依頼を断る事務所というのも存在します。ということは、やみくもに相談に出向くのではなく、事前にある程度対策と戦略が必要であるということが言えるのではないでしょうか?

相続問題を専門としている弁護士はどこに?

上記の通り、相続問題を相談したいのであれば、まずは相続問題を専門としている弁護士事務所を探すことから始めなければいけません。例えば、お知り合いに弁護士がいらっしゃるのであれば、そこに当たってみるのも良いかもしれませんが、ここで知り合いがいない場合にどのように探すのが良いのかについて考えてみたいと思います。

一つの方法としては、インターネットにより探すという方法です。今や何でもインターネットで検索をすると情報が出てくるようになっています。弁護士事務所に関する情報もインターネットで探すと沢山出てくることが分かります。

そこで、まずは弁護士事務所のホームページに訪問してみましょう。そこで得られる情報から、どのような弁護士が在籍しており、どのような案件に対応しているのかを確認することから始めてみましょう。

相談にでかけることから始まります

依頼先候補の弁護士事務所を探したら、その次に面接に行くことが大切です。やはり実際に対面をしてみて、この人に相続問題を任せても大丈夫かということを確かめなければいけません。面接に行ってお話を聞いてもらうことは、「相談」ということになり、事務所によっては相談料を要求されることもあるでしょう。事前にホームページなどで相談料がかかるのかを確かめたり、電話で聞いてみたりしてみましょう。

相談の時点で合わないと感じたら、依頼をしなくても全く問題はありません。まずはありのままの問題点を話して、納得できそうな解決案を示してもらえそうか確認をすることが大切です。

相談の際に確認しておくべき点

相談に出向かれた場合には、いくつか以下のような確認しておくべき点があるでしょう。

  • (1)相談しやすいかどうか
  • (2)あなたの利益になるように検討してくれるのか?
  • (3)聞いた内容に対して、きちんと答えてくれるのか?
  • (4)他士業と協力体制があるか?
  • (5)相続業務について実績はあるのか?
  • (6)あなたの要求にマッチしているか?
  • (7)あなたの話をきちんと聞いているか?

この他にも「これがなければ、依頼するのは断念すべき」というポイントをご自身でも設けられるのも良いかもしれません。

あなたの話をきちんと聞いてくれていますか?

相続の問題は、財産的な問題もありますが、親族間の人間関係の問題も付きまとう問題です。よって、きちんとあなたの考えに寄り添って考えてくれる人でなければ、どこかで食い違いが生じることもあるかもしれません。

また、場合によっては繊細なトラブルというのも起こりえますので、そのときにきちんとあなたのお話を尊重して判断してくれる人でなければ、納得のいく結果にはなりにくいでしょう。せっかく依頼をしたのに、最終的に親族同士の関係が法律論によって諭されて終わったなどという悲しいことにはならないように人格面でも優れた人を選ぶようにしましょう。

見出し:重要な質問をスルーしてしまう弁護士も
弁護士は多くの法律の知識を有していると考えられますが、あなたの質問に対してきちんと答えてくれる人ばかりとは限りません。例えば、依頼人であるあなたが真剣に困っている様子で質問をしているのにもかかわらず、今は忙しいからと後回しにするといった蔑ろな対応をされるようであれば、少し問題があるのではないかと疑うべきです。

また、弁護士の行った回答が満足のいくものではない場合には、何度も納得のいくまで質問をかけてみるべきです。あなたの質問に対して真摯に向き合ってくれるような弁護士に依頼したいものです。

見出し:あなたがどうしたいかを伝えることが大切
弁護士というと少し敷居の高いイメージがありませんか?弁護士は世間的に見ると社会的地位の高いお仕事であると認識されがちですので、もしかしたら普通に話すことを躊躇してしまうという人もいらっしゃるかもしれません。しかしながら、本来は依頼者のために弁護士が話しかけやすい雰囲気を作り、そのような話し方を心掛けなければいけないはずです。そのため、相談の際に、この人とは少し話しかけづらいと感じてしまった場合には、依頼をすることを少し考えたほうが将来的には良いかもしれません。

見出し:弁護士のタイプを見極めましょう
先述しましたが、弁護士には様々なタイプがありますので、ご自身に合ったタイプの人に依頼をすべきです。あなたに合わない人に依頼をしてしまったばかりに、要望が適わなかったということにはならないように、しっかりと見極めるようにしましょう。そのためには、相談の場面で多くの疑問点をぶつけるのが良いでしょう。

見出し:経験している相続事件はどれくらい?
信頼できる弁護士の条件の一つとして、依頼をしたい案件に対してどれほど実績があるのかということが挙げられるでしょう。どれほど優秀な弁護士でもすべての分野に精通しているというのは無理な話です。やはり、それぞれの弁護士には得意分野というものがありますので、相続にある程度精通しているのかということをその経験を確認することで確かめましょう。

特に、相続の分野は法律的な知識のみでは対応しきれないことも多く発生します。その際に経験がなければ、手間取ってしまったり、最悪の場合予期せぬ結果になったりということが起こらないように、実績を確認することでリスク対策にもなります。

そのため、経験をしっかりと確認することが、あなたの理想の形につながるキーポイントとなるかもしれないということです。

見出し:他士業との協力も成功に必要な要素です
相続の問題に限って言うと、紛争解決の専門家である弁護士だけでは対応しきれないその他の周辺業務が多く発生します。もちろん権限からすると弁護士でも行うことが出来るものも多くあるのですが、実際のところある程度知識とノウハウを持っていない弁護士であれば、通常他士業に協力を求めるものです。

よって、その弁護士がよい提携先を有しているのかどうか、仲間関係を築ける信頼性を有しているのかどうかを見ることによって、依頼の可能性を考えることが出来るでしょう。例えば、相続に関して登記があれば司法書士に依頼することになりますし、相続税が発生する場合には税理士に依頼をすることになります。

あなたの気持ちを十分に汲んでもらえそうですか?

相続問題はあなたにとってとても大きな事件となるはずですので、これを解決するためにはあなたの考えを十分に尊重してくれる人でなければいけないはずです。よって、あなたに対して雑な対応をしてきたり、横柄な態度をとったりするような人は選ばないのが賢明です。

したがって、何の説明をすることなく、あなたの気持ちを無視するような対応をとる弁護士に依頼をすると、相続人同士の関係が酷くなるということもありますので、具体的な解決法を確認し、納得のできるものであることを押さえるようにしましょう。

あなたのためにきちんと仕事をしてくれますか?

弁護士の中には、事務所にとどまって、弁護士本人があまり動かないというケースも中にはあるようです。しかし、それが必ずしも悪いという訳でもありません。戦略的に顔出さずに、親族同士の円満な解決に貢献してくれる弁護士も存在します。そのため、あなたがこのことに対して疑問を感じるのであれば、どうして事務所だけで仕事をしているのか確認をしてみても良いかもしれません。

あなたの事件にどれほど向き合ってくれるか?

弁護士の中には多くの事件を抱えて、あなたの事件にあまり時間を割くことが出来ないというケースもあることでしょう。そんな中でも少しでも依頼人であるあなたのことを少しでも助けたいと思うのであれば、あなたのために時間を作り、あなたのために真剣に悩み、対応をとってくれる弁護士がもちろんいますので、どれほど親身に解決のために動いてくれるのかしっかりと審査するようにしましょう。

もし、相続人が認知症である場合には?

相続の手続きを行うにあたり、相続人が認知症を患っていた場合には一筋縄にはいかないこともあります。そのような場合には、成年後見等の手続きを事前にとらなければ相続手続きを進めることが出来ないようになっています。ところが、上述の通り相続の専門家ではあっても成年後見等の分野の専門家ではない弁護士も存在します。よって、依頼する弁護士が成年後見の問題にも柔軟に対応してくれるのかどうかも確認をしておくことが重要でしょう。

どうすればあなたにぴったりの弁護士を選ぶことが出来るのか?

さて、あなたに合う弁護士がどのような人であるのかについていくつか取り上げて解説をさせて頂きましたが、弁護士の方でもある程度まともな人であれば、日頃の研修等で相談の質の向上に励んでおられることでしょうから、それほどひどいということは実際には少ないものです。

もちろん、相手の話をよく聞き、あなたの納得する答えを一緒に考えてくれる弁護士というものが良い弁護士ではないかとは思いますが、究極にはあなたが相続問題の解決に何を望んでいるのかということに尽きるのではないでしょうか?相続問題というのはいくつもの問題を含む複雑なものであることから、是非信頼できる優れた弁護士を選んでいただき、満足のいく依頼につながることを願っております。 

まとめ

今回は、相続問題の依頼をする上で、検討すべきポイントとしていくつかお伝えをさせて頂きました。相談の業務をする上で、基本となる相手の要求は何かということ、そしてそれに対する相手の納得のいく答えを出すことが出来るのかということを原則としたうえで、その弁護士がどのような考えを持っているのかということを念頭に置きながら、いくつかの弁護士事務所に当たっていただき、あなたにとって最適な弁護士を選んで頂ければと思います。

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