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最終更新日:2025/9/12

名寄帳(なよせちょう)を請求できる人とは?取得方法や費用、見方まで

弁護士 水流恭平

この記事の執筆者 弁護士 水流恭平

東京弁護士会所属。
民事信託、成年後見人、遺言の業務に従事。相続の相談の中にはどこに何を相談していいかわからないといった方も多く、ご相談者様に親身になって相談をお受けさせていただいております。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/tsuru/

この記事でわかること

  • 名寄帳を請求できる人
  • 名寄帳の見本と見方
  • 名寄帳の取得方法、必要書類と費用
  • 代理人による取得方法

名寄帳(なよせちょう)は、不動産の所有者が、自分の名義で登録されている土地や建物を一覧で確認できる公的な書類です。
相続や不動産の売却を検討する際に、重要な情報源となります。
そのため、誰が名寄帳を請求できるのか、またその取得方法を事前に知っておくことが大切です。

本記事では、名寄帳を請求できる人や取得方法、必要書類や費用、代理人による請求方法について、わかりやすく解説します。
また、名寄帳の見本を掲載して見方を説明しているため、初めての方でも安心して手続きを進められるでしょう。

ぜひ最後までご覧ください。

名寄帳(なよせちょう)を請求できる人

名寄帳とは、市区町村が固定資産税を課税するために作成する台帳で、土地や家屋などの不動産を所有者ごとにまとめた一覧表です。
その市区町村内で自分が所有している不動産をまとめて把握できるため、財産目録を作成する際などに役立ちます。

名寄帳は、全国で一元的に管理されているものではなく、不動産が所在する市区町村ごとに作成・管理されています。
そのため、複数の市区町村に不動産を所有している場合は、それぞれの市区町村別に取得する必要があります。

名寄帳を請求できるのは、原則として固定資産税の納税義務者である不動産の所有者です。
ただし、一定の条件を満たせば、本人以外でも請求が可能です。

具体的には、以下に該当する人が名寄帳を請求できます。

  • 所有者本人
  • 法定相続人
  • 遺言執行者
  • 利害関係人(成年後見人・債権者・離婚の財産分与など)
  • 法人代表者(法人名義の不動産の場合)
  • これらの代理人

なお、相続人が請求する際、相続人全員の同意は不要で、一部の相続人のみでも請求可能です。

名寄帳の見方

名寄帳に何が書かれているか、見方を理解することで、不動産全体の状況や課税内容を把握することができます。
固定資産課税台帳に記載されない非課税不動産も網羅されているため、不動産の見落とし防止にもなります。

ただし、名寄帳は毎年1月1日時点の不動産が記載されています。
そのため、新しく取得された不動産については、記載されていない場合もある点に注意しましょう。

以下は、名寄帳の見本です。


引用:「名寄帳の見方」静岡県森町

表記や並びなど、体裁は市区町村によって異なりますが、基本的な構成は同じで、その年の1月1日時点での情報が記載されています。

主な項目は、以下のとおりです。

  • 所有者の情報:所有者の氏名、住所
  • 所有形態:単独所有、共有、区分所有(マンション)の区別
  • 所在地番:土地や建物の住所や地番
  • 地目と用途:宅地・田・畑などの地目、または住宅・店舗などの用途
  • 地積と床面積:土地の面積、建物の延床面積
  • 課税標準額:固定資産税や都市計画税を計算する基礎となる金額
  • 固定資産税額:実際の年間の税額
  • 持分:共有または区分所有の場合の持分
  • 登記名義人:登記簿上の名義人(法人の場合は法人名)

名寄帳を取得してこれらの情報を確認し、相続手続きや資産状況の把握に役立てましょう。

名寄帳の取得方法

名寄帳は、市区町村役場や都税事務所の窓口、または郵送で請求できます。
市区町村によっては、オンラインで請求できる場合もあります。

窓口申請は即日交付されることが多く、郵送の場合は1週間から10日ほどかかるでしょう。

ここでは、名寄帳を取得するための必要書類や費用、代理人による申請の詳細を解説します。

必要書類と費用

名寄帳は通常、市区町村役場の税務課または資産税課で取り扱っています。
東京都23区の場合は都税事務所、政令指定都市の場合は各市税事務所など、取得場所が異なるため、事前に確認が必要です。

では、名寄帳取得の一般的な必要書類を表にまとめましたので参考にしてください。

請求する人 必要書類
所有者本人 ・名寄帳交付申請書
・本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
法定相続人 ・名寄帳交付申請書
・本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
・被相続人の除籍謄本
・相続人の戸籍謄本
遺言執行者 ・名寄帳交付申請書
・本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
・遺言執行者であることがわかる書類(遺言書)
利害関係人 ・名寄帳交付申請書
・本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
・利害関係人であることがわかる書類(成年後見登記事項証明書、債権の存在を証明する資料など)
法人 ・名寄帳交付申請書(法人代表印を押印)
・法人代表者の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
・法人登記簿謄本
・法人の印鑑証明書
代理人 ・名寄帳交付申請書
・代理人の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
・委任状
・その他

手数料は通常、1通あたり200円~300円程度です。
ただ、必要書類や手数料は市区町村によって異なるため、事前に確認しましょう。

郵送申請の場合は、返信用封筒と手数料分の定額小為替も同封します。
オンライン申請の場合は、各市区町村のホームページから申請しましょう。

代理人による取得

名寄帳は所有者本人以外が請求する場合は、委任状を提出して代理人が請求できます。
所有者の家族や法人の社員が請求する場合でも、委任状が必要となるため注意しましょう。

委任状には、委任者と代理人の氏名・住所・連絡先、委任の内容(名寄帳の請求)、委任日を明記します。
市区町村のホームページで提供されている様式を印刷して利用するのがおすすめです。

窓口では代理人本人の本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)の提示を求められます。
郵送で申請する場合は、そのコピーを同封しましょう。

法人名義の不動産については、委任状に代表印の押印が必要な場合があります。
また、法人の印鑑証明書や社員証など社員であることを証明する書類が求められることもあるため、事前に確認しましょう。

まとめ

名寄帳の取得は、事前に手続きの方法や必要な書類を把握しておけば、それほど難しいものではありません。
家族が請求する場合でも、市区町村が用意している委任状を使えば、問題なく進められるでしょう。

しかし、不動産が複数の市区町村にまたがっている場合や、物件の数が多い場合は注意が必要です。
また、相続など複数の手続きを同時に行う場合は手続きが複雑になることがあります。

不安を感じる場合は、専門家に相談することで、より安心してスムーズに進められるでしょう。

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