この記事でわかること
- 戸籍謄本の有効期限の有無
- 戸籍謄本に有効期限が設定されている手続き
- 戸籍謄本の原本還付方法
相続手続が開始されると、印鑑証明書や住民票などの様々な書類が必要になります。
戸籍謄本も相続手続で、よく提出を求められる書類の一つです。
戸籍謄本の提出は被相続人のものだけではなく、相続人のものが必要になる手続きもあります。
また戸籍謄本の提出先によっては、何カ月以内に発行されたものと有効期限を設けているところもあります。
では、戸籍謄本に有効期限は存在するのでしょうか。
この記事では、戸籍謄本の有効期限の有無や有効期限のある手続きを詳しく解説していきます。
目次
戸籍謄本の有効期限
気になる戸籍謄本の有効期限の有無ですが、結論からいうと戸籍謄本に有効期限はありません。
自治体で発行された戸籍謄本には、いつ発行されたかの記載はありますが、いつまで有効であるとは記載されていません。
しかし相続手続によっては、戸籍謄本に有効期限を設定している場合があり、提出をするときに気をつける必要があります。
提出先ごとの戸籍謄本の有効期限
戸籍謄本の有効期限は、提出先ごとに異なっています。
戸籍謄本に有効期限を設定している提出先もあれば、設定していない提出先もあります。
提出前に戸籍謄本に有効期限が設定されているのか、確認が必要です。
相続手続で戸籍謄本を提出する必要があるのは、主に次の4つの機関です。
- 法務局
- 税務署
- 金融機関
- 運輸局
上記の機関が、戸籍謄本に有効期限を設定しているのか詳しく見ていきましょう。
法務局は戸籍謄本の有効期限なし
法務局で行う手続きは、主に不動産の相続登記です。
相続登記の申請時に、被相続人と相続人の戸籍謄本を提出します。
法務局に提出する戸籍謄本には、有効期限は設定されていません。ただし相続人の戸籍謄本は、被相続人が亡くなった後に発行された戸籍謄本である必要があります。
被相続人の生前の戸籍謄本では、相続が開始されたときに、その相続人が生きているのかを判断できないためです。
法務局に提出する相続人の戸籍謄本は、被相続人が亡くなった後に取得するようにしましょう。
税務署は戸籍謄本の有効期限なし
税務署には、相続税の申告をするときに戸籍謄本を提出します。
法務局と同様に、被相続人と相続人の戸籍謄本が必要です。
税務署に提出する戸籍謄本には、有効期限が設定されていません。
ただし相続人の戸籍謄本には、取得開始日が定められています。
相続人の戸籍謄本は、相続開始の日から10日を経過した日以降に作成されたものとされています。
取得開始日を意識して、相続人の戸籍謄本を取得しましょう。
金融機関は戸籍謄本の有効期限あり
金融機関に提出する戸籍謄本は、有効期限が設定されている場合が多いです。
戸籍謄本に設定されている有効期限は、金融機関ごとに異なっていて、「3カ月以内」もしくは「6カ月以内」としているケースをよく目にします。
金融機関に戸籍謄本を提出するときは、事前に有効期限の確認をとることをおすすめします。
運輸局は戸籍謄本の有効期限あり
被相続人の普通自動車を相続したときは、運輸局で名義変更の手続きをします。
運輸局に提出する戸籍謄本には有効期限があり、「3カ月以内」とされています。
軽自動車の名義変更の場合は軽自動車検査協会で手続きを行いますが、戸籍謄本の有効期限は同じく「3カ月以内」です。
車の手続きに必要な戸籍謄本の有効期限は「3カ月以内」と覚えておくといいでしょう。
戸籍謄本の原本還付方法
相続手続で戸籍謄本を提出する機会は、沢山あります。
しかし、提出が必要な度に戸籍謄本を取得していると、大変な手間や費用がかかります。
そのため一般的には提出した戸籍謄本を返してもらい、次の機関に提出しています。
このことを戸籍謄本の原本還付といいます。
戸籍謄本の原本還付方法は、法務局、税務署、金融機関で少し異なります。
税務署と金融機関は、基本的に戸籍謄本のコピーと原本を一緒に提出して行います。
金融機関では戸籍謄本の原本を提出したときに、コピーをとって原本を返却してくれるところもあります。
ただし法務局に提出するときは、上記の方法では原本は還付されません。
法務局で原本還付してもらうには、相続関係説明図という書類を提出する必要があります。
法務局だけ方法が異なるので、注意しましょう。
まとめ
相続手続で提出する機会が多い戸籍謄本には、有効期限がありません。
しかし戸籍謄本の提出先が有効期限を設定している場合があるため、事前に確認をして取得する必要があります。
相続手続は戸籍謄本の他にも揃える書類が数多くあるだけでなく、やらないといけない手続きも沢山あります。
相続手続が滞っているなどお悩みのときは、弁護士などの専門家への相談をおすすめします。