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最終更新日:2022/12/14

土地と建物は別のもの?不動産評価の方法

弁護士 水流恭平

この記事の執筆者 弁護士 水流恭平

東京弁護士会所属。
民事信託、成年後見人、遺言の業務に従事。相続の相談の中にはどこに何を相談していいかわからないといった方も多く、ご相談者様に親身になって相談をお受けさせていただいております。

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遺産が現金や預金なら相続財産評価の計算は比較的簡単ですが、不動産となると、その評価計算は複雑です。しかも土地と建物では、計算方法が大きく異なるのです。

この記事では、国税庁が定めた「財産評価基本通達」に基づき、土地・建物の評価額計算プロセス、節税につながる減額特例、土地形状による補正について解説します。

土地と建物は別々に計算しよう

甲州街道や東海道などの国道から、住宅地の入り組んだ道まであらゆる道路には国税局が毎年7月に路線価を定め、この路線価に基づき土地の評価額は計算します(一部山間地を除く)。
路線価とは㎡あたりの価格で、ちなみに最も路線価が高いのは銀座中央通りでなんと4432万円/㎡です。

一方、建物は固定資産税評価額に基づき計算します。固定資産税評価額は市町村の固定資産評価員が、建物の構造・材質に基づいて積算したうえで経年での劣化損耗率を加味します。

因みに建物の所有者は、毎年4-5月頃に市役所から送付される固定資産税の納税通知書で、固定資産税評価額を確認します。

アパートや借地などの権利の対象となる不動産に関しては、借家権割合・借地権割合を加味します(これは土地・建物とも共通です)

減額措置がある!小規模宅地等の特例

相続財産が現預金なら、そこから相続税を納付するのも難しい話ではありません。
それが持ち家や店舗だけならどうでしょう?税金を払うために不動産を処分しなければならないケースも考えられます。

それはあまりに不合理なので、一定の要件を満たした居住用や事業用宅地の評価額に関しては、一定の面積に限り(居住用で330㎡・事業用で400㎡)、最大80%までの減額措置を認めています。

土地の形によっても金額が変わる

敷地面積が同じでも、間口が狭い・道路に面していない・奥行きがないといった土地は価値が下がります。こうした「不細工な土地」の評価額計算には補正率表を用います。

補正率には間口狭小・奥行長大・無道路地・道路開設・袋地・通路拡幅・不整形地・がけ地など17もの種類があります。どの補正率を適用するかで、不動産鑑定士などのプロでも見誤ることがあります。

まとめ

相続財産評価の中でも金額ウエイトの大きい不動産、その計算を間違えると多めに税金を納める羽目に陥りかねません。

最近は国税庁もHP上で評価額計算の基本、借地・借家権割合、不整形地補正率の適用方法を丁寧に解説しています。

こうした情報も活用しながら、間違いのない評価額計算と適正な納税につなげましょう。

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