メニュー

閉じる
無料相談0120-211-084
メール

最終更新日:2022/12/13

「隠し財産」が!相続放棄してしまったけど取り消しできるの?

弁護士 石木貴治

この記事の執筆者 弁護士 石木貴治

東京弁護士会所属。
メーカー2社で法務部員を務めた後、ロースクールに通って弁護士資格を取得しました。
前前職の経験を生かし、実情にあった対応を心がけてまいります。 お気軽に相談いただければ幸いです。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/ishiki/


相続手続きを経ることは、相続人にとって被相続人(亡くなった方のこと)の財産を受け取ることが出来る、という認識をお持ちの方も多くいらっしゃるかと思いますが、実際には必ずしもそういうケースばかりではありません。

例えば、被相続人の財産を調べてみたところ、借金が多く見つかったということになれば、それを相続してしまうと負債を抱えてしまうことになります。

そうはいっても、数万円程度の借金であれば大して問題はないことですが、これが蓋を開けてみると何百・何千万円というレベルになると、相続をすることで大きな痛手を負ってしまうことになりますので何としてでも阻止をしなくてはなりません。

ここで、一旦相続放棄を完了し、安心していたところで新たに相続財産が見つかった場合には諦めるしかないのでしょうか?

今回は、このような場合における対処法について考えていきたいと思います。

もう相続放棄を終えてしまったが、キャンセルしても大丈夫?

それでは、今回想定されている後から財産が見つかる場合とはどのような場合が考えられるでしょうか?これは、多額の借金をするくらいですから、例えばギャンブルをしていたりとか、事業の失敗をしてしまったりといったような場合が考えられるかと思います。

仮にお金持ちの方のケースについて考えてみますと、普段からこのような方は相続問題に気を付けていますし、相続人となる者には、自分の財産について説明を行っているものと考えられます。

一度相続放棄をしてしまった場合には、後からプラスの財産が出てきたとしても相続することは残念ながら原則として認められてはいません。

相続放棄は家庭裁判所に対して行う、厳格な手続きの一つであるからです。

相続放棄は民法上、相続があったことを知った時から3ケ月以内に行うこととされています。

そうすると、この3ケ月以内を過ぎていない限りでは、キャンセルすることも認められるのではないかという淡い期待も持ちたいところですが、こちらも認められないことになっています。

従って、相続放棄をすべきかどうかについては、上記期間を十分に活用し、財産調査に漏れがないように慎重に確認をしていくしかないというのが王道的なルールとなっています。

相続放棄の取り消しはどのような場合に認められるの?

さて、ここまでお読み頂いた方は相続放棄を一度してしまった場合には、もはやキャンセルすることが難しいとご理解された方がほとんどだと思います。

ところが、これには抜け道があります。

ここでは、例外的に取り消しが認められる場合についてお伝えしていきたいと思います。

まずは、相続放棄をした方が良いと虚偽の情報を信じてしまった場合です。

つまり、相続財産の調査の段階でマイナスの財産しかないので相続放棄しても問題ないと思いますよと他の人にそそのかされて、それを信じてしまった場合には、あなた自身の判断だけで決断がなされた訳ではありませんので、これを取り消すことが出来ます。

また、相続放棄を無理やりさせられてしまったという場合もあるかもしれません。

この場合にもあなた自身が相続放棄をしたいと考えたわけではなく、他の人の影響によってもたらされた結果ですので、これを甘んじて受け入れてしまうと相続放棄をした人は酷な結果となってしまいます。

この他にも未成年者や成年被後見人が単独で行った場合にも相続放棄をキャンセルすることが出来ます。

「重大な錯誤」があった場合について


この他に相続放棄を取り消すことが出来る要件として、「重大な錯誤」というものがあります。

これは、通常であれば何も問題はないものを何か例外的な事由により、思い違いをしてしまった場合に限り、認められるという意味合いがあります。

つまり、少し考えればわかるような思い込みであれば認められることはありませんが、よほど注意をしていても避けることが出来なかったような場合には、例外として相続放棄をすることを認めてあげましょうということです。

しかしながら、実際にはこの方法により相続放棄を認めて頂くことはそう簡単なものではありません。

当初の相続放棄を行った際に、しっかりと相続放棄を行う旨の背景事情について明記されているなどの条件が満たされていなければいけません。

マイナスの財産があった場合に、これをプラスの財産が存在することを期待して相続する方法として、「限定承認」というものがありますが、初めからある程度の財産があることが予想できるのであれば、無難に限定承認の手続きを踏んでおけば余計な負債を抱えることもありません。

このような難しい事案をご自身で対応されることは極めて困難であると思われます。

したがって、このような場合にはきちんとした法律専門家に相談をしてみることが重要でしょう。

まとめ

今回は、相続放棄をしてしまったときに取り消すことが出来る場合についてお伝え致しました。

相続放棄の期間にじっくりと財産調査を行い、なるべく複雑な手続きを回避するのがベターかもしれません。

テーマから記事を探す

弁護士法人ベンチャーサポート法律事務所ならではの専門性

多数の相続案件の実績のノウハウで、あなたにとって一番の頼れる味方となります。
ご自身でお悩みを抱える前に、ぜひ一度お気軽にご連絡ください。親切丁寧な対応を心がけております。

当サイトを監修する専門家

弁護士 川﨑 公司

弁護士 川﨑 公司

相続問題は複雑なケースが多く、状況を慎重にお聞きし、相続人様のご要望の実現、相続人様に合ったよりよい解決法をアドバイスさせていただくようにしています。

弁護士 福西 信文

弁護士 福西 信文

相続手続等の業務に従事。相続はたくさんの書類の作成が必要になります。お客様のお話を聞き、それを法律に謀った則った形式の文書におとしこんで、面倒な相続の書類を代行させていただきます。

弁護士 水流 恭平

弁護士 水流 恭平

民事信託、成年後見人、遺言の業務に従事。相続の相談の中にはどこに何を相談していいかわからないといった方も多く、ご相談者様に親身になって相談をお受けさせていただいております。

弁護士 山谷 千洋

弁護士 山谷 千洋

「専門性を持って社会で活躍したい」という学生時代の素朴な思いから弁護士を志望し、現在に至ります。 初心を忘れず、研鑽を積みながら、クライアントの皆様の問題に真摯に取り組む所存です。

弁護士 石木 貴治

弁護士 石木 貴治

メーカー2社で法務部員を務めた後、ロースクールに通って弁護士資格を取得しました。 前職の経験を生かし、実情にあった対応を心がけてまいります。 お気軽に相談いただければ幸いです。

弁護士 中野 和馬

弁護士 中野 和馬

弁護士は敷居が高く感じられるかもしれませんが、話しやすい弁護士でありたいです。 お客様とのコミュニケーションを大切にし、難しい法律用語も分かりやすくご説明したいと思います。 お客様と弁護士とが密にコミュニケーションをとり協働することにより、より良い解決策を見出すことができると考えております。