この記事でわかること
- 遠方にいる場合の遺産相続の進め方
- 相続人が遠方にいる場合の遺産分割協議の方法
- 郵送で遺産相続をする場合の注意点
遺産相続の手続きを進める際、相続人が遠方に住んでいる場合、どのように進めたらよいでしょうか?
何度も現地に足を運ぶのは難しい場合がありますが、郵送やオンラインツールを活用すれば、スムーズに手続きを進められるでしょう。
本記事では、相続人が遠方にいる場合に活用できる、郵送を利用した相続手続きの進め方や注意点を詳しく解説します。
遠方にいる親族の相続が発生しそうな方は、ぜひ参考にしてください。
目次
遠方の遺産相続手続きを進める方法
遺産相続手続きを進めたいものの、被相続人が遠方に住んでいた場合、何度も手続きに行くのは大変かもしれません。
ここでは、そういった場合に役立つ、遠方の遺産相続手続きを進める方法について解説します。
郵送でできる相続手続き
金融機関の名義変更や年金手続など、多くの相続手続きは郵送でできます。
レターパックや簡易書留を使えば記録も残り、印鑑証明書なども安心して送れます。
郵送でできる相続手続きには、次のようなものがあります。
戸籍収集
相続手続きでもっとも重要な戸籍謄本は、状況によって、全国各地から収集する必要があります。
そのため、どの市区町村でも戸籍請求について郵送対応しています。
戸籍請求をする場合は、各市区町村HPを確認して戸籍請求書に記載し、本人確認書類、被相続人との関係の分かる戸籍などを添付します。
手数料は、郵便小為替を使って支払いますが、以下の点に注意が必要です。
- お釣りが出ない金額を入れなくてはならない
- 郵便小為替は郵便局で購入する際に額面に関わらず1枚200円の手数料がかかる(100円の小為替を買うと100円+手数料200円=300円かかる)
法務局の手続
被相続人が不動産を持っていた場合には、土地や建物の登記簿謄本を法務局で取得します。
郵送での請求も可能ですが、現在はどの法務局でも全国の土地・建物の登記簿謄本や公図が取得できるため、現地に赴く必要も郵送で請求する必要もありません。
平日に法務局へ行く時間が取れない方は、近所の法務局にオンラインで謄本請求する方法もあります。
年金の手続
国民年金等についても、未支給年金の請求や受給権者死亡届(報告書)の提出を郵送で行えます。
未支給年金を請求できる権利者は、必ずしも法定相続人と一致しない点に注意してください。
遠方の相続人との遺産分割協議
遠方の相続人との遺産分割協議書のやり取りも郵送可能ですが、他の手続きとは事情が違います。
遺産分割協議は原則、全員が同じ場で行う必要があるため、郵送以外にも準備が必要です。
全員が集まった方がよい理由
共同相続人の誰かが欠けた状態で遺産分割協議をしてしまうと、後から反対されることや、怒って連絡が取れなくなり、遺産分割協議が決裂してしまう恐れがあります。
そのため、遺産分割協議は全員が同じ場に集まって、全員で合意する必要があります。
ZOOMなどを使ってもよい
遺産分割協議は全員が、直接コミュニケーションを取れればよいため、近年であればZOOMを使う方法もあります。
ZOOMであれば、財産目録やその場で作成した書類を共有でき、全員に承諾をもらって録画しておけば後々の証明にもなります。
遠方の遺産相続手続きを郵送で行う注意点
遺産相続手続きを郵送で行う場合は、いくつかの注意点があります。
金融機関の名義変更
ネット銀行が増えた現在でも、銀行口座や証券口座は自分の生活圏で作成する方が多いでしょう。
そのため、金融機関の名義変更は遠方の相続人が手続する場合に一番苦労する手続きとも言えます。
原則は取引先支店に出向く
取引先支店には被相続人の顧客情報があるため、一番スムーズに名義変更ができます。
そのため、可能であれば取引先支店に直接出向く方がよいでしょう。
メガバンクやネット銀行は本部対応
ほとんどのメガバンクやネット銀行は本部で一括して相続手続きをしており、どの支店で手続きを始めても、最終的には本部の相続の専門部署での手続きとなります。
手続に慣れた専門部署のため、手続きもスムーズです。
本部対応のできる金融機関はHPに記載されています。
一部の金融機関は取引先支店でしか手続きできない
地元中小の金融機関などでは、取引先支店でしか手続きできないところもあります。
その場合は必ず取引先支店に出向かなくてはなりません。
ただ、そういった金融機関での手続きが必要な場合には、郵送を考えていた他の金融機関も同じタイミングでまとめて名義変更を行うと手間が省けるでしょう。
郵送には時間がかかる
郵送でのやり取りには、往復の時間だけでなく、受け取った側の処理の時間もかかります。
相続人全員で集まって一度に署名・押印をするのであればすぐに終わりますが、郵送で受け取った場合、すぐに返送する人もいれば、数日かかる人もいます。
金融機関とのやり取りでも、窓口で直接手続きをすれば申請書の不備などはその場で訂正できますが、郵送の場合はそうはいきません。
このように、郵送には手間と時間が必要ですが、以下の大きなメリットがあります。
- 日中でなくても対応でき、送っておけば手続きが進む
- 遠方の土地に往復しなくてよい
相続人それぞれの都合に合わせて、手続きの方法を選びましょう。
貸金庫の開扉は必ず取引先支店で行う
金融機関の手続の中で唯一、貸金庫の開扉だけは必ず取引先支店で行います。
これは貸金庫に入っている現金以外の書類、貴金属、証券などの現物をすべて引き揚げる必要があり、相続人に直接確認してもらった上で、空になった状態で貸金庫を返却してもらうためです。
まとめ
遠方にいる場合の遺産相続の進め方は、現地で行うと一番スムーズですが、近年では金融機関の名義変更を含めて多くの手続は郵送でも可能になっています。
また、遺産分割協議についても遠方であってもインターネットを使って参加する方法も採用でき、工夫すればほとんど現地に行かずに手続きができます。
郵送の手間や往復の時間を考えると、費用はかかりますが、委任状への署名だけで手続きを代理してくれる弁護士など専門家への依頼を考えてもよいでしょう。