親等とは、親族関係の遠近を表した数字であり、世代を１つ移動するごとに１親等ずつ増えていきます。
たとえば、１つ上の世代の両親は１親等、２つ上の世代の祖父母は２親等、親兄弟の子どもであるいとこは４親等です。

いとこと同じ４親等には、高祖父母、大叔父や大叔母、甥や姪の孫などが含まれます。
親等の数え方によって相続の対象となる方が決まるため、数え方をしっかりと把握しておきましょう。

ここでは、親等の数え方やどの親族か何親等にあたるのかなどの詳細を解説します。

いとこは何親等（何等親）？

いとこは、本人からみて４親等です。
親等図で見たとき、本人から２代上の祖父母にさかのぼり、２代下の親兄弟の子どもへおりるため、親等のつながりを４回移動します。

次章から親等の数え方について確認していきましょう。

【図解付】親等の数え方

親族となる人の範囲を知るためには、親等の数え方を知らなければなりません。
そこで、親等の数え方や、実際にどのような人が該当するのかを紹介します。

血族

家系図に表された血族は、血縁関係のある人や養子縁組などで法律上の血縁関係が生じた人です。
親等を数える時は本人をゼロとし、親や子の世代に家系図を移動する度に1つずつ足していきます。

たとえば本人から見て親は1親等、祖父母は2親等です。
その他の親族については家系図に表した通り、それぞれの名称の前につけられた数字が何親等かを示すの数字になります。

なお、民法では6親等以内の人が親族となりますが、実際に6親等の人と相対する可能性は極めて低いでしょう。
血族の親族となる主な人とその親等は、以下のようになります。

本人との続柄	親等
親	１親等
祖父・祖母	２親等
曽祖父・曽祖母	３親等
子供	１親等
孫	２親等
ひ孫	３親等
兄弟姉妹	２親等
甥・姪	３親等
叔父・叔母	３親等
いとこ	４親等

姻族

姻族は婚姻によって親族関係が新たに生じた人です。

姻族は、上記の家系図のような３親等内の人が民法上の親族に該当します。
なお、配偶者は血族でも姻族でもなく、配偶者として親族になるため親等を数えません。

本人との続柄	親等
配偶者の親	１親等
配偶者の祖父・祖母	２親等
配偶者の兄弟姉妹	２親等
配偶者の甥・姪	３親等
配偶者の叔父・叔母	３親等

親等についてよくある質問

親等に関するよくある質問は、以下の通りです。

それぞれの質問に解答します。

はとこは何親等？

はとこ（祖父母の兄弟姉妹の孫）は、本人から見て６親等です。
親等図で見たとき、３代上の曾祖父母まで上がり、３代下の祖父母の兄弟姉妹の孫まで下がります。
いとこは親の兄弟姉妹の子どもですが、はとこは親のいとこの子どもをいいます。

３親等以内の親族とは？

３親等内の親族とは、本人から見て親等図内の移動が３回以内になる関係の人です。
具体的には、次の人が３親等内の親族になります。

１親等	両親、子ども
２親等	兄弟姉妹、祖父母、孫
３親等	曾祖父母、曽祖父母、甥姪、叔父叔母、伯父伯母、ひ孫

大叔父・大叔母は何親等？

大叔父または大叔母（祖父母の弟または妹）は、本人から見て４親等です。
親等図では、３代上の曾祖父母または曽祖父母まで上がり、１代下の祖父母の弟または妹までさがります。
祖父母から見て弟または妹であり、両親から見て叔父または叔母にあたる関係です。

まとめ

親等は、相続手続きで重要となる考え方です。
相続が開始すると、一般的には戸籍を調べて親族の関係図をつくり、一定範囲内の親等の方が相続人となります。
親等の数え方を間違えてしまうと、相続手続きをやり直さなければならないケースもあるため注意しましょう。

相続手続きで不安があるときは、弁護士に依頼すると安心です。
弁護士に依頼すると、正しい相続人の範囲がわかるだけでなく、親等を数えるための戸籍収集や相続関係図などの作成も依頼できます。
相続に精通した弁護士に依頼して、相続手続きを円滑に進めていきましょう。