この記事でわかること
- 結婚祝いやご祝儀としてお金をもらっても贈与税はかからない
- ケースにより結婚祝いやご祝儀でも贈与税がかかってしまう
結婚式ではご祝儀をたくさん受け取るほか、式の準備や家財道具の購入費用などで親から援助を受ける方も多くいます。
結婚の際に受け取るお金を合計すると、かなり大きな額になります。
そのため、贈与税が心配になる方もいるのではないでしょうか。
通常、結婚祝いやご祝儀に対して贈与税はかかりません。
しかし、金額によっては課税される場合があるので注意が必要です。
そこで今回は、ご祝儀や、結婚に関連して周囲から受け取るお金にかかる税金について解説します。
目次
結婚祝いやご祝儀は贈与税が非課税になる
結婚式や披露宴で受け取る結婚祝いやご祝儀は、金銭の授受にあたるため、贈与税の対象になると思う方もいるでしょう。
しかし、通常の結婚祝いやご祝儀のやりとりは、そもそも贈与税の対象になりません。
結婚祝いやご祝儀は、あくまでお祝いとして受け取る金銭です。
他人に財産を移転させる目的ではなく、お付き合いとして渡すと考えられています。
多くの人にご祝儀をもらったために合計額が大きくなったとしても、1人あたりの金額が常識的な金額であれば問題ありません。
結婚祝いやご祝儀に贈与税がかかるケース
結婚祝いやご祝儀を受け取った場合、基本的には贈与税はかからないと考えられます。
ただし、以下のようなケースでは贈与税などの税金がかかる場合もあります。
- 1人からきわめて多額の結婚祝い・ご祝儀を受け取った
- 会社から多額の結婚祝い・ご祝儀を受け取った
- 個人事業主や会社が結婚祝いやご祝儀を受け取った
結婚祝いやご祝儀が贈与税の対象にならないのは、その金額が社会通念上相当と認められる場合です。
いくらまでは課税されないと明確に示されないのは、結婚した人の状況や立場により、ご祝儀などの金額が変わるのが一般的なためです。
ただ、一般的に考えて、結婚祝いとして1人から50~100万円といった金額を受け取るのは多すぎると考えられます。
このような場合は贈与として取り扱わなければなりません。
また、取引先の社長の息子など、特殊な関係がある場合には、他の会社から結婚祝いなどが支給される場合もあります。
通常は会社で定める慶弔規程により、結婚祝い・ご祝儀の支給額が数万円程度と決められているケースが一般的です。
しかし、自社の社長の息子、あるいは取引先の社長の息子などに対して、規程を無視した多額のご祝儀が支給される場合があります。
この場合、勤務する会社から多額の結婚祝い・ご祝儀を受け取ると、給料として課税されます。
さらに、個人事業主の方が事業主として、あるいは法人として結婚祝いやご祝儀を受け取った場合も注意が必要です。
受け取った金額は事業上の関係に基づくため、事業上の収入となります。
従ってこの場合は記帳を行いましょう。
個人事業主の場合は、結婚祝いやご祝儀は事業収入に計上し、事業所得に含めなければならないためです。
また法人の場合は、結婚祝いやご祝儀を雑収入などの科目を使い、法人の利益に含める計算をします。
結婚祝い・ご祝儀に贈与税がかからないようにする方法
お祝いだからと結婚式の費用を親や祖父母などから受け取ると、贈与税がかかってしまうため、以下の対策をしましょう。
- 結婚・子育て資金の一括贈与を利用する
- 結婚式の費用を支払ってもらう
それぞれの方法を詳しく解説します。
結婚・子育て資金の一括贈与を利用する
結婚資金や子育てにかかる資金をまとめて受け取ると、贈与税がかかってしまいます。
そこで、「結婚・子育て資金の一括贈与」を利用して、非課税で結婚資金や子育て資金を受け取りましょう。
親や祖父母などの直系尊属から、結婚・子育て資金の一括贈与の特例を利用して贈与された場合、最大1,000万円まで非課税です。
特例を利用するには、金融機関での手続きが必要になります。
結婚式の費用を支払ってもらう
結婚式の費用にあてるために親や祖父母などからお金を受け取ると、贈与税が課される可能性があります。
そこで、結婚式の費用を親や祖父母に直接支払ってもらいましょう。
親や祖父母からの贈与は発生せず、贈与税が発生するリスクは大幅に減少します。
原則、扶養義務のある人による一般的な金額の結婚式費用の支払いは、問題ありません。
ただ、結婚式の費用が相場よりはるかに高い場合、問題となる可能性もあるため、支払ってもらう金額を確認しましょう。
まとめ
結婚したときに結婚祝いやご祝儀を受け取った場合、一般的には贈与税などの税金はかかりません。
ただし、1人あたりから受け取る金額が大きくなると、贈与税の対象になる可能性があります。
また、結婚式の費用を親や祖父母などに負担してもらった場合、お金の流れによっては贈与となるケースが珍しくありません。
特例を利用する、あるいは親子間などでお金のやり取りが発生しないようにするなどの対策が必要です。