問い合わせフォーム
0120440244
MENU
close
閉じる
0120-440-244

コラムカテゴリー


無料相談ダイヤル
9:00-20:00(土日祝対応)

無料相談
依頼はたった1分でかんたん!
労働問題に強いVSG弁護士法人(使用者側専門) > コラム > 労働法全般 > 不当解雇の4つの条件とは?具体的な事例や裁判になった場合の対処法も紹介

不当解雇の4つの条件とは?具体的な事例や裁判になった場合の対処法も紹介

弁護士 福西信文

この記事の執筆者 弁護士 福西信文

大阪弁護士会所属。京都市出身。
労働環境が激変する現代において、企業が直面する労務リスクは経営の根幹を揺るがしかねない重要課題です。私は、大学卒業後のIT企業勤務、経営コンサルタント、企業役員といった10数年のビジネス現場での経験を経て弁護士となりました。
法律はあくまで手段であり、目的は「企業の持続的な成長と安定」であるべきだと考えています。そのため、単に「法的に可能か不可能か」を答えるだけでなく、現場のオペレーションや事業への影響、経営者の想いを汲み取った上での「最適な次の一手」を提示することを最優先しています。
使用者側(企業側)の専門弁護士として、労働紛争の早期解決はもちろん、トラブルを未然に防ぐための強固な労務基盤の構築を支援いたします。経営者の皆様が事業に専念できるよう、法的側面から強力にサポートさせていただきます。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/fukunishi/
書籍:「事業をやり直したい」と思ったときの会社のたたみ方
監修:プロが教える!失敗しない起業・会社設立のすべて
共著:民事信託 ――組成時の留意点と信託契約後の実務

この記事でわかること

  • 不当解雇の4つの条件と具体的な事例
  • 不当解雇にならない「正当な解雇」とは
  • 不当解雇に関する裁判例
  • 不当解雇を訴えられた会社側のダメージと対処法
  • 不当解雇を弁護士に相談する費用について

解雇した労働者が、後から会社に不当解雇を訴えるケースは少なくありません。
解雇は労働者が収入を失う事態に直結するため、法律で厳しく制限されており、実際に裁判所が不当解雇を認めるケースも多く見られます。
不当解雇が認められたときの会社側のダメージは大きいため、問題の解決には解雇に関する法律の知識と経験を持つ専門家の力が必要です。
この記事では、不当解雇の4つの条件と具体事例を紹介し、不当解雇が訴えられた会社側のダメージや対処法、弁護士に依頼した場合の費用について解説します。

不当解雇とは

不当解雇とは、解雇に正当性がないにも関わらず、会社側が労働者との労働契約を一方的に打ち切る行為です。
日本の労働関連法規は労働者保護の観点で作られているため、労働者が生活の糧を失う解雇には厳しい制限があり、簡単には認められません。
不当解雇を理由に会社が訴えられた場合、会社側には様々な不利益が生じます。
なかでも、バックペイによって金銭的なダメージが大きくなりやすいのが実情です。
一方で、会社側の解雇の正当性が認められた例も存在します。

解雇の正当性の判断基準は、労働契約法第16条で、次のように規定されています。

引用:
第十六条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

引用:e-Gov法令検索「労働契約法第16条(解雇)」[注1]

つまり、解雇は「客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当と考えられる場合」でなければ認められません。
これを解雇権濫用法理といい、違反した場合は不当解雇と判断されます。

[注1]労働契約法/e-Gov

労働契約法第16条

不当解雇の4つの条件と具体的な事例

労働契約法第16条[注1]が定める「解雇権濫用法理」では、次の4つの条件のいずれかに該当する場合、解雇は無効となります。

  • 客観的に見て合理的な理由がない
  • 社会通念上相当でない
  • 労働基準法などの法令に違反している
  • 就業規則などの社内手続きに違反している

これらの条件は、解雇の有効性の重要な判断材料です。
ここでは、それぞれの条件について具体例を交えながら解説します。

不当解雇の4つの条件と具体的な事例

客観的に合理的な理由がない(労働契約法違反)

労働契約法に規定されている「客観的で合理的な理由」が認められない場合は、不当解雇に該当します。
「客観的で合理的な理由」の具体例は、次のとおりです。

  • 労働者の労働能力や適格性の欠如、喪失
  • 労働者の問題行為等の企業秩序違反
  • 会社の財務状況の悪化等の経営上の必要性
  • 労働組合のユニオンショップ協定に基づく解雇

しかし、会社が解雇を回避するために相応の努力を尽くさない場合は、不当解雇と判断されます。
具体例は、次のとおりです。

  • 新入社員に十分な指導、研修を行わないまま、能力不足を理由に解雇した
  • 同僚間でトラブルが絶えない労働者を、配置転換等の措置を取らずに解雇した
  • 短期間で遅刻を繰り返した労働者に対し、注意や指導を行わず本人の反省の意思も無視して解雇した
  • 到底こなせない業務命令を下し、業務遂行できなかった事実を理由に解雇した
  • 労働者本人と十分な協議を行わないまま、整理解雇を行った

なお、上記に類似する事情にあっても、個別の事案により解雇の相当性の判断は異なる点に注意が必要です。

社会通念上相当でない(労働契約法違反)

労働契約法における「社会通念上の相当性」がない場合も、不当解雇と判断されます。
「社会通念上の相当性」とは、一般的に見て、処分が妥当であるかという判断です。
次に挙げる労働者側・会社側の個別事情を踏まえて判断されます。

  • 解雇に至った経緯や動機
  • 服務規律違反をした労働者の反省度合い、改善の見込み
  • 労働者の過去の処分歴や勤務実績
  • 会社による指導、注意の経緯
  • 他の労働者との処分のバランス

たとえば、同じ違反行為をした労働者のうち、一方のみを解雇する処分は、社会通念上の相当性を欠くと判断される可能性があります。

労働基準法などの法令に違反している

労働基準法[注2]には、解雇を含む労働条件について様々な規定があり、これに違反する解雇は不当解雇と判断されます。
労働基準法に違反する解雇の具体例は、次の通りです。

  • 外国籍、特定の宗教への信仰を理由に解雇した(労基法第3条)
  • 産前産後休業中または労災によって休業している労働者を解雇した(労基法第19条)
  • 解雇予告をしなかった、または解雇予告手当を適切に支払わなかった(労基法第20条)
  • 労働基準監督署への違反申告に対する報復として解雇した(労基法第104条)

いずれも労基法に定められる禁止事項に該当するため、会社の責任が問われやすくなります

就業規則等の手続きに違反している

解雇は、就業規則など、規定による根拠を必要とする手続きです。
労基法89条[注3]では、就業規則の絶対的必要記載事項として、解雇の事由を含む退職に関する項目の記載を義務付けています。
また、懲戒解雇は、就業規則の相対的必要記載事項である「制裁」に該当するため、処分を行う場合は規定を設けなければなりません。
就業規則などに根拠規定がない、あるいは規定に違反して行われた次のケースでは、不当解雇と判断される可能性があります。

  • 就業規則に懲戒事由や手続きが定められていないのに、懲戒解雇をした
  • 就業規則で休職規定が定められている労働者に、休職を与えずに解雇した
  • 就業規則を労働者に周知していないのに、規定を根拠として懲戒解雇した

[注2]労働基準法/e-Gov
労働基準法
[注3]労働基準法/e-Gov
労働基準法第89条(作成及び届出の義務)

不当解雇にならない「正当な解雇」とは

解雇は会社側に厳しい条件が課されていますが、客観的に合理的な理由があり、社会通念上も相当と認められる場合は、法的に有効です。
正当性を確保するためには、解雇を行う前に、労働者に対して指導や教育、配置転換、猶予期間等の改善の機会を十分に与えなければなりません。
ここでは、以下の3つのケースで、解雇の正当性が認められる条件等を紹介します。

  • 懲戒解雇
  • 整理解雇
  • 普通解雇

懲戒解雇

懲戒解雇とは、従業員の重大な企業規律違反を制裁するために行う解雇です。
会社が行う懲戒処分の中で、最も重い制裁罰となります。
具体的には、次のとおりです。

  • 会社の金銭を、私的な出費に使用する目的で横領した者を、懲戒解雇した
  • 悪質なパワハラやセクハラ等を行い、会社が指導注意しているのにも関わらず、改善や反省が見られない者を、就業規則の規定を根拠に懲戒解雇した
  • 無断欠勤や遅刻、早退等を繰り返し、出勤を督促しても応じない労働者を、就業規則の規定を根拠に懲戒解雇した

懲戒解雇を有効にするためには、段階的な懲戒処分を行った経緯と、証拠の確保が重要です。
会社が指導や教育を尽くしたにもかかわらず改善が見られず、最終手段として懲戒解雇に至った経緯と結果を示す必要があります。
最も重い制裁罰であるため、解雇の有効性の判断が厳しく問われる点に、特に注意が必要です。

整理解雇

整理解雇とは、財務状況の悪化等、会社の経営上の必要性から人員削減を目的として行う解雇です。
有効な整理解雇と認められるためには、次の4つの要件をすべて満たさなければなりません[注4]。

  • 人員削減の必要性:人員削減が不可欠であるほど、経営状況が厳しいか
  • 解雇回避努力の実施:希望退職の募集や配置転換、役員報酬カットなど、解雇回避のために努力を尽くしたか
  • 人選の合理性:対象者を恣意的に選ばず、能力や勤続年数など客観的・合理的な基準で決定したか
  • 手続きの妥当性:労働者や労働組合に事前に説明し、誠実に十分協議したか

これらの要件は、決算書や経営資料等の客観的な証拠で、会社が立証しなければなりません。

不当解雇に該当する具体例は、次のとおりです。

  • 整理解雇を行う一方、新卒採用を行っている
  • 性別のみを理由に整理解雇の対象とした

普通解雇

普通解雇とは、従業員の労働契約上の債務不履行や能力不足を理由に行う解雇の内、懲戒等の制裁を伴わない場合を指します。
具体例は、次のとおりです。

  • 著しい能力不足が認められ、会社が指導や教育、配置転換等の改善機会を十分与えたにも関わらず、改善が見られないため普通解雇をした
  • 専門知識や資格を前提として待遇を優遇して採用した者が、求められていた専門性を有していない事実が判明し、普通解雇をした
  • 会社の服務規律を繰り返し違反する労働者に対し、再三の指導注意を行ったが改善が見られないため、普通解雇をした
  • 私傷病によるけがや病気により、休業等の回復の機会を与えたが、業務が遂行できるまで回復できなかった労働者を解雇した

普通解雇であっても、指導や教育、配置転換等の改善機会の付与と、その記録化・証拠保全が欠かせません。
裁判等に発展した場合、会社が有効な証拠を示せなければ、不当解雇と判断される恐れがあります。

[注4]労働契約の終了に関するルール

不当解雇に関する裁判例

解雇の正当性は、最終的に裁判所が判断するため、裁判例の理解は欠かせません。
裁判例を知れば、会社側が解雇の有効性を主張する際に必要な証拠や手続きなど、勝ち筋を導くポイントを把握できます。

ここでは、能力不足による解雇や、社会通念上の相当性など、解雇の有効性が争われやすい事案を中心に解説します。

日本ヒューレット・パッカード事件

コンピュータ機器会社に勤務していた管理職である労働者が「勤務態度が著しく不良で、改善の見込みがない」として、普通解雇されました。
勤務態度不良は約5年にわたって続き、状況の改善も見られず、社内業務だけではなく、取引先との信頼関係にも支障が生じる事態でした。
裁判では、上司による日常的な注意に加え、会社が労働者に指導・教育を継続的に行ってきた点を評価し、本件解雇を有効と判断しました。

この判例のポイントは、会社が改善の機会を与えるため、長期間にわたり指導・教育を継続してきた経緯が評価された点です。

事件名:日本ヒューレット・パッカード事件

裁判所・部:東京高裁

判決日:2013年3月21日

要旨:労働者の長期的な勤務態度不良を理由に、就業規則に基づいて行われた解雇の有効性が争点となった事件。

裁判所は、会社が継続的に指導・教育を行っていたにもかかわらず改善が見られなかった点を重視し、解雇は有効であると判断した。

出典:全国労働基準関係団体連合会:労働基準判例検索

高知放送事件

宿直勤務中のアナウンサーが、寝過ごしにより早朝ニュースを放送できない事故を二度起こしたとして、会社から解雇されました。
裁判では、放送会社として対外的な信用を損なう恐れがあった点や、労働者側の落ち度を一定程度認めました。
しかし、本件事故はいずれも悪意や故意ではなく、放送事故の時間も長時間ではありませんでした。
また、本来アナウンサーを起こす役割を担っていた別の労働者がけん責処分にとどまっています。
これらの点を総合的に考慮し、裁判所は、解雇が「社会通念上相当ではない」と判断しました。

この判例のポイントは「社会通念上の相当性」が、問題行動の原因や背景、他の労働者との処分の均衡などが総合的に考慮された点です。

事件名:高知放送事件

裁判所・部:最高二小

判決日:1977年1月31日

要旨:アナウンサーの寝過ごしによる放送事故を理由とする普通解雇の有効性が争われた事件。

最高裁は社会通念上の相当性を欠くとして、原審の解雇無効判断を支持した。

出典:全国労働基準関係団体連合会:労働基準判例検索

キャノンソフト情報システム事件

自律神経失調症等で病気休職中のプログラマーが、休職期間満了後について復職の意思を示し、医師の診断書も提出していました。
しかし、会社は復職の可否について交渉や検討、配置転換等の配慮を行わないまま復職を認めず、休職期間満了を理由に退職扱いとしました。
裁判所は、これらの会社対応を重視し、休職満了での退職扱いは就業規則の適用を誤ったとし、無効としました。
この判例のポイントは、会社は労働者の就労可能性について、主体的かつ具体的に検討する姿勢が求められる点にあります。

事件名:キャノンソフト情報システム事件

裁判所・部:大阪地

判決日:2008年1月25日

要旨:休職期間満了後の退職扱いが、労働者の復職意思や医学的裏付けを無視した不当な扱いとして無効とされた事件。

裁判所は、会社が復職判断を適切に行わなかった点を重視し、原告の主張を認めた。

出典:全国労働基準関係団体連合会:労働基準判例検索

裁判で不当解雇と認定された会社側のダメージ

不当解雇が判断された場合、会社側には次のダメージが生じます。

  • 労働基準法違反による罰則
  • 解決金やバックペイ等の支払い
  • 解雇した従業員を復職させる必要性
  • 社会的信用の損失

ここでは、それぞれのダメージについて詳しく説明します。

労働基準法違反による罰則

労働基準法の規定に違反した解雇には、罰則の規定があります。
労働基準法違反は刑事罰が適用され、具体的には6カ月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
処分を受ける対象者は、会社の代表者だけではなく、不当解雇について具体的な指示を行った管理職等も含まれます。

解決金やバックペイ等の支払い

不当解雇が認められると、解雇は無効となり、労働者は引き続き会社に在籍している扱いとなります。

この場合の解決手段のひとつとして、労働者の退職を前提に解決金を支払う方法があります。
不当解雇における解決金は高額となる傾向にあり、その労働者が働いて得る賃金の6~12カ月以上が相場です。
また、訴訟によって不当解雇が認められると「バックペイ」と呼ばれる賃金の支払いが発生します。
バックペイとは、解雇された労働者が解雇期間中に働いて得たとされる賃金です。
ノーワークノーペイの原則から、会社側がパックペイについて疑問を感じるケースも多くあります。
しかし「解雇期間中に労働者が働けなかったのは会社の責任」という理由から、会社は遡って賃金を支払わなければなりません。

バックペイは、紛争が長期化するほど金額が膨らむ点にも注意が必要です。
通常、訴訟を起こされた場合は、解決までにかかる期間が約1~2年以上となるため、バックペイの金額も高額になる可能性があります。
解決金と合わせると、支払総額が数百万円から1,000万円以上の規模に達するケースも少なくありません。

解雇した従業員を復職させる必要性

不当解雇と認定されると、解雇は最初から無効となるため、労働者は復職を求める権利を有します。
実際に復職した場合、その労働者と解雇をめぐって争った背景や経緯から、職場内の人間関係に精神的負担が生じやすくなります。
その結果、職場の士気の低下や、新たなトラブルが発生しかねません。
さらに、人員配置の見直しが必要となるほか、人件費の負担も生じます。

こうしたリスクを回避するため、会社側は退職を前提に解決金を上乗せし、和解による解決を目指すケースが一般的です。

社会的信用の損失

裁判所による審理は公開で行われるため、訴訟の結果として不当解雇が認められると、会社の社会的信用が損失する恐れがあります。
会社が解雇を行った経緯や労働者とトラブルになっている内容、最終的に不当解雇が認められた事実がすべて公になります。
世間に悪いイメージで社名が広まれば、社内の人材流出だけではなく、その後の人材獲得面や取引先との関係にも影響が及ぶと考えられるでしょう。

不当解雇で裁判になった場合の会社の対処法

解雇を行った後に労働者側から不当解雇を訴えられた場合に、適切な対応を取らなければ、会社が受けるダメージを軽減できません。
ここでは、不当解雇を訴えられた会社ができる対処法について解説します。

解雇理由・証拠を整理する

不当解雇を訴えられるとき、労働者から「解雇理由証明書」が求められるケースが多くあります。
解雇理由証明書とは、会社が労働者を解雇した理由を記載した証明書を指し、法律によって会社に作成義務が規定されています。
解雇理由の記載では、経緯や根拠となる就業規則の条文の明示、事実関係が整理された明確な記載が重要です。

事実と異なる内容を記載すると、その後の交渉において不利益となる恐れがあります。
また、解雇理由証明書に記載した理由を裏付けるための証拠集めも、同時に行いましょう。
有効な証拠は個々の事案に応じて異なりますが、一般的な例は次のとおりです。

  • 就業規則
  • 遅刻、早退、無断欠勤等の事実がわかるタイムカード等
  • 業務改善指示命令書や指導記録
  • 労働者が行った不正の証拠(メール、管理ログ、写真、防犯カメラ映像等)

解雇理由や証拠は、上司等の主観的な感情ではなく、客観性がなければなりません

早期に弁護士へ相談する

解雇をめぐるトラブルにおいて、その場しのぎの対応をすると、問題の蒸し返しや事態の深刻化が生じる恐れがあります。
結果として、金銭面や会社運営全体へのダメージが大きくなりかねません。
早い段階で弁護士に相談すれば、会社の状況整理から、解決方針の検討、証拠の集め方まで、法的な視点で助言を受けられます。

また、示談交渉だけではなく、労働組合や労基署の介入、労働審判や訴訟への発展など、状況に応じた対応が求められる場面があります。
弁護士に代理を依頼すれば、相手方の主張や各手続きの特性を踏まえた交渉が可能です。
特に労働審判や裁判では、専門的な主張や立証が求められるため、弁護士の関与が必須といえるでしょう。

不当解雇問題を弁護士に依頼する費用

不当解雇トラブルは、バックペイの支払いなどにより、会社が想定以上の金銭的負担を負いかねません。
早い段階で弁護士に相談すれば、不要な損失を回避しやすくなり、結果的に将来生じる金銭的ダメージを抑えられます。
ここでは、不当解雇を弁護士に依頼するときに発生する費用と相場を解説します。

相談料

弁護士への相談料は、30分〜1時間あたり5,000円〜1万円が一般的です。
初回相談を無料としている事務所も少なくありません。
まずは無料相談を活用し、解雇がどの程度リスクを伴うのかを整理するだけでも有益です。

着手金

着手金は、弁護士が依頼を受け、事案への対応を開始する際に支払う費用です。
結果の良し悪しに関わらず、費用が発生します。
相場は、労働審判で30~50万円程度、訴訟では50万円以上が一般的です。
また、会社側が目指す解決内容や経済的利益(減額目標)など、個別の事情に応じて金額が調整されるケースもあります。

報酬金

報酬金(成功報酬)は、会社側が得た「経済的利益」を基準に算定されます。
たとえば、労働者から100万円を請求された場合、弁護士対応により解決金を50万円まで減額できた場合、差額の50万円が会社の経済的利益です。
報酬金の相場は、経済的利益(この場合は差額の50万円)に対して15~20%とされています。
減額できた金額の一部を報酬として支払うしくみのため、結果的に経済的負担が軽くなる可能性が高いといえるでしょう。

日当、タイムチャージ

日当は、弁護士が遠方へ出張する場合や、裁判所への出廷するときに発生する費用で、相場は5〜10万円です。
タイムチャージは、作業時間に応じて費用が発生する計算方法で、1時間あたり1〜3万円が相場です。
依頼時には、これらの付帯費用が発生する条件や金額の上限を必ず確認しましょう。

諸経費

諸経費とは、弁護士報酬とは別に発生する実費です。
コピー代や切手代、交通費・宿泊費などのほか、収入印紙代も含まれます。
訴訟に移行した場合は、収入印紙代は請求額に応じて変動するため、高額になるケースもあります。

不当解雇問題を依頼する専門家の選び方

不当解雇問題を扱う弁護士の中でも、労働者側弁護士と使用者側弁護士では得意分野や知見が異なります。
適切な弁護士選びは、企業のダメージを最小化するために重要な要素です。
会社に発生するバックペイや信用失墜などのリスクを十分に理解し、企業防衛に特化した使用者側専門の弁護士を選びましょう。
ここでは、使用者側弁護士の選び方のポイントについて、詳しく解説します。

企業側の労働問題に精通している

弁護士には様々な得意分野があるため、会社側の労働問題に特化した専門家選びが重要です。
弁護士のホームページがあれば「労働者側の案件は受けない」「企業法務に特化」といったポリシーを明記しているかを確認しましょう。
単に「労働問題に強い」という謳い文句だけで選ばず、過去に使用者側として解雇有効判決などの解決実績があるかも必ず確認しましょう。

解決実績がある

解決実績の確認では、過去の解雇トラブルで、会社側の主張がどの程度認められたかを確認します。
具体的には、請求額の減額割合や解雇有効判決の有無等です。
特に、労働審判の対応経験が豊富であるかを重視しましょう。
労働審判はスピーディな判断や対応が求められるため、経験豊富であるほど、適切な戦略を立てやすく、信頼できます。

専門チームを組んでいる

労働審判や訴訟は予期しないタイミングで発生するケースが少なくありません。
担当弁護士が1人だけの場合、スケジュールや体調不良で対応できないリスクがあります。
専門チームを組む弁護士事務所であれば、これらのリスクをカバーできます。
さらに、複数の弁護士が知恵を出し合うため、より多角的な解決や交渉戦略が期待できます

まとめ

不当解雇は「客観的に合理的な理由」と「社会通念上の相当性」、「労働基準法」「就業規則」の遵守という4つの条件で判断されます。
不当解雇が認められた場合、巨額のバックペイや復職リスクなど、会社側は金銭的・経営的に重大なダメージを負いかねません。

解雇手続きは事前準備がすべてであり、指導記録などの証拠収集を怠らない対応が重要です。
問題社員への対応は、訴訟に発展する前に使用者側専門の弁護士に相談し、解決方針を検討すれば、会社のダメージを抑える最善策となります。
不当解雇の紛争を避けるため、問題社員への対処や解雇手続きについてお困りの経営者様は、使用者側専門のVSG弁護士法人にご相談ください。

関連記事

    top