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労働基準監督署の呼び出し調査とは?呼び出される理由と正しい対応方法を徹底解説

弁護士 福西信文

この記事の執筆者 弁護士 福西信文

大阪弁護士会所属。京都市出身。
労働環境が激変する現代において、企業が直面する労務リスクは経営の根幹を揺るがしかねない重要課題です。私は、大学卒業後のIT企業勤務、経営コンサルタント、企業役員といった10数年のビジネス現場での経験を経て弁護士となりました。
法律はあくまで手段であり、目的は「企業の持続的な成長と安定」であるべきだと考えています。そのため、単に「法的に可能か不可能か」を答えるだけでなく、現場のオペレーションや事業への影響、経営者の想いを汲み取った上での「最適な次の一手」を提示することを最優先しています。
使用者側(企業側)の専門弁護士として、労働紛争の早期解決はもちろん、トラブルを未然に防ぐための強固な労務基盤の構築を支援いたします。経営者の皆様が事業に専念できるよう、法的側面から強力にサポートさせていただきます。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/fukunishi/
書籍:「事業をやり直したい」と思ったときの会社のたたみ方
監修:プロが教える!失敗しない起業・会社設立のすべて
共著:民事信託 ――組成時の留意点と信託契約後の実務

労働基準監督署の呼び出し調査とは?呼び出される理由と正しい対応方法を徹底解説

この記事でわかること

  • 労働基準監督署の呼び出し調査とは何か
  • 労働基準監督署から呼び出される理由
  • 呼び出し調査の流れと当日の対応方法
  • 呼び出し調査での注意点・NG対応
  • 呼び出し調査を受けた企業が取るべき対応策

労働基準監督署は、使用者や労働者に対して報告・出頭を命じる権限を持っています(労基法第104条の2)[注1]。
応じない場合は、労基法第120条[注2]により30万円以下の罰金となる可能性があり、通知の放置は望ましくありません。
呼び出しに応じないと、臨検が行われる場合もあります。
臨検は原則として予告なしで実施される点にも注意が必要です。
呼び出し調査の通知を受け取った際は、内容を確認して必要となる書類の準備や社内状況の整理を行いましょう。
状況に応じた専門家への相談も大切です。
この記事では、労基署の呼び出し調査についての基礎知識と会社の対応を解説します。

労働基準監督署の呼び出し調査とは

労働基準監督署の呼び出し調査とは、労基署が事業主などに必要書類を署内に持参させ、ヒアリングを中心に行う調査です。
状況によっては、監督官[注3]による事業場への立ち入り調査(臨検)や是正勧告と併せて実施される場合もあります。

呼び出し調査には特有の目的と実施方法があり、立ち入り調査や抜き打ち調査と異なる点があります。

呼び出し調査の目的と概要

呼び出し調査は、労働者の権利を守るために労基署が行う行政指導のひとつです。
企業の担当者に指定日時に書類などを持参させ、長時間労働や未払い残業代、労災かくしなどの違反がないか、法令遵守状況を確認します。
監督官は帳簿や書類の提出を求め、関係者に質問する権限を持っているため[注4]、会社は通知に沿った対応が求められます。

調査の結果、法令違反が確認された場合は「是正勧告書」や「指導票」が交付され、会社は期日までに改善対応を行わなければなりません。
会社の対応が不適切な場合、臨検が行われる可能性があります。
特に重大・悪質な事案では、司法警察の職務として捜査や送検が行われる恐れもあるため、注意が必要です。

立ち入り調査・抜き打ち調査との違い

調査には、労基署が企業の担当者を呼び出して来署させる方法のほか、監督官が直接事業場に立ち入る臨検があります。
監督官は労基法第101条[注5]に基づき、帳簿提出の要請や使用者・従業員への尋問を行う権限を持っています。

来署型は、指定日に持参された書類を基に、担当者へのヒアリングを中心に進める調査です。
一方、臨検は原則事前の通知なしで実施され、帳簿の閲覧や従業員への質問、作業場の視察が加わるため、会社の普段の労務管理が調査されます。
いずれの場合も、会社は適切な準備と対応が求められ、違反があれば是正指導や改善報告が必要です。

労働基準監督署から呼び出される理由

労基署から呼び出しを受ける理由はいくつかあり、主な理由は以下の通りです。

  • 従業員や元従業員からの申告や通報
  • 労働基準法違反の疑いがある場合
  • 是正勧告を受けた後の対応状況の確認
  • 定期監督や統計サンプリング

呼び出しの予測は難しいものの、代表的な理由を押さえておけば、不意の通知にも落ち着いて対応しやすくなります。

従業員や元従業員からの申告・通報

従業員だけでなく、退職した元従業員からの申告や通報をきっかけに、労基署の調査が行われる場合があります。
内容としては、未払い残業代、長時間労働、労働条件の食い違い、不当解雇、パワハラなど、日常業務で起こりやすいトラブルが中心です。
労基署は、寄せられた申告が事実に基づくかを確かめるため、呼び出し調査を実施します。

なお、申告者については開示されない場合もありますが、誰が申告したか探るような行為は避けましょう。
申告者に不利益を与える行為は法律で禁止されているため、不利益扱いが行われないよう配慮が求められます(労基法第104条2項)[注1]。

労働条件・残業代・解雇などの労基法違反の疑い

労働条件や残業代、労災かくし、解雇手続きなどに労基法違反の疑いが生じた場合、労基署は状況を確かめるために調査を行います。
日々の労務管理の運用チェックが中心となるため、企業側にとっても思わぬ見落としが原因となるケースが少なくありません。
調査では、一般的に次のような項目が確認されます。

  • 36協定の締結状況と上限時間の遵守状況
  • 法定帳簿や就業規則の整備状況
  • 労働条件の明示内容と方法
  • 割増賃金の支払い状況や計算方法
  • 解雇手続きの適法性

これらは法律のルールと実際の運用が一致しているかがポイントとなるため、日頃の運用を明確に示す準備が重要です。

是正勧告後のフォローアップ

過去に労基署から是正勧告を受けたにもかかわらず報告をしていない、または改善が不十分だと判断されるケースがあります。
このような場合、改善状況の確認や行政指導の目的で呼び出しを受ける可能性があります。
過去の是正勧告の報告期限と内容を確かめ、自社の改善対策の状況も確認しましょう。

提出する書類には、是正計画書のほか、改善が実際に行われた事実を示す資料が求められます[注6]。
文章での表現が難しい場合は、図表や補足資料の添付も可能です。
追加の指導や対応の長期化を避けるために、改善対応と報告を確実に行いましょう。

定期的な監督・統計的サンプリング

労基署の調査は、従業員からの申告や違反の疑いがあるケースにとどまりません。
労基署は定期的に管轄内の事業場を監督しており、定期監査の対象として企業が抽出され、呼び出しを受ける場合があります。

さらに、法令遵守の状況を把握するために、統計的なサンプリングとして選ばれる場合もあります。
企業で起こりやすい違反の傾向を把握し、注意喚起につなげるためです[注7]。
新しい法律が施行された際は、対象の業界・規模の会社の運用状況が確認されるケースも少なくありません。
いつ調査を受けても困らないよう、普段から法令を守る視点を持った体制整備が重要です。

呼び出し調査の流れと当日の対応方法

呼び出し調査は、出頭要請書の内容確認から当日のヒアリングに向けた準備、調査後の改善まで、一連の流れがあります。
事前に全体像を把握しておくと、スムーズな対応が可能です。
以下の流れとポイントを押さえておきましょう。

  • 出頭要請書の内容確認
  • 当日の持ち物や書類の準備
  • 当日の質問内容と対応ポイント
  • 調査後の指導や是正勧告

以下では、それぞれのポイントをくわしく解説します。

出頭要請書を受け取ったら確認すべきこと

呼び出しは「出頭要請書」によって通知されます。
受領したら、以下の項目を確認し、必要な基本情報を社内で共有しましょう。

  • 日時
  • 場所(管轄の労基署)
  • 担当監督官名
  • 調査の目的
  • 提出書類と対象期間
  • 社内担当者へのヒアリング事項

日時や必要書類の確認が不十分だと、適切に対応できず、調査の正確性に影響が生じる可能性や調査が長引く原因になります。
また、提出書類の整合性を保つため、勤怠管理・給与計算・労務管理に関わった担当者へ、記録の作成方法や当時の運用状況をヒアリングします。
これは当日の質問に対して、事実と異なる説明を避けるための事前準備として重要です。

当日の持ち物・提出書類

監督官は労基法第101条[注5]により、帳簿や書類の閲覧権限を持ちます。
持参すべき書類などは調査内容によって異なりますが、次のような書類の提出が求められるケースが一般的です。

  • 就業規則
  • 36協定書
  • 賃金台帳
  • 出勤簿
  • 労働者名簿
  • 有給休暇管理簿

この他に提出が求められている書類があれば、必ず持参します。
原則は、出頭要請書に記載された期間や人数の範囲を確認し、その指示に沿って準備を進めましょう。
賃金台帳や出勤簿などは期間の指定があれば該当部分を、指定がなければ直近3~6カ月分を目安に持参します。
従業員の対象範囲も同様で、出頭要請書に明記がある場合はその指示に従います。
全従業員が対象とされている場合は、全員分の帳簿が必要です。

調査当日の質問内容と対応のポイント

調査当日は、担当監督官から出勤簿や賃金台帳、残業管理の方法、就業規則の運用などについて、持参書類を基に具体的な質問を受けます。
回答は事実に基づき簡潔に行い、内容が不明な場合は推測で答えず「確認のうえ後日報告します」と誠実に対応する姿勢が重要です。
曖昧または不正確な事実に基づく回答は、調査の正確性に影響が生じるだけでなく、虚偽の説明と見なされる恐れもあります。

また、監督官とのやり取りの内容や指摘事項は、その場限りにせず記録として残しておきましょう。
ヒアリング時の指摘事項の記録は、後日の社内説明や改善対応策の検討がスムーズです。

調査後の指導内容・是正勧告の流れ

ヒアリングや調査の結果として法令違反が確認されると、行政指導として「是正勧告書」や「指導票」が交付されます。
これらには改善すべき内容と期限が明記されるため、指摘事項ごとに改善計画を立てます。
指定された期限内に報告書を提出できるように、計画的に改善対応を実施しましょう。

改善報告書を提出する際は、改善を裏付ける資料の添付も必須です[注6]。
たとえば、未払い残業代が発生していた場合は、修正後の計算方法がわかる資料や支給済みの給与明細を提出します。
就業規則に関する指摘があった場合は、改定後の規程に加え、変更内容を確認できる資料を準備すると報告がスムーズです。

呼び出し調査での注意点・NG対応

労基署の調査は、法令に基づく権限で行われます。
不適切な対応や不誠実な態度は、罰則を受ける可能性があるため、調査における注意点やNG対応を事前に確認しておきましょう[注8]。
呼び出し時に避けるべきポイントは、次の通りです。

  • 出頭を無視・拒否する
  • 虚偽の説明や書類改ざん
  • 従業員への不当な圧力や口止め
  • 誠実さを欠いた対応や改善姿勢の欠如

出頭を無視・拒否するリスク

出頭要請があるにもかかわらず、無視や拒否、手続きの遅延を繰り返して調査を妨げる行為は行ってはいけません。
正当な理由なく応じない場合、隠蔽や法律違反の疑いが強まり、調査の目が厳しくなります
結果として、労基署が直接立ち入り調査を行う可能性や刑事罰の対象となる恐れもあります[注9]。

指定日時にどうしても対応できない場合は、すみやかに労基署に連絡し、正当な理由を説明のうえ日程変更など再手配を申し出ましょう。
このとき、期日の延長を何度も申し出ると、妨害行為と見なされる可能性があるため、日程調整は慎重に行います。

虚偽説明・書類改ざんは刑事罰の可能性

労働基準監督官へのヒアリングや提出書類に対して、虚偽の説明や書類の改ざん、証拠隠滅を行ってはいけません。
こうした行為は労基法第120条4号違反[注9]に該当し、30万円以下の罰金が科される可能性があります。
誤った対応は刑事罰だけでなく、調査全体の信頼性を損ない、追加指導や改善指示が長引くリスクもあるため、注意が必要です。

書類に誤りや不備があった場合は元データから修正してしまうと、改ざんとみなされる可能性があります。
訂正が必要な場合は訂正過程がわかるように正確に行い、必要に応じて補足を添えて対応する方法が適切です。

従業員への不当な圧力・口止めは逆効果

呼び出し調査は従業員の申告によって行われる場合があります。
申告者は必ず開示されるわけではありませんが、判明しても不当な圧力や報復行為を行ってはいけません(労基法第104条2項)[注1]。
また、法令違反の発覚を恐れて、従業員に圧力をかけて口止めする行為も同様に禁止です。
発覚すると調査が厳格化され、悪質と判断されれば罰則の対象となる可能性もあります[注7]。

不利益扱いを防ぐため、従業員が安全に相談できる窓口の設置、調査対応や是正手順の社内周知が重要です。
会社が法令順守の姿勢を示せば、従業員も正しい体制を理解し、会社全体で適切な改善対応を進めやすくなります。

誠実な対応と社内改善の姿勢が重要

出頭の無視や拒否、隠蔽と捉えられる書類の改ざんや従業員への圧力などの行為は、労基署に対して法令違反の疑いを強める要因です。
是正勧告を受けた場合は、問題点を正確に把握し、真摯に受け止めたうえで改善策を示しましょう。
会社としてコンプライアンス遵守の姿勢を明確に示す対応が、労基署への信頼回復につながります。

具体的な改善策には、次のような対応が挙げられます。

  • 是正計画の策定と実施
  • 再発防止策の策定と実施
  • 社内研修強化

改善策は一度だけ行うのではなく、従業員に周知して全社的に取り組み、継続的に実施できるしくみを整えましょう。

呼び出し調査を受けた企業が取るべき対応策

呼び出し調査への対応策は、大きく分けて5つのステップで進みます。
以下の全体の流れを把握しておくと、スムーズな対応が可能です。

  • 初動対応(通知の確認)
  • 出頭準備
  • 調査当日
  • 是正勧告
  • 改善報告

ここでは、特に是正勧告後の対応を中心に、期限内の報告や必要に応じた専門家相談など、企業が取るべき対応策についてくわしく解説します。

是正勧告書を受け取った後の対応手順

是正勧告書を受け取った後は、次の流れで対応を進めます。

  • 是正項目の整理
  • 対応策の優先順位決定
  • 対応策の期限内の実施
  • 証跡の保存

是正項目は関係部署ごとに仕分けし、改善責任者と実施スケジュールを明確にします
複数の是正項目がある場合は、期限内に確実に実施・報告ができるように、優先順位をつけて対応しましょう。
これらの情報を社内で共有すれば、作業の重複や漏れを防げます。

また、実施した内容が客観的に確認できるよう、規程の改訂記録や台帳の修正履歴などの証跡を整えておくと、後の報告がスムーズです。

よりくわしい手順は次のリンクをご確認ください。

期限内に是正報告書を提出する方法

是正勧告を受けたあとは、期限内に改善内容を整理し、報告書を提出します。
様式は原則として労基署交付の報告書を使用しますが、全国で統一されているわけではありません。
記載すべき項目は次のとおりです。

  • 改善内容
  • 実施日
  • 再発防止策

違反項目ごとに、具体的な方法や対応状況を示す必要があります。
たとえば「改善しました」だけの記述では不十分です。

監督官が是正状況を正確に把握できるように、就業規則の改訂後の写しや台帳の修正記録など、内容を裏づける資料も必ず添付します。
提出は来署・郵送のどちらでも可能ですが、指定期限に確実に間に合う方法を選びましょう。

弁護士・社労士への相談を検討すべきケース

是正勧告の指摘内容が複雑で法的判断が必要なときは、弁護士や社労士など専門家への相談を検討しましょう。
相談が効果的な例として、次のようなケースが挙げられます。

  • 金額の大きい未払い賃金
  • 多数の是正項目
  • 解雇トラブルの同時発生
  • 反社会的勢力との関わり

特に、刑事告発の可能性があるケースや社内だけでは適切な対応方針を判断しにくい状況では、対応を誤ると企業側のリスクが高まります。
早期に専門家へ相談すれば、状況整理や適切な改善策の立案がスムーズです。

労基署の調査や是正勧告の対応でお困りの企業様は、VSG弁護士法人へご相談ください。

まとめ

労基署から出頭要請書が届いたら、指示内容に沿って誠実に対応する姿勢が重要です。
調査に適切に応じない場合など、状況によっては次の段階として臨検が行われ、法令違反が確認されれば是正指導へ進みます。
指導を受けた後は、期限内に社内での是正対応と報告を完了させ、再発防止策まで確実に実施しましょう。
労基署の調査や是正対応にお悩みの企業様は、労務問題に強いVSG弁護士法人へご相談ください。

[注1]労働基準法/e-Gov
労働基準法第104条の2

[注2]労働基準法/e-Gov
労働基準法第120条

[注3]労働基準監督官の仕事

[注4]労働基準監督官の権限

[注5]労働基準法/e-Gov
労働基準法第101条

[注6]労基署からの指摘に対する是正・改善報告書の作成について

[注7]労働基準監督官の主な業務

[注8]労働基準法/e-Gov
労働基準法第13章 罰則

[注9]労働基準法/e-Gov
労働基準法第120条4

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