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労働保険料の支払い時期は?年3回の分割納付や口座振替のケースも解説

弁護士 中野和馬

この記事の執筆者 弁護士 中野和馬

東京弁護士会所属。東京都出身。
労働問題は、ひとたび対応を誤れば、金銭的損失だけでなく企業の社会的評価をも大きく傷つける要因となります。私は弁護士になる前、公務員として自治体業務に従事してきました。そこで培われた「公正な判断力」と「ルールに対する厳格な姿勢」は、現在、使用者側の弁護士として企業のコンプライアンスを守る上での強力な基盤となっています。
私の信念は、常に「申し開きのできる仕事」をすることです。労働紛争においても、単にその場をしのぐ解決ではなく、企業の将来を見据えた透明性の高い解決策を提示いたします。複雑な法律の仕組みも、あたかも「複雑な迷路を解きほぐす地図」のように、経営者様に分かりやすく整理してお伝えします。
弁護士は敷居が高いと思われがちですが、私は常に話しやすいパートナーでありたいと考えています。労働問題という正解のない課題に対し、経営者様と密にコミュニケーションをとり、共に最適な解決策を見出していくことをお約束します。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/nakano/

労働保険料の支払い時期は?年3回の分割納付や口座振替のケースも解説

この記事でわかること

  • 労働保険のしくみと支払いの基本
  • 労働保険料の支払い時期の原則と例外
  • 延納や支払い遅れのペナルティと対処法
  • 労働保険料の納付方法

年度更新とは、労働保険料(労災・雇用)を申告し、納める手続きです。
期間は原則6月1日〜7月10日(2025年は6月2日開始)と決められています。
延納は、概算保険料が40万円(片方の保険のみ加入は20万円)以上、または労働保険事務組合への事務委託により可能です。
納付は7月11日・10月31日・翌1月31日の3回に分かれ、口座振替の場合は後日引落としとなります。
期限を過ぎると延滞金などのリスクもあるため、期限管理が重要です。
この記事では労働保険料のしくみと注意点をくわしく説明します。

労働保険料とは?しくみと支払いの基本

労働保険料とは?しくみと支払いの基本

労働保険とは、労災保険と雇用保険の総称です。
事業主は毎年度(4月1日から翌3月31日)の保険料を申告して納めます。
手続きは、前年度分の保険料を確定させ、次年度の保険料を概算で申告・納付する繰り返しです[注1]。
実際には、確定保険料(徴収法19条)[注2]と次年度の概算保険料(徴収法15条)[注3]をまとめて手続きします。

労働保険料の内訳(労災保険料・雇用保険料)

労働保険料は、労災保険料と雇用保険料が含まれており、どちらも事業主が申告して納める必要がありますが、負担のしくみが異なります[注4]。

労災保険は、業務に関わる怪我や病気に対して治療や休業の補償を行う制度で、日雇いを含むすべての労働者が対象です。
保険料は全額事業主負担で、労働者に負担はありません。

一方、雇用保険は労働者の失業給付、育児・介護休業中の賃金補償、さらに事業主向けの助成金などに使われます。
加入要件を満たす労働者には保険料負担があり、会社は給与から保険料を控除して、会社負担分と合わせて納付します。

支払いは「年度更新」で原則年1回

年度更新は、労働保険料を年1回まとめて申告・納付する手続きです。
全国共通で毎年6月1日〜7月10日に行われます。

手続きでは、前年に支払った賃金総額をもとに、前年度分の確定保険料と一般拠出金を算出します。
一般拠出金とは、石綿(アスベスト)健康被害者の救済費用に充てるために、すべての労災保険適用事業場が負担する費用です。
当年度に支払う予定の賃金見込額から概算保険料を計算し、確定保険料・一般拠出金と同時に申告・納付します。
このように、確定と概算の保険料を同時に申告・納付する手続きを、毎年繰り返します。

納付先と手続きの流れ

年度更新は、申告と納付の両方を行ってはじめて成立する手続きです[注5]。
申告先と納付先は異なるケースがあるため、事前に確認しましょう。

【申告】

申告書は複写式で、1枚目を提出し2枚目は控えとして保管します。
・提出先:労働局、労基署、年金事務所内の徴収事務センター、金融機関
・提出方法:持参、郵送、電子申請
金融機関と事務センターでは添付書類があるケースや郵送は受け付けていません。
また、口座振替利用中または納付額0円の場合、金融機関への申告はできません。

【納付】

納付は、申告書下部の納付書を使い、金融機関で行います。
労働局・労基署に申告のみした場合でも、納付書を持参すれば金融機関で納付できます。
また、口座振替や電子納付も選択可能です。

[注1]労働保険の年度更新とは

[注2]労働保険料の徴収に関する法律/e-Gov
労働保険料の徴収に関する法律19条

[注3]労働保険料の徴収に関する法律/e-Gov
労働保険料の徴収に関する法律15条

[注4]労働保険への加入について
[注5]令和7年度労働保険の年度更新

労働保険料の支払い時期はいつ?

労働保険料の支払いは原則として年度更新時の年1回ですが、いくつかの例外があります。
延納の要件を満たした場合は、3回まで分割納付が可能です。
口座振替を利用する場合は、通常の納期限と異なる日程で引き落としされます。
また、年度途中で賃金見込額が大きく増えたときも支払いが必要となるケースがあります。
事業の開始・廃止時にも別途支払いが必要です。
以下では、支払時期についてくわしく解説します。

原則|毎年6月1日〜7月10日に一括納付

労働保険料は年度更新時に一括支払いが原則で、納付期間は全国共通で毎年6月1日〜7月10日の間です。
開始日や締切日が土日祝に重なる場合は、翌開庁日にずれます。
2025年度は6月1日が日曜日だったため、6月2日から7月10日までのスケジュールでした。
この納付期間に申告・納付しなかった場合、延滞金が発生する可能性があります。

一般的には5月中に労働局から申告用紙の封入された封筒が届きます。
なお、電子申請が義務化されている一部の法人は、2026年度からは封筒送付が原則廃止されているため、注意が必要です。
期限内の確実な申告・納付が求められるため、封筒が届いたタイミングで準備を始めるなど、早めの準備が重要です。

例外①|年3回の分割納付を利用できる場合

労働保険料は原則一括納付ですが、条件を満たせば3回まで分割できる「延納」が利用できます。
対象となる要件は、金額あるいは手続き面の2種類です。
金額の条件は、概算保険料の金額が40万円(労災保険か雇用保険のどちらかのみ加入の場合は20万円)以上の場合です。
手続き面の条件は、労働保険事務組合に事務委託している場合で、このケースでは金額に関係なく延納できます。
納付期限は決まっており、7月10日、10月31日、翌1月31日の3回です。
利用する際は、申告書に分割回数と納付額(通常は等分額)を記入して手続きします。

例外②|口座振替の引落日(法定納期限と異なる)

口座振替を利用すると、法定納期限とは異なる日に保険料が引き落とされます。
引き落とし日は、法定の納期限よりも遅れる傾向です。
2025年度の引落し日は1回目から順に9月7日、11月14日、2月16日でした(通常は7月10日、10月31日、2月2日)。
通常の納期限や引落日が土日祝に重なる場合は、金融機関の翌営業日となるため年度ごとに日付が変わります
なお、2回目以降の口座振替は延納が認められている場合に限られます。

口座振替を希望する場合は、希望納期に応じて決められた申込締切日までに申請しなければなりません。
年度更新期間中に申告がされていなければ、口座振替自体が利用できない点にも注意が必要です。

例外③|開業・廃止時の特例スケジュール

新たに労働者を雇い入れて適用事業となった場合や、事業を廃止した場合は、通常の納期限とはスケジュールが異なります[注6]。
労働者を雇用して新規適用となったときは、保険関係成立日の翌日から50日以内に、当年度分の「概算保険料」のみを申告・納付します。
成立日が10月1日以降の場合は、その年度の分割納付は認められず、一括納付しなければなりません。

一方、事業の廃止や最後の労働者が退職した場合、その翌日から50日以内に、それまでに支払った賃金額による「確定保険料」を申告・納付します。
既に納付した概算保険料より不足すれば追加納付となり、過剰が生じた場合は「労働保険還付請求書(様式第8号)」で還付を受けられます。

例外④|賃金総額が大幅に増加した場合の追加納付

事業拡大による労働者の増加や賃金の上昇などの理由により、一定の要件に該当した場合、年度途中でも追加の保険料支払いが必要です。
具体的には、賃金総額の見込額が当初よりも2倍を超えて増加し、かつ、その金額で計算した概算保険料が申告済額より13万円以上増えた場合です。
増加分は「増加概算保険料」と言い、追加で申告・納付します。
期限は、賃金総額の増加が見込まれた日の翌日から30日以内です。

延納の利用も可能ですが、当初の概算保険料を延納していて、かつ増加概算保険料の延納の申請が条件です。
延納を利用する場合でも、1回目の納期限は、原則どおり30日以内となります。

[注6]労働保険の年度更新

延滞金や支払い遅れのペナルティと対処法

労働保険料の納期限を過ぎると延滞金が発生し、放置すれば政府による認定決定や、督促・差押えなどの滞納処分へ進む恐れがあります[注7]。
延滞金の計算は日数・利率などによって変わり、対応が遅れるほど負担が大きくなるため、早期対応が重要です。
保険料の支払いが難しいときの、相談窓口や延納制度を確認しておきましょう。

延滞金の計算方法と発生条件

労働保険料について督促を受け、督促状に記載された指定期日までに納付しなかった場合、保険料とは別に「延滞金」が発生します。
延滞金は、本来の納期限の翌日から完納する日までの日数で計算され、未納期間が長くなるほど負担も大きくなるしくみです。
延滞金の算定に用いられる納期限とは、督促で新たに定められた期限ではなく、法定の納期限である点にも注意が必要です。

延滞金の額は、未納となっている保険料額に一定の料率を乗じて算出します。
ただし、具体的な料率は年度ごとに見直される場合があるため、厚生労働省の告示や手引きで最新情報を確認しましょう[注8]。

認定決定・督促・差押えのリスク

本来の納期限を過ぎても保険料を支払わない場合、徴収法27条[注9]に基づき、督促が行われます。
督促を受けた後も、指定された期日までに納付や相談がない状態が続くと、財産調査や催告へと移ります。
催告に対しても対応がなければ、国税徴収法に基づく滞納処分の例により、債権や不動産などの差し押さえの可能性があるため、放置は厳禁です。

また、年度更新をせずに確定保険料を申告・納付しない場合には、政府が保険料と一般拠出金を強制的に決定する「認定決定」が行われます。
認定決定がされると、本来の保険料に加えて10%の追徴金が発生する可能性があるため、納期限の厳守が重要です。

支払いが難しい場合の相談先・延納申請

労働保険料が支払えない場合であっても、放置は望ましくありません。
滞納すると督促や差押え、延滞金・追徴金の発生などリスクが増し、企業の信用低下や金銭的負担につながります。
支払いが困難な場合は、すみやかに管轄の労基署または労働局に相談しましょう
災害や財産盗難・事業損失など特別な事情に対する猶予制度が設けられており、利用できる可能性があります[注10]。

また、年度更新時の一括納付が負担となっている場合は、延納制度の活用を検討しましょう。
労働保険事務組合に委託すれば、概算保険料の金額に関係なく3回まで分割納付が可能です。

[注7]労働保険の保険料の徴収等に関する法律
[注8]「徴収関係事務取扱手引Ⅰ(徴収・収納)」の改訂について
[注9]労働保険料の徴収に関する法律/e-Gov
労働保険料の徴収に関する法律27条
[注10]労働保険料等を一時に納付できない方のための猶予制度について

労働保険料の納付方法

労働保険料の納付方法はいくつか種類があります。
申告書に附属する納付書を使った金融機関・郵便局での支払いのほか、口座振替、電子納付(e‑GovやPay‑easyなど)が可能です[注11][注12]。
それぞれの方法の特徴を理解し、スムーズに納付できる手段を選びましょう。

納付書による金融機関・郵便局での支払い

労働保険料のもっとも一般的な納付方法は、申告書に付随する納付書を使って、労働局や労基署、金融機関(銀行や郵便局など)で支払う方法です。
納付書は申告書同様、複写式になっており、納付後に事業主控えが発行されます。

なお、労働局・労基署で申告のみを行い、納付は金融機関で行うケースもあります。
この場合は申告書と納付書を切り離し、納付書だけを金融機関へ持参すれば支払いが可能です。

また、年度更新時の出張受付などでは、申告のみを受け付け、納付先として金融機関を推奨する場合があります。
出張受付などを利用する場合は、事前に納付方法を確認しておくと手続きがよりスムーズです。

電子申請の活用方法

労働保険料の年度更新は、e-Govを利用したオンライン申請が可能です。
電子申請を行うと、電子納付が利用でき、申告から納付までをオンラインで完結できます。
e-Gov上からインターネットバンキングで支払えるほか、発行されるPay-easy番号を使えば、対応ATMやネットバンクで納付可能です。
メンテナンス時間を除き24時間手続きできるため、移動や待ち時間など事務手続きにかかるコストが削減できる点は大きなメリットです。

また、2025年度からは、労働局が送付する納付書にもPay-easy番号が記載されるようになりました[注13]。
利用できる金融機関は限定されるため、事前の確認をおすすめします。

口座振替・ネットバンキングによる自動引き落とし

労働保険料は、あらかじめ手続きをしておけば口座振替での納付が可能です[注14]。
口座振替の場合、通常の法定納期限とは異なる日程で引き落とされ、通常の納期限よりも遅れる傾向です。
2025年度は9月7日・11月14日・2月16日が引落日でした(通常の納期限は7月10日、10月31日、2月2日)。
納付忘れを防げる点が大きなメリットですが、残高不足により引き落とし不能には注意が必要です。

電子納付のひとつの手段として、インターネットバンキングを利用した口座振替も可能となりました。
しかし、利用できる金融機関は限られるため、利用したい場合は事前に取扱金融機関を確認しましょう。

[注11]e‑Gov電子申請労働保険適用徴収手続
[注12]労働保険概算保険料の申告(継続)電子申請の手続きマニュアル
[注13]令和7年度から年度更新でも労働保険料等の電子納付が可能となります
[注14]労働保険料等の口座振替納付

まとめ

労働保険料の年度更新は、原則として毎年6月1日から7月10日に行われ、期間内に申告・納付しなければなりません。
概算保険料が40万円(片方のみ加入は20万円)以上の場合、または事務組合への委託で3回まで分割できます。
また、口座振替では通常の納期限とは別日に引き落としが設定されます。
新規成立や廃止時はその翌日から50日以内の申告・納付が必要な点にも注意しましょう。
制度を正しく理解すれば、延滞金や差押えのリスクを避けられます。
労働保険料の手続きにお悩みの企業様は、VSG弁護士法人へご相談ください。

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