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労働問題に強いVSG弁護士法人(使用者側専門) > コラム > 労働法全般 > 内部告発で懲戒処分・解雇は可能?トラブルを避けるコツを弁護士が解説

内部告発で懲戒処分・解雇は可能?トラブルを避けるコツを弁護士が解説

この記事でわかること

  • 内部告発は懲戒処分・解雇の対象になるかがわかる
  • 内部告発による懲戒処分・解雇が有効になるための要件がわかる
  • 内部告発による懲戒処分・解雇でトラブルを避けるためのポイントがわかる

近年、企業不祥事の発覚をきっかけに「内部告発」や「内部通報」への関心が高まっています。一方で、内部告発を受けた企業側としては、「この行為は守秘義務違反にあたるのではないか」「会社の信用を傷つけたとして懲戒処分や解雇は可能なのか」と悩むケースも少なくありません。

この記事では、内部告発が懲戒処分・解雇の対象となるのかという基本的な考え方から、有効とされるための要件、裁判例、トラブルを避けるための具体的なポイントまで、弁護士がわかりやすく解説します。

目次

内部告発とは

内部告発とは、企業や団体の内部で行われている違法行為や不正行為、不適切な業務運営などについて、従業員や関係者が社内外の機関に通報する行為をいいます。

通報先は、上司や社内のコンプライアンス窓口などの社内機関に限られません。監督官庁や警察、報道機関など社外に情報を提供するケースもあります。

内部告発は懲戒処分・解雇の対象になる?

内部告発を理由に、直ちに懲戒処分や解雇ができるわけではありません。告発の内容や方法、目的、会社への影響などを総合的に検討し、就業規則や法令に照らして判断する必要があります。

特に重要なのは、その告発が「正当な内部通報」と評価できるか、それとも「情報漏洩や誹謗中傷」といった問題行為にあたるかという点です。

情報漏洩・誹謗中傷にあたる場合には懲戒処分・解雇の対象

内部告発であっても、その方法や内容が著しく不適切であれば、懲戒処分や解雇の対象となる可能性があります。たとえば、営業秘密や個人情報を無関係な第三者に提供した場合や、事実に基づかない虚偽の情報を流布して会社の信用を不当に低下させた場合などは、守秘義務違反や名誉毀損に該当することがあります。このような行為が就業規則の懲戒事由に定められていれば、懲戒処分の根拠となり得ます。

もっとも、単に会社にとって不都合な情報を外部に伝えたという理由だけで、直ちに違法・不当と評価できるわけではありません。行為の目的や相当性、公益性などを慎重に検討する必要があります。

正当な内部告発であれば、懲戒処分の対象外

一方で、違法行為や重大な不正を是正する目的で、相当な方法により行われた内部告発は、原則として懲戒処分の対象になりません。特に、公益性が認められ、かつ通報の内容に相当な理由がある場合には、公益通報者保護法の保護対象となる可能性があります。この場合、解雇や不利益取扱いは無効と判断されるおそれがあります。

企業側としては、「会社の信用を守りたい」という感情だけで処分を検討するのではなく、その告発が法的に保護されるかどうかを見極めることが重要です。判断を誤ると、不当解雇として争われ、かえって大きなリスクを抱えることになります。

内部告発を理由に懲戒処分・解雇できないケース

内部告発があったからといって、常に懲戒処分や解雇が認められるわけではありません。むしろ、一定の要件を満たす内部通報については、法律上、解雇や不利益な取扱いが禁止されています。

公益通報者保護法で保護される場合

内部告発が、公益通報者保護法の要件を満たす場合、会社は通報者に対して解雇や降格、減給などの不利益取扱いを行えません。

同法は、一定の法令違反行為について、公益目的で通報を行った労働者を保護する法律です。通報内容に真実相当性があり、通報先や方法が法律の定める範囲内であれば、通報を理由とする解雇は無効となります。

仮に会社側が「会社の信用が傷ついた」と感じても、法律上保護される通報であれば、懲戒処分は認められません。違反して処分を行えば損害賠償請求などに発展するリスクがあります。

正当な内部告発にあたる場合

公益通報者保護法の厳密な要件を満たさない場合でも、告発が社会通念上相当な方法で行われた正当な内部告発であれば、懲戒処分や解雇は認められない可能性があります。 

たとえば、違法行為を是正する目的で、まず社内窓口に通報し、それでも改善が見込めないため外部機関に通報したようなケースでは、目的や手段に合理性があると評価されやすくなるでしょう。

裁判実務では、①公益を図る目的があるか、②内容に真実であるか、もしくは真実であると信じるにつき相当の理由があるか、③告発の手段・態様は相当であるか、といった事情を総合的に考慮して判断します。

これらの点で正当性が認められる場合、内部告発を理由とする懲戒処分・解雇は無効とされる可能性が高いといえます。

内部告発による懲戒処分・解雇が有効になるための要件

内部告発を理由とする懲戒処分や解雇が有効と認められるためには、単に「会社に不利益を与えた」という事情だけでは足りません。就業規則の内容、告発行為の性質、処分の相当性、手続きの適正さなどを総合的に満たす必要があります。

以下、主な要件を整理します。

①就業規則に懲戒事由が明確に定められ、労働者に適切に周知されていること

懲戒処分の前提として、就業規則に具体的な懲戒事由が定められていることが必要です。たとえば、「守秘義務違反」「会社の信用を著しく毀損する行為」などが明記されていなければなりません。

さらに、その就業規則が労働者に適切に周知されていることも重要です。内容を知らされていない規定を根拠に処分を行うことはできません。

②告発行為が情報漏洩や守秘義務違反に該当、もしくは会社の名誉や信用を不当に毀損するものであること

内部告発の内容や方法が、営業秘密や個人情報の無断開示などの情報漏洩にあたる場合、懲戒の対象となる可能性があります。

また、虚偽の情報を外部に流布するなど、会社の名誉や信用を不当に傷つける行為であれば、正当な通報とはいえません。

もっとも、単に会社に不都合な情報であるという理由だけでは足りず、不当性の有無を慎重に判断する必要があります。

③告発が正当な内部通報に当たらない、かつ公益通報者保護法の保護要件を満たさないこと

告発が正当な内部通報にあたる場合や、公益通報者保護法の保護要件を満たす場合には、解雇や不利益取扱いは原則として認められません。

そのため、懲戒処分や解雇を有効とするには、通報の目的や方法が相当性を欠き、法的保護の対象外であることが前提となります。この点を十分に検討しないまま処分を行うと、無効と判断されるリスクがあります。

④処分の内容が行為の態様に照らして社会通念上相当であること

仮に懲戒事由に該当するとしても、処分の重さが行為に見合っていなければなりません。軽微な違反に対していきなり解雇とする場合などは、社会通念上相当とはいえず、無効と判断される可能性があります。

減給や戒告など、より軽い処分で足りる事案かどうかも含めて、慎重に検討することが求められます。

⑤手続きが適正に行われていること

懲戒処分にあたっては、事実関係の調査を尽くし、本人に弁明の機会を与えるなど、適正な手続きを踏む必要があります。

十分な調査を行わず、あるいは一方的に処分を決定した場合には、手続違反として無効となるおそれがあります。調査記録や証拠の保存も重要です。

⑥処分が懲戒権の濫用や報復目的と評価されないこと

内部告発への「見せしめ」や報復を目的とした処分は、懲戒権の濫用と評価される可能性が高くなります。裁判では、会社側の動機や経緯も重視されます。処分のタイミングや発言内容などから報復的意図が疑われると、処分の有効性が否定されるおそれがあります。

内部告発による懲戒処分・解雇に関する裁判例・具体例

内部告発を理由とする懲戒処分・解雇について、裁判所がどのような判断をしたのか、具体例を通じて確認してみましょう。これらの裁判例は、処分の有効性や相当性がどのように評価されるかの参考になります。

コニカ(東京事業場日野)事件(東京高判平14.5.9 労判834号72頁)

事案の概要

従業員が、残業代不払いなど自らの労働問題について雑誌記者の取材に応じたほか、未公開の経営情報を記載したビラの配布、業務妨害、株主総会の混乱につながる行為などを理由に、会社が懲戒解雇したケース。

争点

  • 取材対応やビラ配布が、就業規則上の懲戒事由(情報漏洩・会社中傷・業務妨害等)に当たるか
  • 懲戒解雇という重い処分が社会通念上相当か
  • 「残業代不払いを問題視したことへの報復(不当な動機)」と評価できるか

裁判所の判断

  • 雑誌取材に応じて労働問題を話した点だけでは、直ちに懲戒解雇事由といえない。
  • 一方で、未公開の営業・経営情報を外部に公表するようなビラ配布は、懲戒解雇事由に当たり得る。さらに複数の懲戒事由に該当する行為が重なった点も踏まえ、懲戒解雇を有効と判断しました。
  • あわせて、解雇が「違法な時間外労働規制の指摘」への報復だとまではいえない、という趣旨も示しています。

宮崎信用金庫事件(福岡高裁宮崎支判平成14.7.2 労判833号48頁)

事案の概要

信用金庫の職員(労組の中心的立場)が、不正融資疑惑の解明目的で、オンライン端末からホストコンピュータへアクセスして信用情報を印刷したり、稟議書など管理文書をコピーしたり、匿名の批判文書を送付したり、資料を議員秘書や県警へ提出したりしました。会社は、窃盗・守秘義務違反・信用失墜などを理由に懲戒解雇しました。

裁判所の判断:宮崎地判平成12.9.25

  • 信用情報・管理文書は顧客の高度なプライバシーであり、金融機関にとって最高機密にも当たる。たとえ不正を糾す目的でも、権限なく機密情報へアクセス・複写する行為を正当化できない。
  • 信用情報を印刷した文書や管理文書の写しを無断で取得した行為について、就業規則上の窃盗に該当する重大な規律違反であると判断しました。そのため、懲戒解雇は懲戒権の濫用には当たらず有効であると結論づけています。

裁判所の判断:福岡高裁宮崎支判平成14.7.2

  • これに対し控訴審は、取得された文書は財産的価値が高いものとはいえず、外部に流出しない限り実害が生じにくい点を重視しました。
  • そのうえで、文書の取得行為自体を直ちに「窃盗」などの重大な懲戒事由と評価することには慎重であるべきと判断しています。
  • また、行為の目的が内部不正の解明にあり、実際に疑惑解明につながった側面があることから、会社の利益に資する面も評価しました。
  • 仮に懲戒事由に該当するとしても、懲戒解雇という最も重い処分は行為の態様に照らして相当性を欠き、懲戒権の濫用に当たるとして、懲戒解雇を無効としています。

アンダーソンテクノロジー事件(東京地判平18.8.30 労判925号80頁)

事案の概要

建設業を営む会社の取締役が、解任後にフリーのルポライターへ会社内部の情報を提供し、週刊誌掲載につながったことを理由に懲戒解雇されたケース。

争点

  • 行為が「不正の是正」を目的とする通報といえるか
  • 週刊誌(報道)への実名ベースでの情報提供は通報手段として相当か
  • 会社の信用毀損が予見できたか、損害が大きいか

裁判所の判断

  • 行動の開始時期や経緯から、会社・代表者への不満や糾弾を狙う “報復的な動機” が強いと評価し、内部告発としての正当性を否定方向で捉えました。
  • フリーライターを通じて週刊誌に実名で告発する方法は、会社の信用を傷つけることを推測しやすいのに、刑事事件として立件もされていない段階で行っており、「不正是正の手段として相当性を逸脱する」として、懲戒解雇を有効と判断しました。

内部告発による懲戒処分・解雇の進め方

内部告発を受けた場合、感情的な対応や拙速な処分は大きなリスクを伴います。懲戒処分や解雇を検討する際は、法的有効性を意識しながら、段階的かつ慎重に進めることが重要です。

① 事実関係の徹底的な調査を行う

まずは、告発内容の真偽と、告発行為そのものの態様を客観的に確認します。具体的には、以下の点を整理します。

  • 告発内容は事実か、真実相当性はあるか
  • どの情報が、どの範囲に、どの方法で開示されたのか
  • 守秘義務違反や情報漏洩に該当する可能性はあるか
  • 外部への流出により実害が発生しているか

推測や噂に基づく判断は避け、証拠を基に冷静に評価することが必要です。

② 公益通報者保護法の適用可能性を確認する

告発が正当な内部通報にあたり、公益通報者保護法の保護要件を満たす場合、解雇や不利益取扱いは原則として認められません。

  • 通報の対象が法令違反に該当するか
  • 通報先や通報方法は適切か
  • 通報に真実相当性があるか

これらの点を整理し、保護対象かどうかを慎重に判断する必要があります。

③ 就業規則との整合性を確認する

懲戒処分を行うためには、就業規則に根拠規定があることが前提です。「守秘義務違反や信用毀損行為が懲戒事由として明確に定められているか」「規定内容が従業員に適切に周知されているか」を確認してください。根拠が曖昧なまま処分を行うと、無効と判断される可能性が高まります。

④ 処分の相当性を慎重に検討する

仮に懲戒事由に該当するとしても、直ちに解雇が相当とは限りません。「戒告・減給・出勤停止など、より軽い処分で足りないか」「行為の悪質性や故意性はどの程度か」「過去の類似事案との均衡は取れているか」「処分の重さが行為に見合っているか」などを、社会通念に照らして検討する必要があります。

⑤ 本人に弁明の機会を与え、適正手続きを確保する

懲戒処分を行う場合には、本人への事情聴取や弁明の機会を確保することが不可欠です。一方的な決定や、調査不十分のままの処分は、手続き違反として無効となるおそれがあります。調査経過や判断過程は記録化し、後日の紛争に備えて保存しておくことが重要です。

⑥ 報復目的と評価されないよう慎重に対応する

内部告発に対する「見せしめ」や感情的な対抗措置と受け取られると、懲戒権の濫用と評価される可能性があります。処分の理由は、あくまで就業規則違反や具体的な不当行為に基づくものであることを明確にし、内部告発そのものを理由とした対応とならないよう注意が必要です。

自社判断で内部告発による懲戒処分・解雇を行うリスク

内部告発を受けた企業が、十分な法的検討を行わずに自社判断のみで懲戒処分や解雇を実施すると、次のような重大なリスクが生じます。

解雇無効と判断されるリスク
公益通報に該当する場合や、処分が重すぎると評価された場合、解雇は無効と判断される可能性があります。復職や未払賃金の支払いを命じられることもあります。
損害賠償請求を受けるリスク
不当解雇や不利益取扱いと認定されると、慰謝料や賃金相当額の賠償請求に発展することがあります。
懲戒権濫用と評価されるリスク
告発への報復と受け取られる対応は、懲戒権の濫用と判断されやすく、企業側に不利に働きます。
企業イメージ・社会的信用の低下リスク
「内部告発者を処分した企業」として報道やSNSで拡散されると、かえって企業の信用を大きく損なう可能性があります。
従業員の士気低下・萎縮効果の発生
告発者への厳しい処分が強調されると、他の従業員が正当な通報を控えるようになり、不正が表面化しにくい組織風土につながります。
内部通報制度の形骸化リスク
社内窓口を経ずに外部通報が増えるなど、コンプライアンス体制が機能しなくなるおそれがあります。
紛争の長期化によるコスト増大リスク
労働審判や訴訟に発展すると、時間的・人的コストが増大し、経営への負担が大きくなります。

内部告発による懲戒処分・解雇でトラブルを避けるためのポイント

内部告発をめぐる処分でトラブルを避けるためには、判断の根拠を明確にし、適正手続きと対応記録を丁寧に積み上げることが重要です。

就業規則の懲戒事由を具体的かつ明確に定めておく

懲戒処分の有効性は、就業規則の根拠規定が出発点になります。「信用を害した場合」など抽象的な規定だけでは、どの行為が対象になるかが曖昧になりトラブルに発展しやすくなります。守秘義務違反、個人情報・営業秘密の漏洩、虚偽申告や誹謗中傷、調査妨害など、想定される行為類型を具体的に整理し、従業員へ適切に周知しておきましょう。

感情や先入観に左右されず、客観的証拠に基づいて事実調査を行う

内部告発が絡む事案では、「期待していた従業員に裏切られた」「会社を貶めた」といった感情が混ざりやすく、解雇の判断がぶれやすい点に注意が必要です。調査は、告発内容の真偽だけでなく、告発の方法・範囲・開示した情報の性質(秘密情報かどうか)まで含めて、証拠ベースで整理します。推測や噂で処分を進めると、あとから覆るリスクが高まります。

就業規則の根拠と処分の相当性を十分に検討する

「懲戒事由に該当するか」と「どの処分が相当か」は別問題です。仮に守秘義務違反等に該当しても、直ちに解雇が相当とは限りません。行為の悪質性、故意性、会社への影響、再発防止の必要性、過去の指導歴などを踏まえたうえで、戒告・減給・出勤停止などの選択肢も含めて、処分の重さが行為に見合うかを検討しましょう。

本人に弁明の機会を与え、手続きを適正に進める

懲戒処分では、本人の言い分を聞かずに結論を出すと、手続きの不備として無効判断につながるおそれがあります。事情聴取の場を設け、どの行為を問題としているのかを明示し、反論や資料提出の機会を確保します。弁明の内容が処分の軽重判断に影響する場合もあるため、形式的に済ませないことが重要です。

調査過程を記録化し、証拠を適切に保存する

後に労働審判や訴訟へ発展した場合、企業側は「どの証拠に基づき、どの手順で、どう判断したか」を説明する必要があります。調査の開始理由、調査範囲、ヒアリング記録、証拠収集の経緯、意思決定プロセスを文書化し、改ざんの疑いが出ない形で保存します。処分の合理性を支える土台になります。

類似事案との均衡を保ち、一貫した基準で判断する

同種の行為に対して処分の重さがばらつくと、「恣意的」「見せしめ」と受け取られやすくなります。過去の処分例や社内基準との整合性を確認し、違いがある場合は理由(影響の大きさ、悪質性、再発リスクなど)を説明できるように整理しておきましょう。

情報管理を徹底し、二次的な情報漏洩を防ぐ

内部告発案件は、調査段階で情報が拡散しやすい類型です。関係者の範囲を絞らずに調査を進めると、憶測が広がり、告発者探索や社内対立などの二次トラブルを招きます。調査チームを限定し、資料のアクセス権限を管理し、関係者への説明も必要最小限にとどめるなど、情報統制を徹底しましょう。

内部告発による懲戒処分・解雇を検討しているときに弁護士に相談するメリット

内部告発が絡む懲戒処分や解雇は、法的リスクが高く、判断を誤ると無効や損害賠償に発展する可能性があります。自社だけで結論を急ぐのではなく、早い段階で弁護士に相談することで、次のようなメリットがあります。

公益通報者保護法や関連法令との関係を踏まえ、解雇の適法性を判断できる

内部告発が公益通報者保護法の保護対象に当たるかどうかは、専門的な法的判断を要します。通報内容の真実相当性、通報先や方法の適切性、不利益取扱い禁止の範囲などを総合的に検討し、処分が有効と認められる可能性を事前に見極めることができます。

就業規則や内部通報制度の内容を事前にチェックできる

懲戒処分の有効性は、就業規則の整備状況に大きく左右されます。弁護士に相談することで、懲戒事由の定めが十分か、周知が適切か、内部通報制度の設計に問題がないかを確認できます。将来の紛争を見据えた制度改善のアドバイスも受けられます。

証拠収集や事実整理の方法について具体的なアドバイスを受けられる

内部告発事案では、どの証拠を、どの範囲まで、どの方法で収集すべきかが重要です。違法な証拠収集や拙速な事情聴取は、かえって企業側に不利に働きます。弁護士の助言を受けながら調査を進めることで、後に労働審判や訴訟になった場合でも、会社の判断が合理的であることを説明できる証拠をきちんと整えておくことができます。

解雇以外の適切な対応策を検討できる

必ずしも解雇が最善の選択とは限りません。戒告や減給などの段階的処分、配置転換、注意指導、内部統制の強化など、リスクを抑えながら問題に対応する方法を多角的に検討できます。結果として、企業の信用低下や紛争拡大を防ぎやすくなります。

紛争や訴訟に発展した場合の見通しを立てられる

仮に労働審判や訴訟へ進んだ場合、どの点が争点になりやすいか、勝敗の見通しや想定されるコストはどの程度かを事前に把握できます。早期に専門家が関与することで、和解の選択肢やリスク回避策も含めた戦略的判断が可能になります。

内部告発による懲戒処分・解雇に関してよくある質問(Q&A)

内部告発をした従業員を一時的に職務から外すことは可能?

業務上の必要性があり、調査の公正確保など合理的な理由があれば可能な場合があります。ただし、制裁や報復と受け取られる措置は不利益取扱いと評価されるおそれがあり、目的・期間・相当性を慎重に検討する必要があります。

告発者を特定しようとすることは問題になる?

必要最小限の範囲で事実確認を行うことはあり得ますが、告発者探索が威圧的になると報復と疑われるおそれがあります。匿名性の確保は内部通報制度の信頼の前提であり、慎重な対応が求められます。

調査中に関係者へ聞き取りを行う際の注意点は?

結論を決めつけず、客観的かつ中立的に聞き取りを行うことが重要です。発言内容は正確に記録し、守秘義務を徹底します。圧力や誘導と受け取られないよう配慮し、公平な調査姿勢を保つ必要があります。

告発内容が虚偽だった場合、会社はどのように対応すべき?

悪意や故意による虚偽通報であれば、就業規則に基づき懲戒を検討できます。ただし、結果的に事実でなかっただけの場合は直ちに処分すべきではありません。故意性や影響の程度を慎重に判断します。

内部告発後に社内の士気が低下した場合、どのように対応すべき?

告発者を問題視するのではなく、調査の透明性や再発防止策を丁寧に説明することが重要です。内部通報は組織改善のための制度であると共有し、過度な憶測や対立を防ぐ対応が求められます。

まとめ 内部告発による懲戒処分・解雇はあらかじめ弁護士に相談を

内部告発を理由とする懲戒処分や解雇は、慎重な判断が求められる分野です。告発の内容や方法によっては、正当な内部通報として保護される場合があり、安易な処分は無効と判断されるリスクがあります。

一方で、守秘義務違反や虚偽告発など、就業規則に違反する重大な行為が認められる場合には、懲戒処分や解雇が有効となる可能性もあります。ただし、そのためには、法令との整合性、処分の相当性、適正な手続きなど、複数の要件を満たす必要があります。

自社判断で結論を急ぐと、不当解雇として争われ、結果的に企業の信用や経営に大きな影響を及ぼすおそれがあります。内部告発への対応を検討する段階で、あらかじめ弁護士に相談し、法的リスクを整理したうえで適切な対応を進めることが重要です。

VSG弁護士法人」では、企業側の労働問題に豊富な実績があり、案件によっては初回無料相談も受け付けています。トラブルの予防から解決まで徹底的にサポートさせていただきますので、内部告発による懲戒処分・解雇を含む労務管理に関してお悩みごとがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。

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