事業計画書は、経営者の " リトマス試験紙 " ?
事業計画書はあくまでも「計画」に過ぎません。過去の決算書や試算表とは違い、予想や希望的観測が入り込んでいるのは、銀行側としても百も承知のはずです。
それでも、あえて銀行が事業計画書の提出を要求するのは、事業計画書を通じて経営者の計数能力や計画性の値踏みを行っていると考えられなくもありません。
だとすれば、事業計画書はいわば経営能力を測る“リトマス試験紙”といえるかもしれません。
事業計画書作成のポイント
事業計画書には通常以下の4つのポイントを盛り込む必要があります。
①経営の基本方針 ②年度の計画目標 ③利益計画 ④資金計画
どの経営者も②③には真剣に取り組みますが、①④については意外に軽視されがちです。
①経営の基本方針は、中小企業にビジョンや経営理念が必要なのかと思われるかもしれませんが、まさにここで経営者の資質や将来性を値踏みされていると考えて間違いないでしょう。
銀行が重視するのは「資金計画」
④の「資金計画」は、さらに重要です。
身もフタもない言い方ですが、銀行の究極の目的は貸付利息を稼ぐこと。最低条件は貸付元本を回収すること。
極論かもしれませんが、本音をいえばこの2点につきるといえるでしょう。
そんな銀行が何より重視するのが、実は資金(繰り)計画です。
毎期確実に利益を上げて、確実に債務を返済できるプランを示せなければ、融資担当者の揺れ動く心を捉えることはできません。