この記事でわかること
- 建設業許可を取得せずに500万円以上の工事をした場合の始末書
- 今後、建設業許可は取得できるのか
- 建設業許可が必要ない工事
建設業許可を取得していないが、500万円以上の工事を請け負って施工した。
このような場合、始末書が必要なのか、建設業許可はもう取得できないのか、と不安に思うことがあるでしょう。
原則として、500万円以上の工事を請け負うためには建設業許可が必要です。
しかし中には、意図せず500万円を超えていたような場合もあるかもしれません。
今回は始末書が必要な場合と、その書き方を詳しく解説していきます。
建設業許可なしで500万円以上の工事をすると始末書が必要?
結論から言うと、建設業許可を取得せずに500万円以上の工事を行っていた場合、始末書を提出しなければいけません。
自治体ごとに形式は異なりますが、始末書を提出すること以外に、会社の代表がコンプライアンス研修を受けなくてはならない場合もあります。
始末書を求められるタイミングとしては、新規に建設業許可を申請しようとしたときに、過去に500万円以上の工事を許可なく請け負っていたことが発覚する場合が考えられます。
許可を受けずに工事を請け負ったことがあるからといって、建設業許可が取得できないわけではありません。
始末書を提出し、受理されればその後、許可を取得することは可能です。
とはいえ、意図的に許可を取得せず、500万円以上の工事を請け負い続けていれば、始末書では済まない事態にもなり得ます。
中には500万円以上の工事を報告書に記載しなければ始末書も書かずに済むのでは、と考える事業主もいます。
しかしそれは虚偽申告にあたり、罰金や懲役刑が科される可能性のある犯罪行為であるため、絶対にやめましょう。
発覚すればその後5年間、建設業許可が取得できなくなり、不利益も大きくなります。
建設業許可に関する始末書に書く内容
始末書とは、問題行動やミスが発生した場合に、反省の意を述べて再発防止を誓約する書面のことです。
建設業においては、建設業のルールに反した行いがあった場合に提出することになります。
建設業許可を取得せず500万円以上の工事を請け負っていた場合、始末書には以下のような内容を記載する必要があります。
- なぜ許可がないまま工事を請け負ったのか、経緯の詳細
- 二度と同じ過ちを起こさないことと、そのための再発防止策
- 反省の意と謝罪の言葉
管轄の自治体によっては、始末書の見本が用意されている場合もあります。
書き方に不安がある場合は、自治体の見本を参考にするとよいでしょう。
建設業許可が必要ない工事
建設業法には29種類の工事が定められており、工事の完成を請け負う建設業者が、このいずれかの工事を行う場合に建設業許可が必要であるとされています。
しかし、工事の中には建設業許可が必要ないものもあります。
【建設業許可が必要ない工事】
軽微な建設工事 | 工事1件の請負金額が500万円以下(建築一式工事の場合は1500万円以下、または延床面積150㎡未満の木造住宅工事) |
附帯工事 | 許可を受けた業種の工事に附帯する他の業種の作業 |
完成を請け負わない工事 | 自分で自分の家を建てる場合、委託を受けて施工する場合など |
建設工事に該当しない作業 | 建築業法で定められた29種類の工事以外の作業 |
ただし追加工事により、トータルで500万円以上の請負金額になる場合は建設業許可が必要になるため注意が必要です。
(例:本工事480万円+追加工事50万円=合計530万円になるような場合)
まとめ
もし建設業許可を取得せずに500万円以上の工事を請け負っていた場合、始末書を提出し、場合によってはコンプライアンス研修を受講することになります。
その判断は自治体ごとに異なるため、まずは管轄の土木事務所に確認しましょう。
始末書を書くという仕事が増えることになり、企業としての外部からの心証もよいものではありません。
日頃から始末書を書くようなことにならないために、しっかり管理をすることが大切です。