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経営事項審査(経審)の点数を上げる方法とは?平均点や最高点について

この記事でわかること

  • 経営事項審査の点数の目
  • 経営事項審査の点数の700点とは

経営事項審査とは、建設業者の力量などを一定の評価基準で数値化する制度です。
公共工事の入札に参加する建設業者は、許可業種ごとに審査を受けなければなりません。

経営事項審査は、工事実績や経営状況など区分ごとの評価点数に、一定のウェイトを乗じた合計で総合評定値を算出します。
総合評定値の平均的な値は700点前後ですが、大規模な工事に参加するには1,000点以上が一つの目安になるでしょう。
区分の中では、特に経営状況に関する点数のウェイトが高いため重要な評点となります。
近年では、ワークライフバランスや社会的貢献度など時代背景にあわせた評価方法の改正が行われました。
ここでは、経営事項審査における評点の計算方法や評点を上げる方法などを解説します。

経営事項審査の点数の仕組み

まずは、経営事項審査の点数を計算する仕組みを見てみましょう。
経営事項審査では、以下の5つの項目で審査が行われます。

  1. 【X1】完成工事高
  2. 【X2】自己資本および利払前税引前償却前利益
  3. 【Y】経営状況
  4. 【Z】技術職員数および元請完成工事高
  5. 【W】その他の審査項目(社会性等)

各評点は、法律で定められた計算式により算出します。
ただし、一部の項目については工事の金額や技術者の数などで計算式が変わります。
国土交通省が定めている表(本記事では「評点テーブル」と表記)を参照して、評点を求めましょう。
経営事項審査の点数は「総合評定値」といい、アルファベットでは「P」で表されます。
総合評定値(P点)の算出方法は以下のとおりです。

【総合評定値(P点)の算出方法】
総合評定値(P点)=X1×0.25+X2×0.15+Y×0.2+Z×0.25+W×0.15

X1~Wそれぞれの評点の詳細は、以下のとおりです。

審査項目 上限値 下限値 P点に占める割合(%)
完成工事高(X1) 2,309点 397点 25%
自己資本および利払前税引前償却前利益(X2) 2,280点 454点 15%
経営状況(Y) 1,595点 0点 20%
技術職員数および元請完成工事高(Z) 2,441点 456点 25%
その他の審査項目(社会性等)(W) 1,966点 -1955点 15%

それぞれの評点の加点方法や評点の上げ方について解説していきましょう。
(参照元:国土交通省

【X1】完成工事高

完成工事高(X1)は事業規模を示す点数であり、次の手順で計算します。

  • 建設業許可の28業種別に2年間または3年間の完成工事高の年間平均を算出する
  • 国土交通省の評点テーブルから評点を出す

完成工事高の年間平均が5,000万円の場合は次の通りです。

  • X1評点=16×50,000÷10,000+565=645

完成工事高は、1,000円単位で計算します。
年間平均は2年間または3年間のどちらかを選べますが、技術力評点(Z)の計算年数と同じでなければなりません。

【X2】自己資本および利払前税引前償却前利益

経営の健全性と収益性を評価する点数として、次のように計算します。

①自己資本
自己資本は貸借対照表の純資産の合計額であり、財務の健全性を示します。
「直前決算」または「直近2年平均」の自己資本で評点テーブルから計算します。

②平均利益額
平均利益額は、利払前税引前償却前利益(営業利益+減価償却実施額)の2年間の平均値です。
事業の収益性を示す点数として評点テーブルから点数を出します。

X2の評点は、上記①と②の平均から計算します。

  • X2評点=(①+②)÷2

【Y】経営状況

以下の指標から会社の経営状況を評価します。

①負債抵抗力

  • 純支払利息率:(支払利息-受取利息配当金)÷売上高×100
  • 負債回転期間:負債合計÷売上高÷12

②収益性・効率性

  • 総資本売上総利益率:売上総利益÷総資本×100
  • 売上高経常利益率:経常利益÷売上高×100

③財務健全性

  • 自己資本対固定資産比率:自己資本÷固定資産×100
  • 自己資本比率:自己資本÷総資本×100

④絶対的力量

  • 営業キャッシュフロー÷1億
  • 利益剰余金÷1億

Y評点は上記①~④の経営状況点数から計算します。

  • Y評点=167.3×経営状況点数(上記①~④×一定の係数)+583

【Z】技術職員数および元請完成工事高

以下の計算で技術力を評価します。

①技術職員数の点数
点数×技術者数から評点テーブルで計算します。

  • 6点×1級管理受講者
  • 5点×1級技術者
  • 4点×監理技術者補佐
  • 3点×基幹技能者
  • 2点×2級技能者
  • 1点×その他技術者
  • 計算例(点数合計30の場合):63×30÷10+633=822

②元請完成工事高の点数
2年間または3年間の年間平均元請完成工事高を評点テーブルから計算します。

  • 計算例(年間平均5,000万円の場合):22×50,000÷10,000+635=745

Z評点は①と②を4:1の比率で合算します。

  • Z評点=(822×4+745)÷5=807

【W】その他の審査項目(社会性等)

法令遵守や雇用など、会社の果たす社会的な責任から評価されます。
評価される項目は次の通りです。

  • 担い手の育成及び確保に関する取組の状況
  • 営業継続点数
  • 防災協定点数
  • 法令遵守点数
  • 建設業経理点数
  • 研究開発点数
  • 建設機械保有点数
  • 国際標準化機構が定めた規格による登録の状況

それぞれの項目について、社会保険の加入や法令遵守の取組などから評価を受けます
上記の合計値からW評点を計算します。

  • W評点=①〜⑪の合計値×1750÷200

2023年1月1日に経審改正があり、審査基準が2023年8月14日以降のときから上記の算出式が適用されます。

経営事項審査の点数の目安

経営事項審査の評点の平均は700点ほどです。
小規模~中規模な工事であればもう少し低い評点でも受給できる可能性はあるでしょう。

大規模な工事を受注するときは1,000点以上の評点となっているかが一つの目安になります。
また、その内訳として経営状況(Y)の得点は700点以上が望ましいです。

数値が悪いと、会社の収益性に問題があるとみなされる可能性があります。
値が500以下になると入札時に避けられる可能性があるため注意しましょう。

経営事項審査の点数を上げる方法

X~Wの各評点の加点方法は、以下の通りです。

  • 【X】完成工事高の振替をする
  • 【Y】固定資産・借入金を減らす
  • 【Y】受取利息を計上する
  • 【Z】監理技術者講習を受ける
  • 【W】社会保険に加入する
  • 【W】共済に加入する
  • 【W】労災保険に加入する
  • 【W】退職一時金制度を使う

それぞれの方法について見ていきましょう。

【X】完成工事高の振替をする

完成工事高の振替(積上げ)とは、専門工事の完成工事高を一式工事に振り替える、あるいは専門工事間で完成工事高を振り替える方法です。
たとえば「建築一式工事」と「とび」の許可を持っている会社が、建築一式工事のみ経審を受ける場合を考えてみましょう。
とびの完成工事高はその他の売上になり、建築一式工事の完成工事高のみを申請します。
しかし、振替を行えばとびの完成工事高が上乗せされ、評点アップが狙えます。
なお、以下のように完成工事高の振替は認められた業種間でしか行えないため注意しましょう。

【専門工事の完成工事高を一式工事に振り替えるパターン】

振替先の一式工事 振替元の専門工事
土木一式工事 土木一式工事 とび、石、タイル、鋼構造物、鉄筋、舗装、しゅんせつ、水道施設
建築一式工事 大工、左官、とび、屋根、タイル、鋼構造物、鉄筋、板金、ガラス、塗装、防水、内装、建具、解体

【専門工事間で完成工事高を振り替えるパターン】

専門工事の種類 相互に振替(積上げ)可能 専門工事の種類
とび
とび 造園
熱絶縁
水道施設
電気 電気通信

完成工事高の振替は、建設業許可を受けている業種でしかできません。
また、完成工事高は、直近の2年平均または3年平均の値を用いて計算されます。
完成工事高の振替を行うにあたり、「2年平均」「3年平均」いずれの場合も事業年度ごとに振替を実施するかどうかを分けられません。

【Y】固定資産・借入金を減らす

固定資産を減らすと、自己資本対固定資本比率が増加します。

  • 自己資本対固定資本比率=自己資本÷固定資産×100

固定資産が分母になっているため、減らすと比率が上がります。
固定資産は、一般的に土地建物などの不動産や機械設備などがあてはまります。

負債が減ると、負債回転期間や総資本売上総利益率が改善します。

  • 負債回転期間=負債合計÷売上高÷12
  • 総資本売上総利益率=売上総利益÷総資本(2年平均)×100

負債を減らすには、短期借入金などで計上されている借入の返済手続きなどが必要です。

【Y】受取利息を計上する

受取利息が多くなると、純支払利息率が改善します。
売上高に対する利息の割合で計算するため、受取利息が増えるのが純支払利息率の向上につながります。

  • 純支払利息率=(支払利息-受取利息配当金)÷売上高×100

受取利息が会計上で雑収入に計上されている場合、受取利息に計上するとよいでしょう。

支払利息は、借入金の額と利率から計算します。
借入金を利用する場合は、なるべく低い利率にすると純支払利息率を改善できるでしょう。

【Z】監理技術者講習を受ける

「Z」においては技術職員数の割合が高く「審査基準日時点で技術者が何人いるか」「技術者がどんな資格を持っているか」によって点数が変わります。
技術者の人数は、審査基準日時点で6カ月と1日以上在籍している方が対象です。
加点される技術者の資格と点数は、以下のとおりです。

資格の種類 点数
1級技術者で監理技術者講習修了者 6点
1級技術者 5点
監理技術者補佐 4点
登録基幹技能者講習修了者 3点
2級技術者 2点
その他の技術者 1点

評点アップのポイントは「上位資格を持った技術者を増やす」です。
会社全体で、技術者の資格取得を目指せる環境づくりを支援しましょう。

【W】社会保険に加入する

社会保険に未加入の場合、経営事項審査で減点され、公共工事の受注もできません。
経営事項審査の評点に影響する社会保険は以下の通りです。

  • 健康保険、厚生年金保険
    加入義務があるのは、株式会社などの法人と、個人事業主(常時雇用の従業員が5人以上)です。
    社長1人の法人で役員報酬を受け取っている場合も加入義務があります。
  • 雇用保険
    正社員を1人以上雇用したときは加入が必要です。

加入義務がない場合、経営事項審査では「適用除外」となり減点はされません。

【W】共済に加入する

建設業で働く人に退職金を補償するため、一定の共済事業に加入すると審査で加点されます。
主に以下の共済事業の利用が一般的です。

  • 中小企業退職金共済(中退共)
    事業主から毎月一定の掛金(5,000円~30,000円)を支払うと、退職時に従業員へ直接退職金が支払われる制度です。
  • 建設業退職金共済(建退共)
    建設現場で働く従業員向けの退職金制度です。
    事業主から1日単位で掛金320円を納付すると、従業員が建設現場で就業しなくなったときに直接退職金が支給されます。

【W】労災保険に加入する

労働者を1人以上雇用すると労災保険への加入義務があります。
労災保険の他に、損害保険会社や共済事業の法定外労災へ加入すると審査で加点されます。

法定外労災とは、通常の労災保険に上乗せ給付をする任意の制度であり、以下の要件を満たさなければなりません。

  • 審査基準日が保険期間内である
  • すべての工事が保険対象である
  • 業務災害と通勤災害が対象である
  • 被保険者が自社と下請業者の直接雇用を含む
  • 補償対象が死亡と労働災害保険の傷害等級第1級から第7級までを含む

【W】退職一時金制度を使う

前述の共済への加入だけでなく、自社の就業規則による退職一時金制度の運用でも審査で加点されます。
加点されるには、以下の要件を満たさなければなりません。

  • 就業規則に退職一時金を支払う条件や計算方法の定めがある
  • 就業規則に労働基準監督署への届出を証明する押印がある
  • 従業員代表による意見書の添付がある

常時雇用する従業員が10人以上いる場合、就業規則を労働基準監督署へ届け出が必要です。
要件を満たした場合、総合評定値21点が加算されます。

経営事項審査の点数に関するよくある質問

経営事項審査の点数に関するよくある質問は、以下のとおりです。

  • 経営事項審査の平均点はいくつですか?
  • 経営事項審査の最高点はいくつですか?

それぞれの質問に回答していきます。

経営事項審査の平均点はいくつですか?

総合評定値(P)の平均点は700点ほどになります。
700点以上あれば、ある程度規模のある入札にも参加できるでしょう。

総合評定値(P)を上げるには、ウェイトの高い「完成工事高(X1)」や「技術職員数および元請完成工事高(Z)」が重要です。
経営状況が同じ会社でも、設立後間もない会社などではまだ実績がないために総合評定値(P)が低くなる可能性もあります。

経営事項審査の最高点はいくつですか?

総合評定値(P)の最高点は2,136点です。
得点の目安は平均値である700点に設定されているため、実際に最高点近い評点を獲得できる建設業者はほとんどありません。
700点あれば、中小企業であっても十分に公共工事を受けられます。
さらに800点以上あれば、公共工事の入札で優位に立てるでしょう。

まとめ

経営事項審査の評点があがると、より大規模な工事を受注できるなど様々なメリットがあります。
評点の計算は時代背景にあわせて改正されるため、従来と同じ方法では総合評定値(P)が高くならないケースもあるでしょう。
評点を改善するには、各区分の審査項目ごとに定められた点数の計算方法に応じて、適切な対策をとらなければなりません。
短期的な改善ではW評点を、中長期的な目標ではY点やZ点の評点アップに取り組むのがよいでしょう。

経営事項審査の評点の計算方法は複雑であり、なじみのない項目も多いかもしれません。
効果的に評点を改善するためには、専門家である行政書士への相談がおすすめです。
評点のアップに向けて行政書士と相談し、適切な対策を実行していきましょう。

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