この記事でわかること
- 安全朝礼とはどのようなもので何のために行うかがわかる
- 安全朝礼の内容や進め方がマンネリ化しないためのコツがわかる
- 安全朝礼でどのような話し方をすれば相手に伝わるのかがわかる
建設現場では、毎朝必ずすべての作業員が参加して安全朝礼が行われています。
毎日朝礼を行っていると、何のために行っているのか、本来の目的を見失ってしまいそうになることがあるかもしれません。
その結果、朝礼の内容はマンネリ化し、実効性のないものになってしまうことも考えられるのです。
そこで、安全朝礼の本来の目的は何か、そしてどのような形で安全朝礼を行うと効果的なのか、確認していきます。
安全朝礼の目的
安全朝礼は、建設現場での作業開始前に、すべての作業員が参加して行われる朝礼のことです。
どれだけ工期の長い現場であっても、また作業員の人数が多い現場であっても、必ず毎朝全員で行うこととされています。
安全朝礼を行う一番の目的は、建設現場での事故の発生を防ぐことにあります。
安全に作業を進めて事故が起こらないようにすることは、すべての作業員とその家族を守るために大切なことです。
また、事故が起こらないようにすることで、作業をスケジュールどおりに進めることができます。
つまり、事故を防ぐことは、施主の要望に応えるという点でも非常に重要なことなのです。
より具体的には、以下のようなことをねらいとして安全朝礼が開催されることとなります。
- 作業開始前の作業員の心構えを確認する
- 職場、作業現場での規律を確保する
- 現場に関わるすべての作業員の一体感を作り出す
- 体操を行って身体的なウォーミングアップや健康管理を行う
このような目的を忘れず、毎朝確実に安全朝礼を行うことが求められるのです。
安全朝礼はマンネリ化に注意が必要
前述したように、安全朝礼を毎朝行うのにはいくつもの目的があります。
しかし、毎日形だけの安全朝礼を行っていると、次第に安全朝礼自体がマンネリ化してしまいかねません。
安全朝礼がマンネリ化してしまうと、作業現場での安全確保や作業員の一体感を作り出すといった目的を達成することができません。
そればかりか、安全朝礼を行うことが段々負担に感じられるようになり、朝礼へ参加することの意味を見失ってしまいます。
また、安全朝礼のマンネリ化は、朝礼に参加する作業員だけでなく、朝礼を運営・実施する側にも起こる問題です。
運営側が安全朝礼のマンネリ化を防ぐ努力をしなければ、次第に現場の安全に対する意識は低下してしまいます。
安全朝礼をしっかりとした目的を持って行い、現場の安全を守るためには、朝礼がマンネリ化しないようにしなければなりません。
安全朝礼のマンネリ化を防ぐコツ
それでは、安全朝礼のマンネリ化を防ぐためには、どのようなことを行っていくとよいのでしょうか。
現場の事故を防ぎ、安全を確保するために、どのような形で安全朝礼を行うべきなのかについて考えていきましょう。
同じ話ばかりしない
どのような場面でも言えることですが、同じ話ばかりしていると、聞いている方は聞き飽きてしまいます。
話の内容にも変化がなく、次に何を話すのかがわかっている状態では、話を聞く人の気持ちを引きつけることはできません。
安全朝礼で話をする人は、同じ話ばかりにならないよう、少しずつでもいいので変化を付けて話をするようにしましょう。
安全朝礼の流れを変える
安全朝礼は、挨拶や体操、当日の作業の流れの確認や注意事項の周知などが順番に行われます。
この流れには決まりはないため、どのような順番で行ってもいいのですが、運営担当者によって大体のパターンが決まってきます。
すると、安全朝礼に参加している人も、次に何をするのかがわかっている状態となります。
これでは、いくら安全朝礼をきちんと行っていてもマンネリ化は避けられません。
たまにその流れを変えてみるだけでマンネリ化を防ぐことができ、参加者の意識も変えることができます。
質疑応答を行う
ほとんどの安全朝礼は、運営側が一方的に指示を出し、話をして終わってしまいます。
このような安全朝礼では、作業員などの参加者は話を聞いているだけでいいという考えになってしまいます。
その結果、ほとんどの参加者は安全朝礼に対して受け身になり、真面目に参加する人が減ってしまうのです。
そこで、安全朝礼の中で質疑応答の時間を設けて、参加者が受け身にならないようにします。
たとえば、日々の作業の中で感じた危険なことなど、安全管理に役立つことを参加者に発言してもらうようにするのです。
安全朝礼で相手に伝わる指示の伝え方
安全朝礼は、作業現場での安全確保という大きな目標があり、そのために必要なことを毎日実施していきます。
そこで、よりその効果を高めるため、安全朝礼での話し方や指示の出し方に関する注意点を確認していきましょう。
重要なポイントを絞って簡潔に話す
安全朝礼の場では、現場の安全と無事故を第一に考えて行われます。
その際、安全確保という目的を意識し過ぎるあまり、様々なことを話の中に盛り込んでしまうことが考えられます。
しかし、色々な話を幅広くするのではなく、重要なポイントや特に伝えたい内容を絞って話をするようにしましょう。
安全に作業するために必要なことはいくつもあります。
しかし、それらをすべて安全朝礼の場で話してしまうと、結果的に話の内容がぼやけてしまいます。
そのため、聞いている方にとっては何を言っているのかわからず、何も伝わらないということになりかねません。
その日に行われる作業の内容や進捗状況をみながら、本当に重要と思われるポイントを簡潔に伝えることが大切となるのです。
専門用語や業界用語を多用しない
安全朝礼には、建設現場の作業に関わるすべての人が参加しています。
その中には、まだ建設業の仕事を始めて1年もたっていないような人も少なくないはずです。
そのような人がいる中で、専門用語や業界用語を多用した話をしても、何を言っているのかわからない状態になってしまいます。
現場での経験が少ない人にこそ、日々の安全に関する話を理解してもらう必要があります。
そのため、わかりやすい言葉で話をするように心がけることが大事です。
なぜその指示をしているのか理解してもらう
安全に関する話をする際、「○○に注意する」とか「○○をしない」といった一般的な指示になりがちです。
しかし、一般的な注意事項はすでに全員がわかっていることであり、安全朝礼で話題にしても聞く方には新鮮さはありません。
そこで、どの場所に注意するのか、あるいはなぜ注意をしなければならないのか、具体例をあげながら話をするようにします。
単に注意しましょうと言われても、あいまいな内容では結局その指示は伝わりません。
それよりも、実際に他の現場で事故が発生していること、あるいは経験上大事故につながりやすいことなどを説明します。
その上で、危険性を理解してもらうとともに、簡潔な指示を出して徹底させることが必要となります。
まとめ
安全朝礼は、各建設現場で毎朝必ず行われているものです。
ただ、しなければならないからやるだけではなく、本来何のために実施すべきものかをそれぞれが理解しなければなりません。
そして、実際に事故のない現場を実現するために、安全朝礼の内容にも工夫が必要です。
なんとなく形だけ実施するのではなく、効果のある安全朝礼になるよう、その中身も見直していきましょう。