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建設業許可取得後は決算変更届を毎年提出!提出しないと更新できない?

この記事でわかること

  • 建設業許可の更新時期
  • 決算変更届を毎年提出する理由
  • 決算変更届を毎年提出しないデメリット・リスク
  • 決算変更届を提出する方法・必要書類

建設業許可を取得すると、業務範囲の拡大によって様々な工事を受注できます。
高額な受注も可能になりますが、建設業許可は定期的な更新が必要です。

事業年度の終了後には「決算変更届」の提出も義務付けられており、忘れた場合は建設業許可の更新申請を受け付けてもらえません。
決算変更届の未提出には厳しい処分があるため、提出期限や提出先は必ず理解しておきましょう。

今回は、建設業許可の更新時期や決算変更届の提出期限、提出を忘れたときのデメリットやリスクなどをわかりやすく解説します。

建設業許可の更新は5年おき

建設業許可を取得した場合、5年後の前日までに更新が必要です。
たとえば、2024年4月1日に建設業の許可を取得すると、2029年3月31日が更新期限日となります。

更新期限日が行政機関の閉庁日と重なっている場合は、直前の開庁日が更新期限になるため、曜日を把握しておかなければなりません。
建設業許可の更新は有効期限の30日前までに申請しますが、受付開始日は期限満了日の2カ月前や3カ月前になるため、都道府県の担当部署に確認しておきましょう。

更新期限日を1日でも過ぎると建設業許可が失効するため、5年ごとの更新を忘れないように注意しましょう。

決算変更届は毎年提出が必要

決算変更届とは、建設業許可を取得した事業所が許可行政庁に対し、毎年の事業年度終了後に提出する書類です
提出期限は事業年度の経過後から4カ月以内になっており、建設業法第11条2項によって提出が義務付けられています。

名称に「変更」とあるため、決算内容に変更が生じたときの提出書類と思われがちですが、決算変更届は毎年必ず提出しなければならなりません。

なお、実務では確定申告の準備を優先し、申告内容をもとに決算変更届を作成します。
税務署への申告準備に時間がかかると、決算変更届の作成期間が短くなるため要注意です。

決算変更届を毎年提出しないデメリット・リスク

決算変更届は毎年の提出が義務付けられており、怠った場合は以下のデメリットやリスクが発生します。
会社の決算情報が出揃ったら、税務申告から決算変更届の提出までをセットで対応し、期限を過ぎないように注意しましょう。

建設業許可の更新や業種追加が認められない

建設業許可を更新する際は、決算変更届も含めた書類提出が必要です。
決算変更届がなければ、建設業許可の更新や新たな業種追加を認めてもらえません。

更新申請の期限を過ぎると建設業許可が失効するため、もう一度許可を取り直す必要があります
新たな業種の許可申請も同じ扱いになっており、決算変更届を提出しない限り、申請を受理してもらえないため要注意です。

未提出の決算変更届が数年分あるときは、過去に遡って作成しなければならないため、多大な時間と労力もかかるでしょう。

決算変更届を法定期限内に提出しなかったときの罰則

決算変更届を法定期限までに提出しなかった場合、以下の罰則が科されます

  • 決算終了後4カ月と1日経過後に未提出の場合:建設業課から指導文書が送付される
  • 決算終了後6カ月と1日経過後に未提出の場合:建設業課から指示処分通知書が交付される
  • さらに3年以内に類似の違反行為があった場合:営業停止処分
  • 建設業法に定める届出をしなかった場合:6カ月以下の懲役または100万円以下の罰金刑

各都道府県の建設業課から指導文書が届いたときは、必ず受領書を返送してください
決算変更届の提出や建設業許可の更新申請を怠ると、刑罰の対象になるため注意が必要です。

会社の信用に悪影響を及ぼす

建設業者の情報は一般公開されているため、決算変更届を提出していない会社は信用を失いかねません。
関連業者が行政庁に閲覧請求した際、決算情報がなければ「取引先としては不適当」と判断されてしまい、工事を受注できない恐れがあります

決算変更届の未提出は取引停止につながる可能性もあるため、毎年の提出は必ず守るようにしましょう。

公共工事を受注できない

決算変更届の提出を怠り、建設業課から指示処分通知書が交付されると、「営業の沿革」の賞罰欄に処分歴が残ります
公共工事の受注は経営事項審査をパスしなければなりませんが、賞罰の履歴がある会社は評価が下がるため、元請としての受注は難しいでしょう。

決算変更届を提出する方法・必要書類

決算変更届は都道府県ごとに名称が異なるケースがあり、東京都の場合は「変更届出書」になっています。
提出先は各都道府県の都市整備局や建設業課、土木事務所になっており、以下の書類を法定期限内に提出しなければなりません。

  • 変更届出書
  • 工事経歴書
  • 直前3年の各事業年度における工事施工金額
  • 財務諸表
  • 貸借対照表
  • 損益計算書
  • 完成工事原価報告書
  • 株主資本等変動計算書
  • 注記表
  • 附属明細表
  • 事業報告書(適宜作成)
  • 使用人数
  • 建設業法施行令第3条に規定する使用人の一覧表
  • 健康保険等の加入状況
  • 別とじ表紙
  • 納税証明書

変更届出書などの様式は各都道府県の担当窓口、またはホームページで入手できます。
提出方法は窓口への直接提出になるため、郵便やFAXは使えません。

主な書類の記載要領については、以下を参考にしてください。
建設業許可の手引、申請書類等・決算報告の必要書類(東京都都市整備局)

変更届出書(表紙)

変更届出書は書類全体の表紙になっており、東京都の場合は(1)~(11)までの添付書類を○で囲みます。
行政書士に書類作成を依頼したときは、代理人の欄に行政書士名を記入し、押印します

代理人の欄がない様式の場合、届出者の氏名と行政書士名を併記します。

工事経歴書

工事経歴書については、請負金額の大きな順に記入します。
工事実績がない新規の法人を設立した場合は、「工事実績なし」と記入しておきましょう。

JV(ジョイントベンチャー)は共同企業体になるため、共同工事の場合は「JV」と記入します。

直前3年の各事業年度における工事施工金額

直前3年の各事業年度における工事施工金額を記入する際は、施工金額の合計が工事経歴書と一致するかどうかチェックしてください。
決算期が未到来の新規法人を設立している場合は、合計欄に「決算期未到来」と記入しておきましょう。

財務諸表

財務諸表の様式は以下の5種類が用意されており、事業報告書は適宜の様式で作成します。

  • 貸借対照表
  • 損益計算書
  • 完成工事原価報告書
  • 株主資本等変動計算書
  • 注記表

事業報告書には発行株式の総数や大株主名、工事の種類別の受注高や売上高などを記入します。

納税証明書

建設業が知事許可を受けた法人の場合、地方税の納税証明書を都道府県税事務所で取得できます。
大臣許可の場合は国税になるため、所轄の税務署で納税証明書を取得しましょう。

まとめ

決算変更届は毎年の提出が義務付けられており、未提出の場合は5年ごとの建設業許可更新が認められません。
建設業法に規定された届出を怠ると、罰金や懲役刑になる可能性もあるため、注意が必要です。

事業年度の終了後は確定申告にも対応しなければならないため、決算変更届の作成まで手が回らず、未提出になっているケースもあるでしょう。
決算変更届の毎年提出に困っている方は、早めにベンチャーサポート行政書士法人の無料相談をご活用ください。

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